Loose Change 鑑賞案内 (3)

〜『911の嘘をくずせ ルース・チェンジ・セカンド・エディション』について〜

第3部 世界貿易センター

[31:21] 〜 [56:49]
世界貿易センターで爆発があったかどうかという話題。

[31:21] テレサ=ベリツさんの証言

(英文字幕) There were explosions going off everywhere. I was convinced that there were bombs planted all over the place and someone was sitting at a control panel pushing detonator buttons. There was another explosion. And another. I didn't know where to run.

英語字幕が表示されますが、日本語の字幕は、最後の1行分の、どこへ逃げたらいいのか判らなかった だけです(オンライン版のみのことかも知れません)。この文は次のページにあります。

The Memory Hole > 9/11 Survivor Describes Multiple Explosions

そのページの関連する部分をより広い範囲について訳文を紹介します。字幕が使用している部分を赤い文字で示しました。

ベリツ(Teresa Veliz)は階段を同僚とコンコースの階へと降りた。彼等がコンコース階にある商店街(mall)で上りのエスカレータにたどり着いたとき南タワーが倒壊したので、倒壊によって起きた突風で彼等は押し倒された。真っ暗な中でベリツと仲間は懐中電灯をもっていた人の後を追った:

「懐中電灯はボーダーズ書店(Borders bookstore)の中に私たちを導いた、エスカレータで上がってチャーチ通りに出た。そこらじゅうで爆発が起きていた。私は、爆弾がそこらじゅうに仕掛けられていて誰かが制御盤の前に座って起爆ボタンを押しているのだと思った。チャーチ通りへ出てブロードウエイへ向かうのが恐ろしかったが、そうしなくてはならなかった。私は結局ベッシー通りにいた。別の爆発があった。そして別の。どこへ向かって逃げていたのかは分からなかった。

さてベリツさんが爆発を見たり聞いたりしたのはいつ頃のことで場所はどこでしょうか。WTCの外側に脱出した後のことまで含んでいることは明らかに間違いありません。ベッシー通りでも爆発があったと言っているのです。南タワーの倒壊より後のことですから解体のための爆発とは考えにくいです。(参考: (911Myths) " 替わりの説明")

[31:45] 倒壊のスピード

(ナレーション) 9時59分、ニューヨーク市、ニューヨーク。世界貿易センターのサウスタワーが、およそ10秒で地面に崩れ落ちる。その29分後、サウスタワーに続いてノースタワーも約10秒間で崩壊する。その日の夕方5時20分、ノースタワーから90m先47階建ての世界貿易センター第7ビルが突然崩壊。このビルには、CIA、国防総省、国税庁、シークレットサービス、そしてニューヨーク市の危機管理センターが入っていた。また、証券取引委員会のウォール街についての膨大な調査書類が保管されていた。

注目点 ― 外壁の壊れ方の映像

[31:45]で黒い画面から、タワーの映像に切り替わった所に注目。この映像は、WTCの南南東のトリニティ教会の南側から撮影されたと思われますから、見えている壁面は南タワー(WTC2)の東の壁面です。(参考: "New York Architecture Images- TRINITY CHURCH "。カメラ位置は随分高いですがほぼおなじ方向を写した写真があります。)

煙の出ている少し下のあたりで外壁の柱が外側に膨らんで曲がっているのが判ります(より上部が内側に引き込まれたので外側に膨らんで見えるともいえます)。そして次にチリが吹きだしてきます。また少し下のほうで同じようにチリが吹きだします。爆発のような瞬間的な動きではなく、だんだん加速していく様子がわかると思います。床に引き込まれた柱(壁面)が上部からの重さによってさらに曲がり、遂には折れて(バックリング または 座屈して)、より上部の建物が落下すると同時に建物内部のチリや瓦礫を吹きだしたところです。一旦崩壊が始まると続いて段階的に順次下方に加速しながら建物を潰していったのです。この場面は、2006年8月末に出た NIST のFAQの2の答えの説明と良くあっています。

(1)飛行機の衝突で柱は切断されたり損傷を受け、床トラスの鉄骨と鋼材の柱の耐火断熱材の被覆が剥がれ落ちて、多数の階の広い範囲にジェット燃料を撒き散らした。そして(2)ジェット燃料によって着火させられた、引き続く多数の階に及ぶ火災(セ氏1000度に達した)が耐火断熱被覆の脱落した床と柱を著しく弱め、床が垂れ下がった階では床が外壁の柱をビルの内側に引っぱった。これが外壁の柱の内側への曲がりを生じ、WTC1では南の壁面で、WTC2では東の壁面で外壁面の破綻を引き起こし、各タワーの崩壊をスタートさせた。写真資料、ビデオ資料ともに ― ニューヨーク市警のヘリコプター部隊の崩壊前の30分の間になされた報告も同様に ― 各タワーについてこの経過を裏付けている。("NIST's Investigation of the Sept. 11 World Trade Center Disaster - Frequently Asked Questions(原文)の2" より)

崩壊の速さ

WTCの3つのビルの倒壊にかかった時間として、南タワーがおよそ10秒、北タワーが約10秒間、第7ビルは6秒間であったと言っています。陰謀説論の中でも時間については約9秒とか多少の差は見られるようです。しかし、問題点は、まず一つ目は、そのような崩壊の速さは、ビデオ、そして地震データのそれぞれ単独では正確に測ることはできないだろうという点です。

参考: (さざ波通信 )「国立標準・技術研究所(NIST)のFAQ(2006年8月30日)の6」(2006/09/29 澄空さん訳) (※ 現在 Opera では正しく表示できません)、"NIST's Investigation of the Sept. 11 World Trade Center Disaster - Frequently Asked Questions(原文)の6"

NISTの説明にあるように、自由落下の早さに「近かった」ということは言えますが、上部の階が下の階を破壊しながら落下したのですから、原理的に考えれば、その速さの意義をことさらに取り上げることが無意味であることは自明でしょう。崩壊の間、ビデオでは常に下方の階が見えています。衝突階より上の部分が破壊しながら落下したという見方は正しいはずです。つまり「自由落下の早さそのものだったことは」原理的にあり得ないことです。主張の基礎とする物理学の理解が間違っています。

このことについては、"[36:34] ガリレオの落体の法則" でも説明しています。

重要書類保存の法則

第7ビルに「あやしい」機関が入居していたと言っています。証拠を消すために破壊したのだろうと示唆しているのですが、證券関係の記録は、ここの記録が失われたとしても調査した原資料は、商取引の記録と言う性格上、各地に分散して記録がありますから、第7ビルにある調査資料のみ破壊してもそれほど意味はありません。気の利いた機関や会社は、資料として保管するなら必ず別の場所に重複してバックアップするでしょうから、ビルごと破壊しても記録はどこかに残っているでしょう。もし、数枚の手書きメモを灰にする目的の自作自演としたら、テロ参加者が非常に多いのですからそちらの口止めの方が大変なはずですよ。この謀略を行う価値がありますか?

[32:29] WTC7の損傷

周りのビルはどれも無傷のままだというのに第7ビルはまっすぐ崩れ落ちこじんまりした小さな山と化した。6秒間で。公式発表はなんと言っているだろうか。ツインタワーから落下する破片で内部が火事になり建物内にあった燃料タンクに引火した。これが事実なら第7ビルは歴史上3番目の火災が原因で崩壊した建物になる。1番目と2番目はツインタワーだろう。

WTC7の被害の実際

世界貿易センターの敷地周辺のビルはほとんどが被害を受けています。敷地内では、WTC3(ホテル)、WTC4、WTC5、WTC6(税関)が修復不能の状態になりました。また敷地外ではギリシャ正教の教会が全壊しました。またドイツ銀行ビルは壁面を大きく削り取られ、結局2006年春から解体が始まりました。ベリゾンビルも壁面に損傷を受けています。ウエスト通りを挟んで西側の世界金融センターの第2、3ビル、その中間にあるウィンターガーデンも被害を受けています。これらはすべて飛散したタワーの残骸によるものです。特に世界金融センター第三ビルに突き刺さったWTCタワーの外壁のユニットの存在などは陰謀説の立場の方々も注目している事実です。FEMAの報告書は、その第6章でバンカーズ=トラスト(ドイツ銀行ビル)、第7章でその他の周辺のビルの被害を報告しています。

(FEMA) "World Trade Center Building Performance Study"

ツインタワーから落下する破片で内部が火事に という状況を考えてみてください。外壁が破壊されない限り内部に火災が広がる可能性は低いはずです。外壁が破壊されていたのです。ベリゾンの隣にあった、WTC7も南の壁面に大きな被害を受けており、それはビルの中心部のコア付近に達するものでした。コア付近のエレベータシャフトではエレベータの箱がシャフトから飛び出していました。その上に火災が発生しほぼ1日中燃え続けたわけです。つまり、外部からの物理的な損傷の他に火災の被害にもあったという点ではタワーと条件は似ているのです。これが、FEMA や NIST などの報告書が説明している内容、いわゆる「公式発表」です。(参考: 「WTC7の倒壊 ― 『金曜日』625号」)

6秒間で崩壊したか

"WTC7.net the hidden story of Building 7: Videos Show Building 7's Vertical Collapse." というページの、3つ目のビデオクリップ、 video broadcast on CBS を見ると再生は通常速度です。少なくとも約5秒でビルが消えています。といっても地面に達したところは手前に建物があって確認できません。真ん中に見える白い階段状の屋上の建物は "101 Barclay Street" という高さが99mのビルです。左の茶色のビルとの重なりの部分は少し低いのですがそれでも75〜80mはあると思われます。カメラの位置から考えれば、WTC7の位置ではより高い位置のはずです。約180mのWTC7がおよそ半分の高さまで崩れるのに5秒かかっているわけです。自由落下の速度だったと考えると、5秒なら122.5m落下したはずです。すると77.5mで計算はほぼ合うのですが、それはカメラからの見かけ高さであって、実際のWTC7の位置では、それより高くなるはずです。つまり実際には5秒では122.5mも落下していなかったと言うことです。ちなみに、6秒では自由落下の場合、176.5m落下しますから、WTC7の高さとほぼ同じです。おそらくWTC7の高さから6秒と言う数字を計算して 第7ビルはまっすぐ崩れ落ちこじんまりした小さな山と化した。6秒間で。 と言っているのでしょう。崩壊の始まりはともかく終りがビデでは確認できないのです。

(TheWebFairy)"Building 7 Video" の クリップ 7detail.wmv で見ると、こちらはスロー再生のようですが、崩壊の始まりについて見ると、CBSのビデオでは確認できない屋上の左の構造物の沈み込みは、ビル全体が下降し始めたときよりかなり早い時点で始まっています。CBSではビル全体が下降し始めたときから以後しか確認はできません。これからも、6秒と言う数字は、事実に基づいた数値とは考えにくいと思います。

参考: (emporis)"101 Barclay Street"

[32:58] 他の高層ビルの火災

B25爆撃機がエンパイヤステートビルに衝突

(ナレーション) 1945年6月28日、濃霧で方向を見失ったB25爆撃機がエンパイヤステートビルの79階に衝突、14名が死亡、損失額は100万ドル。だがビルは今日まで変わらず建っている。

火災で倒壊したビルはないことを示すためいくつかのビル火災を紹介します。しかし、外部からの何かが衝突して被害を与えさらに火災が生じたという同じ条件は、エンパイヤーステートビルだけです。ビルの構造はWTCに比べ堅牢な上に、飛行機がはるかに小型で、かつスピードも遅く、燃料も残り少ない着陸間際の出来事でした。単順に比較はできません。消火活動がどのように行われたかの比較も落ちています。『ルースチェンジ』の、1945年のエンパイヤ―ステートビルの映像では、ビル内部での消火活動が映像として残されている点にも注目。これも、WTCとは大いに違っています。

なお、エンパイヤステートビルの事故は、1945年の7月28日です。原作も "July" です。事故の様子は、下のページでおよそわかります。消火活動が行われ火を消し止めることができました。2日後にはビルの営業が再開されました。

(1)"Historical Perspective: Plane hits Empire State Building, By Thomas M. Cunningham"、(2)"Damn Interesting » The B-25 that Crashed Into the Empire State Building"

B25ミッチェル爆撃機は、幅20.4m、長さ15.5m、重量15.9トン、積載燃料1000ガロン、衝突時の速度326km/h(上記1による)。ボーイング767型機は幅47.5m、長さ48.5m、重量179トン、積載燃料24000ガロン、衝突時の速度756.4km/h(FEMA報告書による最小値)。衝突速度以外はFEMA報告書、第1章p19 図1-10を参考にしました。速度は半分以下、重量は10分の一、幅も約4割です。運動のエネルギーは質量に比例し、速度の2乗に比例するのでボーイング767の与えた衝撃はB25の約55倍 ("Viewer Guide" は約200倍と計算しています。)

"Viewer Guide" によれば、原作では、B52爆撃機と言っているようです。日本語版制作者はこの間違いには気付いたようです。

(ナレーション) 1975年2月14日、ノースタワーの9階から14階にかけて3回の出動警報が発せられた火災が発生。『ニューヨークタイムズ』紙はこの火災でタワーの調査がかなり綿密に行われ遂にスプリンクラーの設置が決定したと報じる。

火災の場所が低い場所だったことに注目。消防が消し止めています。

1975年のWTCの火災について言えば、この火災を経験として初期消火のためのスプリンクラーの設置が決まったということは、このタワーにとって複数の階に火災の広がることが構造上の致命傷になることが予測できたことを示しています。この火災に関しては、『9.11生死を分けた102分』は、1975年2月に起きた放火による小火で床の一部が崩れていた。(P113) とも書いています。スプリンクラーを設備をした上でも、鉄骨の耐火処理の不備など、また避難経路の少なさなどから消防関係者の一部には、ニューヨークで最も危険なビルであるという評価があったのでしょう。

マコ―ミック消防局長官は、このタワーはニューヨーク市でもっとも危険な建物のひとつだと考えていた。(『9.11生死を分けた102分』p184)

画面の、1975年のWTCの火災についての記事は、(prisonplanet.com)"1975 WTC fire burned six floors for three hours" にあります。

ビルの耐火構造そのものについて論じているのではありませんが、『9.11生死を分けた102分』には、エンパイヤ―ステートビルには、幅の広い下層部分には九か所の、細くなっている上のほうには六か所の非常階段がありファイヤータワーも設置されている。(P170) と書かれています。WTCには非常階段は全階を通じて中央部に3箇所しかありませんでした。60年台を境とする前後の、防火対策の考え方の違いが出ています。

エンパイヤ―ステートビルにそのような設備があったのは、1912年に防火構造と称していたイクイタブル生保(現在のAXA-Equitable)の社屋が「火災によって倒壊」し犠牲者を出した事故などがあったからだと書いています(『同』p169)。

イクイタブル生保ビル 1870年完成の7階建て(130または142フィート)で、ブロードウエイ120にあった、オフィスビルで初めてエレベータを備えたビルです。火災は1912年の1月9日夜明け前地下のカフェから発生。鉄製のビルで軽量石材で耐火が施されていたにも関わらず倒壊しました。高層ビルではありませんが、火災で倒壊したビルがなかったというわけではありません。"Firehouse.Com: The American Fire Service - Fire Disasters: What Have We Learned?" は、"Parker Building"(*) の教訓が無視されたと書いていますから、これ以外にも先例があって火災による鉄構造の建物の崩壊の危険性は19世紀末には周知のことだったと言えるでしょう。2001年の出来事について、歴史上火災で全壊した鉄構造のビルはないなどという人は前々世紀の感覚の持ち主ではないでしょうか。(* 1908年1月10日、20階建て耐火構造の Parker Building の火災では3名の消防士が建物の大規模な崩壊で死亡しました。)

ファースト=インターステート=バンクの火災 (消火に成功)

(ナレーション) 1988年5月4日、ロサンゼルスの62階建て超高層ビルが3時間燃え4つの階に被害が及んだ。だが崩壊はしていない。

"Los Angeles Fire Department Historical Archive/ First Interstate Bank Fire" によれば、火災は、 First Interstate Bank のビルで、12階から発生し16階まで延焼しましたが、消防隊が鎮火させたと言うことです。鉄骨構造で外壁はアルミとガラス。非常に優れた耐火被覆が建物の構造の頑強さを維持したと書かれています。火災の原因は12階の證券ディラーのオフィスのコンピュータ付近で電気系統からの出火と見られるが確定はできなかったとなっています("United States Fire Administration / Interstate Bank Building Fire Los Angeles, California" の SUMMARY OF KEY ISSUES)。耐火被覆の性能が高かったうえに燃焼時間が3時間であった点、外部からの大きな衝撃による建物構造に対する破壊を受けていないこと、発生箇所が比較的低い階で何とか消火活動がおこなわれ鎮火できた点は、WTCとは条件がかなり違っています。火災の継続時間こそWTCは短いのですが、耐火被覆の効果はほとんど期待できない状態でした。

ワン=メリディアン=プラザの火災 (最終的に解体)

(ナレーション) 1991年2月23日、1973年に完成したフィラデルフィアの38階建て高層ビルは19時間以上にわたり8つの階が燃えたが崩壊はしていない。

(web.archive.org / Simpson Gumpertz & Heger Inc)"One Meridian Plaza" によれば、22階が出火元。原因は清掃作業に使用したリンシードオイルが染みたボロ布の自然発火です。『ルースチェンジ』がこれ以外にも無視している点は、火災の熱によって梁と床が大きく変形した(上のページに写真があります)、消防の指令者がビルの崩壊を懸念して消火活動を中止したこと、30階に設置されていたスプリンクラーが作動して火災が収まったことです。8階に燃え広がって19時間にわたって同じように火災が燃え続けたのでしょうか。可燃物が無くなれば火勢は弱くなるのですからそのようなことはありえないでしょう。理論的な根拠は皆無ですが、19時間を8階で割ると1階あたり約2時間20分ほどかかって燃えたともいえます。耐火性能が2〜3時間ならどうにか持ちそうな時間です。火災の後、2000本以上の支柱を設置したりしましたが、結局最後は、修復の見通しが立たず解体されました((phillyblast.com)"One Meridian Plaza")。

パルケ=セントラル=東タワー(Parque Central East Tower、修復中)

(ナレーション) 2004年10月17日、1976年に建てられたベネズエラの56階建ての高層ビルで火災。17時間以上燃え続け26の階ママに火がまわり最後は屋上にまで及んだ。しかしこれも崩壊はしていない。

ベネズエラのカラカスにある鉄筋コンクリート造のこのビルは、10月16日深夜から17日早朝に34階から出火し50階まで延焼しました。火がまわったのは16の階です(44階までの10階が被害を受けたとする資料もあります)。(nfpa.org) "Fire Unchecked, by Jaime A. Moncada, NFPA Journal, March/April 2005" によれば、正午頃までは何とか消火活動を続けましたが、ビル倒壊の危険性からビル内部から消防士を撤収しました。午後2時から3時にかけて軍のヘリコプターから水を投下しましたが火勢を弱めるには成功しませんでした。そして翌朝3時に消えました。スプリンクラーも消火用の配管もありましたが、点検と維持がされておらず役に立たなかったことが被害を大きくしたと見られています。一部に崩壊した箇所もあり構造に大きな損傷が生じたとされています。Wikipedia によれば、2006年5月の時点では修復中となっています。あえて言えば、「倒壊しなかっただけ」でしょう。それと、飛行機も衝突していません。

ウインザービル(Windsor Building in Madrid、上層部はほぼ全壊)

(ナレーション) 2005年2月12日。マドリッドのウインザービル。この鉄骨鉄筋コンクリート造りの32階建てビルはほぼ24時間燃え続け上部10階分が完全に失われた。しかしそれでもビルそのものは崩壊しなかった。

ビルの構造がツインタワーとは基本的に異なります。また飛行機が衝突したわけでもありません。中心のコア部分は鉄筋コンクリートでしたが、周囲は鉄構造でした。上部の周囲は完全に崩壊しています。

2005 年2月 12 日に発生したスペインマドリード市ウィンザービル火災に対し、国土交通省では国総研から研究者を派遣し、全館火災・大規模部分崩壊に至った要因等について調査を実施した。その結果、防火区画を形成すべき床と外壁との接合部分の防火対策が不十分で、出火階から上下階へ短時間に延焼したこと、外壁を構成する鉄骨柱に耐火措置が施されておらず、火災により荷重支持能力を喪失し床スラブを引きずる形で部分崩壊したことが確認された。 (国土交通省、主な災害調査(pdf)")

「 マドリッドWindsorビルの火災」 和田章・岡本達雄 の報告や写真を見れば、倒壊は免れたものの「びくともしない」などとは言えません。被害が大きかった証拠に、わざわざ日本から調査に出向いた人たちがいます。

時間の流れの無視

(ナレーション) そして2001年9月11日、1973年に完成した2つの110階建て高層ビルである。どちらのビルも4つ以上の階が燃え、完全に崩れ落ちるまで燃えていた時間は、それぞれ56分と103分である。

比較のため4つあげた例のうち、カラカスとマドリードは、WTC以後の例です。WTC以前に火災で崩壊した高層ビルは無かったという参考にはできません。WTCの経験を意識した消火活動がとられた可能性がありますから。

『ルースチェンジ』の取り上げ方で注目する点は、火災の継続時間と延焼した範囲は示しているのですが、火災の位置や消火活動については触れていない点です。また建築構造についても。同じような傾向は、例えば、(serendipity)"Other Fires in Steel-Structure Buildings" など見ても判ります。こちらは資料を示しているので、それを確認すれば、ページの記述が資料を十分参照していないことは明白なのですが、読者はそこまで確認しないだろうと思っているのかも知れません。

[34:54] タワーの構造

建築構造でそうなったという人もいるかもしれない。では2つのタワー内部がどうなっていたのか見てみよう。ツインタワーは、20万トンの鋼鉄と、33万立方メートルのコンクリートで作られ、103のエレベーター、43600個の窓、6万トンの冷房装置、そして108mのテレビアンテナを備えていた。また各タワーのコア部分は、26mかける40mで、90cmかける40cmの鋼鉄製の柱47本からなっていた。ノースタワーは、1970年に完成し高さ410m。サウスタワーは1973年完成で高さ408mと記録されている。1974年にシアーズタワーが完成するまで世界一の高さを誇っていた。

高さは一般的には、417mと415mです。原作のナレーションは、The North Tower was completed in 1970 standing at 1368 feet tall and the South Tower was completed in 1973 clocking in at 1362 feet tall("Viewer Guide") で換算すると417m と 415m です。

これで、建築構造の特徴を説明したと言えるでしょうか? ツインタワーは、例えば、簡単に説明する場合、セロリの茎のようなものだと説明されることもあります。あるいは竹のようなものともいえます。ビルにかかる力のうち風などの横からの力に対しては、パイプ状の外壁だけで耐えるように設計されていました。

窓の数、冷房装置の目方、アンテナの長さなど構造の頑強さとは関係ありません。無駄な大きな数字を並べ、WTCの「無意味な大きさ」を印象付けているだけです。 高層建築では、むしろ、重量が大きいということはそれだけ建物自体が建物自身を破壊する能力も強大であるということです。それでも設計者としてはできるだけ軽量にし、かつ賃貸空間を多く確保するため使用スペースに柱のないパイプ状の構造としたわけです。

コアというのは、中心部分とか中核という意味ですが、ツインタワーでは、ビルの強度に対しては字面の印象ほどの役割を果たしてはいなかったようです。ツインタワーの場合は単に「ビルの中央の部分」ほどの意味合いでしょう。

ナレーションが後半で強調するコアは単に床にかかる重量を支えていたにすぎません。コア自体で横方向の力に耐える能力はほとんどなかったということです。コアから張り出したスーパービームで床を支える高層建築のコアとは構造上の意義が全く違うのにコアの強度を過大に見せようとしているようにも思えます。コアの柱は特に、鋼材の断面の形状では最上階から地上まで連続性がありません。コアの構造についてFEMAはあまり説明していませんが、報告書の範囲では実質上ただ積み木のように積み重ねただけのようにも思えます。崩壊現場のコアの柱の残骸はどれも継目できれいに分離していることからもそう思えます。

中央コア部分はエレベーターや階段等に使われている。コア部分の柱は、下層、中層、高層の順に、日の字断面、ボックス断面、H形断面が使用されている。コア部分は内部の床荷重のみ負担することになっているので、柱の配置は、エレベーター、階段、トイレ等のスパン割に対してある程度の自由度を持たせている。 (「NY/WTCビルの被害拡大過程 被災者対応等に関する日米共同研究成果報告書 1-2 建築物の構造被害」) なお同ファイルによれば、タワー1棟について、建物自体の重さが 29万5千トン、建物の総重量は37万トンです。「同 1-1 世界貿易センターとその周辺環境の経緯と現在」 によれば、骨組用鉄鋼材20万トン(おそらく1棟分)です。

参考: FEMA/ World Trade Center Building Performance Study , 2 WTC1 and WTC2

それから、シアーズタワーに触れる([35:40])ところで見えるビルはシアーズタワーではなく、エンパイヤー=ステート=ビルディングです。"recut版" では本物のシアーズタワーの映像に変えてあります。お粗末。

[35:45] 常識

(ナレーション) さて政府は私たちに38000Lのジェット燃料でこれらの巨大な建築物が破壊されたと信じさせたいのだろうか。しかし、目撃者や、ビデオ映像、そして少しの常識でそんな主張はすぐに覆される。

FEMAの報告書では燃料は政府機関の調べとして1万ガロンとなっているので、38000L はあっています。しかし、ジェット燃料が建築物を破壊したとは言っていません。飛行機の衝突が建物に損傷を与え、ジェット燃料が引き起こした複数階に及ぶ火災が原因だとしています。例えば:

飛行機が搭載していた多量のジェット燃料はビルディングへの衝突で発火した。燃料のかなりの部分は、直後の火球によって消費された。残りの燃料はビルディングの中を流れ落ちたか飛行機の衝突後しばらくのあいだに燃え尽きたと考えられる。ジェット燃料が燃焼して発生する熱だけでは建物の崩壊を引き起こすのには十分ではなかったように見える。しかし、ジェット燃料は燃焼しながらビルディングのいくつかの階に広がったので、多量のビルディングの内容物に着火し、両方のビルディングの数階で同時に火災を起こした。これらの火災の発生した熱エネルギーは大型の発電所が発生する電力に匹敵する。長い時間にわたって、この熱は、被害を受けた建物の骨組みに追加的な負担を課し同時にこれらの骨組みを軟化させ弱めた。この追加的な負担とその結果の損傷は両方のビルディングを崩壊させるのに十分なものであった。 (FEMA 報告書 第2章 3節 所見と発見事項)

「常識」というのは、いくら気に食わない「公式見解」でも、違った内容を知らせることは間違っていると判断することです。

(ナレーション) 午前9時3分、2番目の飛行機がサウスタワーの78階と82階の間に激突した。辛うじて、南西側の角に衝突。ジェット燃料のほとんどは外で爆発し大きな火の玉となった。しかしこのサウスタワーが最初に崩壊する。ノースタワーは真正面から衝突され18分間長く燃え続けていたのに。

ビデオの画面で見るとおり、飛行機がサウスタワーへ衝突した位置は「南西側の角」ではなくて、正確には南の壁面の「東の部分」です。東の壁面には全く衝突していません。つまり「角」ではありません。南西の角は画面では左の奥になります。これも「常識」です。衝突した階も78階から84階の間です(同上、FEMA報告書による)。

(Youtube) "Never before seen Video of WTC 9/11 attack" で見ると明らかに「角」ではなく壁面に衝突しています。左が南タワー、右に見える黒いビルは、ミレニアム=ヒルトンです。手前クリーム色が 22 Cortlandt Street 。左隅が ワン=リバティ。

北タワーの方が、衝突した階が南タワーよりは上の94〜98階ということを無視しています。南タワーの方が損傷を受けた部分に加わる荷重ははるかに大きかったはずです。衝突を受けた階より上は、北タワーは12階であるのに南タワーは26階で、約2倍の大きさの建物部分が上に載っていたことを無視しています。無視された情報を聞けば、「常識」のある人なら、南タワーが先に倒壊したことに納得すると思います。

[36:34] ガリレオの落体の法則

(ナレーション) ガリレオの落体の法則は、一つの物体がある一定の距離を自由落下で落ちる時間を測定するもの。「距離イコール16.08かける時間の二乗」サウスタワーの高さは1362フィート。「1362イコール16.08かける84.70、または、9.2秒の二乗」。 ≪ここで画面にデジタルのストップウォッチが表示されます≫ ツインタワーはほぼ自由落下の速さで崩れ落ちた。20万トンの鋼鉄がわずか1m足らずの破片となって砕け散り、33万立方メートルのコンクリートは粉々になって粉塵と化した。そして幾人もの命が瞬時に失われてしまった。いったい何が世界貿易センターを倒壊させたのか。

ビデオ画面の公式は:

距離 = 16.08 × 時間(秒) の2乗
DISTANCE = 16.08 x SECONDS SQUARED

混乱しそうですが、これは日本語の字幕の説明不足です。フィートで計算する場合と明確に断るべきです。通常は:

z:落下距離、g:重力加速度 t:時間 とすると:
z=1/2gt2 または z=0.5gt2

です。で距離をビル(WTC2)の高さの1362フィートで計算すれば、答えの9.2秒は間違いありませんが、それはWTC2の屋根の縁が地上に達するはずの時間です。で、ビデオでそれが確認できるでしょうか?瓦礫の煙が巻き上がっている中での出来事なのですが。例えば衝突階より上層部の下の縁が地上に達するならより短い時間でなければならないはずです。ビデオ場面のタワーのどの部分が9.2秒で地上に達したのか目印の表示さえありません。

その上、ビデオ画面に時計の表示があるのに、ツインタワーはほぼ自由落下の速さで崩れ落ちた といいながら、時計をストップさせることも、明確に「何点何秒」でとも説明していません。

間単に確認してみましょう。ざっとですから反論する前に自分で調べて計算してみてくださいね。南タワーの倒壊場面([36:57])の右手前の黒いビルは、バンカーズトラストです。高さは、158m(または172m)です。このビルの屋上と落下する部分の先端(下端)が並ぶのは、画面の数字を読み取ると6.27秒です。(6.27秒という数字の時にどの部分がバンカーズトラストの屋根の位置にあるかで私の基準としている先端の場所がわかると思います。注意して欲しいのはこの先端は落下する建物の先端よりは若干下になっていることです。) 落下部分の先端(下端)を衝突階(78〜84階)より上部の下の端(85階)とすれば、その元の高さは、ビデオの提供する1362フィート(約415m)を基準に計算すると:

415 × 85 ÷ 110 ≒ 320.7
(「NY/WTCビルの被害拡大過程 被災者対応等に関する日米共同研究成果報告書 1-2 建築物の構造被害」によれば基準階の階高は3.66mです。これを元に屋上から計算すると323.5mですから概要ということで320.7を使用します。)

バンカーズトラストの屋上との差は、162m〜148mの間です。6.27秒を公式に当てはめると

z = 0.5 x 9.8 x 6.27(2) = 192m

となります。落差は最大で162mです。自由落下したにしてはやや遅すぎるようです。つまり到達距離が計算値より短い。逆に、やや上方から俯瞰していることを考え合わせても、6.00秒でも落下部分の先端(下端)はバンカーズトラストの屋上の高さには達していないことが分かります。自由落下であるなら148mの落差なら5.5秒、162mなら5.75秒です。どう見ても自由落下の速度よりは遅いと言えそうです。

ガリレオの落体の法則とは

"ウィキペディア" では、ガリレオはまた、落体の法則を発見した。この法則は主に2つからなる。1つは、物体が自由落下するときの時間は、落下する物体の質量には依存しないということである。2つめは、物体が落下するときに落ちる距離は、落下時間の2乗に比例するというものである。

原作の落体の法則の説明部分は、ガリレオの落体の法則は、完全な自由落下の場合に、その中において物体がある特定の距離を落下するのに要する時間を計算する。(Galileio's Law of Falling Bodies calculates the time in which an object will travel a certain distance in complete freefall.) です。 あるいは、「ガリレオの落体の法則によって、完全な自由落下の場合について、物体がある特定の距離を落下するのに必要とする時間を計算することができる。」です。

"calculate" には「計算する」、「予測する」という意味はありますが、「測定する」という意味はないです。また、3つの変化する量を扱うのですから、"a certain distance" は 「距離と重力加速度を『一定』とすれば時間は」という言い方は無理がないと思いますが、このような文の中では、ある一定の距離 よりは、「ある特定の距離」の方が違和感がありません。

落下に要する時間は、広義の「時計」で「測定」すればよいはずです。ビデオ画面内のカウンターがそれです。原作者は、建物の高さを基準に『予測(計算)』する時間は「9.2秒」でビデオで『測定』するとやはり「9.2秒」だから、自由落下の速度で倒壊したと、言っているのではないでしょうか。正確に時間が実測できる場合なら問題はないのですが、この場合は時間の計測が正確には行えません。事実、『ルースチェンジ』はカウンターも停止させないし「測定した時間」も明示していません。ゆえに、原作のナレーションの説明は理屈の中味は無意味です。しかし形式は整っています。ところが日本語のナレーションでは意味をなしません。つまり、ナレーションの「測定するもの」という訳は間違っています。

話がそれますが、ブリガム=ヤング大学の(たぶん)元教授のスティーブン=ジョーンズ博士も物理学者でありながら、このような簡単なトリックで、「自由落下の速さで倒壊したWTCのビル」という無意味な「不思議さ」を強調していたのだと思います。

"recut版" では落体の法則の公式の表現を法則のもともとの表現どおりに変更しようとしていますが、これは間違っているようです。

TIME SQUARED = DISTANCE SQUARED / ACCELERATION

(正解) TIME SQUARED = 2 x DISTANCE / ACCELERATION

原作も話しにならないのですが、日本語版ではよりグチャグチャになってしまったというところでしょう。

[37:10] 破片の大きさ

20万トンの鋼鉄がわずか1m足らずの破片となって砕け散り・・・ というナレーションがあります。しかし現場の鋼材の破片から最も特徴的にいえることは、外壁が建設時のユニット単位で飛び散っていることでしょう。外壁は下の写真のように、鋼材3本を、「井」の字に縦横それぞれもう1本を加えた形に加工した物を現場に運び組み上げたのです。ユニット一つが3階分で、サイズは約11mの長さで幅は約3mです(WTC Building Performance Study CH.2) (ビデオでは [35:06]参照)。外壁は上下は柱と柱の端をボルトで、左右は横のやや幅広の鉄板をボルトで止めていました。専門家の中にはこの上下の接合が弱すぎたと指摘する声もあります。つまりバックリングによってこの部分で簡単に分離したと。崩壊後の現場の写真を見れば納得できる説明です。1m足らずになったという説明の根拠は不明です。

Photo:femawtcf2_7.jpg
FEMA/ 世界貿易センターのビルディングの性能の研究 第2章 図2-7

崩壊現場の写真については、(9-11Research) "Ground Zero Photographic Evidence of the Twin Towers' Remains" というページに多数あります。その中で、"zoom-up of high-resolution aerial photo of Ground Zero" というタイトルの写真が参考になります。画面の左端の方の中央辺りに、外壁のユニットの一つ分が見えます。これが約10m×3mです。他の鋼材の多くはこれより大きなものです。外壁はユニットがいくつかつながった形で落ちているのが良く分かります。また鋼材の端がどれも切断したかのように直角にきれいにそろっている点にも注目。接合部分が特に弱かったことを示しています。幅1m、長さ20数mほどの鋼材はコアの柱と思われます。

[37:30] バン=ロメロ氏のコメント

(ナレーション) いったい何が世界貿易センターを倒壊させたのか。専門家に聞いてみよう。バン=ロメロ氏。ニューメキシコ鉱山技術研究所副所長。「ビデオテープに基づいた私の意見です。世界貿易センター内にいくつかの爆破装置があったと思います。両タワーの崩壊はあまりにも整然としたもので飛行機が原因ではありません。」ところが10日後、「確かに火災が崩壊を引き起こしました」なぜ突然に考えを変えたのか。

以前「重力に抗したものは土に帰る」と書いた事がありますが、世界貿易センターを倒壊させたのは「重力」です。たいていの専門家はそう言うだろうし、そう言っています。 MITのトーマス=イーガー博士は、20万トンのものが崩れるとするなら、君はそれがどこに向かって崩れると思うだろうか? まっすぐ下しかないだろう。((NYT)「信じない人々」) と似たようなことを言っています。(参考:"自然倒壊するものが火災で倒壊しても不思議はない")

ナレーションは、いったい何が世界貿易センターを倒壊させたのか。専門家に聞いてみよう。 と言っていますが、実際には直接専門家の意見を求めたのではありません。しばしばこの手の情報の水源となっているAFP(アメリカン=フリー=プレス)の記事をコピーしたに過ぎないのです。バン=ロメロ氏のコメントの出典は、"Some Survivors Say "Bombs Exploded in WTC" , By Christopher Bollyn and The American Free Press, 2001/10/22 "(*) と思われます。

* 転載されたものが、The Truth Seeker - Some Survivors Say "Bombs Exploded in WTC"、 または、(rense.com) Eyewitness Reports Persist Of Bombs At WTC Collapse(タイトルが異なりますが、ほぼ同内容)。

以下、ロメロ氏が自分の意見を変えたことについて、"Viewer Guide" の見解を紹介します。

(Viewer Guide) Section III: The World Trade Center > Van Romero

彼は陰謀説論者たち(CTists)と違って、正々堂々とした男であることが分かる。彼は専門家に聞いてみた。 とロメロ氏が見解を改めたことを伝えるアルバカーキ=ジャーナル(Albuquerque Journal)の記事を転載(*)しています。

* (prisonplanet.com) Fire, Not Extra Explosives, Doomed Buildings, Expert Says には同じ記事とロメロ氏の最初のコメントの載ったアルバカーキ=ジャーナルの記事があります。なお、陰謀説論者がロメロ氏に多数の抗議のメールを送ったとも書かれています。

9月11日に映像を見てすぐに感じた感想を述べ、その後、専門家に意見を聞いて、自分の意見の間違いに気がついたので、前に言ったことを同じ新聞の紙面で間違っていたと取り消したのです。残念ながら、FBIやCIAに脅迫されたからとは書いてありません。ロメロ氏は爆発物には関係あるが建築構造や解体については専門家ではないという自覚があったわけです。それで、専門家に意見を聞いたということです。つまりロメロ氏の最初の見解を専門家の意見として紹介することはできません。

爆破解体の専門家の意見としては、オランダのダニー=ジョエンコ氏が、制御解体では崩壊が下から始まるが上から崩れ始めたタワーは爆破によるものとは違うと指摘したそうです。直接その言葉は確かめませんが、WTC7の崩壊についての談話の中でタワーとWTC7の崩壊の違いを指摘していること、テレビ番組のその発言部分を聞いたと書いたページもあるのでそう解釈するのは妥当でしょう。

参考:「ダニー=ジョエンコ氏の証言」、また、" Zembla Investigates 9/11 Theories"(オランダの最も有名で経験のある制御爆破解体の専門家であるダニー=ジョエンコ氏は(TV番組に)助言を求められ判断したが、それはツインタワーの倒壊は飛行機の衝突による被害と火災の影響によることは容易に納得できるというものであった。)

また、制御爆破解体を行う業者達のWebサイト、Implosionworld.com"THE WORLD TRADE CENTER COLLAPSE Questions & Answers" も制御解体ではないと説明しています。

[37:55] ハイマン=ブラウン氏の見解

(ナレーション)ハイマン=ブラウン氏。土木工学教授。世界貿易センターの建設管理者。世界貿易センターは、ハリケーンや強風、爆弾、ボーイング707型機の衝突にも耐えるように設計されていましたが、1090度で燃えるジェット燃料が鋼鉄を弱めてしまいました。

字幕の、 It was over-designed to withstand almost anything including hurricanes, high winds, bombings and an airplane hitting it という部分で検索すると、もうお気づきの方もあるでしょうが、これは、バン=ロメロ氏の発言の参照元と同じAFPの記事です。ビデオの制作者が非常にお手軽に済ましているということが良く分かります。

(参考) AFPの元の記事では、ブラウン教授の 南タワーは、(北タワーと比べ)より低い位置に衝突があったので、つまり上の部分がより重かったので先に倒壊した という説明を紹介しています。ビデオの少し前の部分([36:00])で、午前9時3分、2番目の飛行機がサウスタワーの78階と82階の間に激突した。辛うじて南西側の角に衝突ジェット燃料のほとんどは外で爆発し大きな火の玉となった。しかしこのサウスタワーが最初に崩壊する。ノースタワーは真正面から衝突され18分間長く燃え続けていたのに。とナレーションしている疑問に答えるものですが、紹介していません。この疑問自体が、この記事からヒントを得たものかもしれません。

ところで、ブラウン教授の見解に似たコメントは、専門家の多くが発言しています。また、FEMAの報告書、NISTの報告書なども大筋では同じといえます。大方の専門家の意見といえるでしょう。

赤い文字で強調した「18分間」という数字が少し後でもう一度出てきます。

[38:15] 専門家たちでさえ意見が割れている

(ナレーション)世界貿易センターで使われている、鋼鉄の品質保証をしたアンダライターズ=ラボラトリーズ社のケビン=ライアンはアメリカ標準技術局のフランク=ゲイルへの手紙でこう言っている。「その鋼鉄は耐火基準に合格しています。この耐火試験では約1000度で数時間さらすという基準を設けています。我々は貿易センターに使われた鋼鉄は規格を満たしていることに合意しております。加えて非耐火性の鋼鉄でもおよそ1650度という超高温に達するまでは溶けないはずです。ブラウン博士の1090度という温度がハイグレードな鋼鉄を溶かしたとする主張は意味不明です。つじつまが合っていません。もしあの鋼鉄が柔らかくなったり溶けたりしたのなら両タワー内の火災の原因はジェット燃料ではなかったということになります。」ライアンの意見はまさに、世界貿易センター内での1090度の熱が2つのタワーの崩壊を引き起こしたとするいわゆる専門家等の発言と矛盾している。この手紙を書いた数日後、ケビン=ライアン氏は解雇された。専門家たちでさえ意見が割れている。

ケビン=ライアン(Kevin Ryan)氏の手紙の内容は、(911Truth.org)"UL Executive Speaks Out on WTC Study" にあります。

ライアン氏は、ブラウン博士の1090度という温度がハイグレードな鋼鉄を溶かしたとする主張は意味不明 と言っているのですが、ナレーションが紹介したブラウン博士(教授)の意見では、鉄を溶かしたという言葉はありません。この発言内容の認識についての食い違いは引用者、つまりビデオの制作者が説明しなければなりません。こういう矛盾点を解明した上でなければ、専門家たちでさえ意見が割れている。 という評価はできません。ケビン=ライアン氏が金属材料の専門家であったとしても、彼の発言は、他の専門家の見解を正確に聞いていません。その点で専門家としての意見とは言い難い。

アンダライターズ=ラボラトリーズ社は、UNDERWRITERS LABORATORIES INC. で UL と略称されていることもあります。製品安全規格を作成し、その規格に従い試験を行い、UL安全マークの使用を認める認証機関 で、ULが審査認証を行う製品の分野は広範囲ですが、建築材料や耐火建築構造、内装耐火材等も含まれます。( 参考:"厚生労働省給水装置データベース/ UNDERWRITERS LABORATORIES INC.") しかし、NISTが2006年8月に出したFAQによれば、UL が WTC の鋼材について認証を行った事実はないとしています。鋼材については、鋼材単体の認証は行われていません。耐火材料と組み合わせたもの("structural assemblies")として材料試験協会(ASTM)がその耐火性能を定めています。NIST はライアン氏の発言は事実と異なるといっています。ナレーションのエピソード、UL の信用を貶める行動をしたライアン氏の解雇は当然あり得ることでしょう。

UL は示唆されるどのような鋼材についても認証はしていない。実際には、合州国の慣例では、鋼材は全く認証を受けていない。その代わりに(他の材料と)組み合わせた構造部材として耐火性能について、ASTM E 119 (NCSTAR 1-6B 参照)のような標準的な手続きに基づいて試験されている。鋼材が「華氏2000度で6時間耐える性能と認証うんぬん」は真実ではないと明白にいえる。(NIST FAQ の7)

なお、"Viewer Guide" には、UL の見解のコピーが掲載されています。

ULの耐火部門(Fire Protection Division)はNISTのWTCタワーの倒壊に関する調査を援助してきたが、ライアン氏はその作業に参加していないし、NISTの求めた試験を行ったULの耐火部門にも属していない。ライアン氏は、ULの水質検査をしているインディアナ州サウス=ベンド(South Bend, Indiana)の環境健康研究所(Environmental Health Laboratory)に雇われていた。/ ・・・ライアン氏の手紙はULは認識していないし責任も持っていない。ライアン氏はこの問題に関するULの利益について述べる資格も権限もない。彼の表明した見解は彼独自のものであって、アンダーライターズ=ラボラトリーの見解を反映していない

バン=ロメロ氏、ブラウン教授、ケビン=ライアン氏と3人を並べていますが、この件について専門家としての見解を述べているのはブラウン氏だけのようです。またブラウン教授の見解は、大筋において多くの専門家と同じものです。専門家たちでさえ意見が割れている とはいえません。

[39:26] 計画的な解体作業を見たことがある人なら

ツインタワーの崩壊のビデオが続いて表示され、元の放送のアナウンスが多数聞こえます。例えば、[39:45] 〜 [40:05]

(Viewer Guide より)As if a demolition team set off, when you see the whole demolitions of whole buildings. It folded down on itself and it was not there anymore. ここから別人 If you wish to bring anybody who's ever watched a building being demolished on purpose knows , that if you're going to do this, you have to get at the" "at the under infrastructure of a building and bring it down."

この部分は、日本語字幕では、

貿易センター全体の破壊を見るとまるで解体チームによる爆発のようです / 建物が崩れ落ち跡形もありません ここから別人 計画的な解体作業を見たことがある人なら建物の基礎部分に仕掛けなければ

アナウンス全体を確かめるということは困難です。ですが、 計画的な解体作業を見たことがある人なら建物の基礎部分に仕掛けなければ の後に、「しかし崩壊は上のほうから始まっているから、タワーの崩壊はそういう解体とは違う」と続いていたのかも知れません。先にふれたように、ダニー=ジョエンコ氏は専門家としてでそう指摘しました。

[40:05] 2番目の爆発

(日本語字幕)もう1回 爆破音が聞こえたの 下の階から聞こえたと思うわ / 2回あったから / そうですね 18分くらい間が あいていたからですね / そう・・・ これは最初の爆発じゃありません 同じ建物で2番目の爆発があったんです / 爆発が2回あったんです

この話をしている女性が誰か、またどの番組でいつ頃話したものかは分かりません。この女性はおそらくタワーからの生還者の一人と思います。似た話は他にもあります。"北タワーから生還した人々の中には、北タワーへの8時45分頃の衝突後、退避する途中、まだ北タワーにいる間に、南タワーへの9時3分(約18分後)の衝突に遭遇し爆発と思った人が少なからずいます。911Myths" が解説しています(" キム=ホワイト と 2回目の爆発")。

[40:28] アルバート=ツリ氏の証言

NBCのレポーターのパッド=ドーソン氏が消防局のアルバート=ツリ氏に現場近くで聞いた話を報告している場面です。まずレポーターのいる位置はウエスト通りのチャンバース通りとハリソン通りとの交差点の中間と思われます。通りを跨ぐ特徴のあるアーチ型の鉄橋が見えます。

(字幕) NBCのリポーター パッド・ドーソンが攻撃現場近くにいます パッド? / はい たった今 ニューヨーク市消防署の安全課長と話したところです 安全課長のアルバート・トゥリ氏は 第2の爆破装置が爆発する可能性があると知らせを受けました 彼は部下をできるだけ早く逃げさせようとしましたが そのとき別の爆発が起こったそうです そして 一番目の激突が起こってから1時間後 どちらかのタワーでもう1回爆発があったと話しています 彼は 建物内に実際に装置が仕掛けられていたと考えています

アルバート=ツリ(トゥリ)氏の9月11日の行動の記録が残っています。ニューヨーク市が行ったインタビューのトランスクリプトをニューヨーク=タイムズがWeb上で公開しているものです。(ビデオの[50:33]で言及あり)

(NYT) "Oral Histories From Sept. 11 Compiled by the New York Fire Department - The New York Times"Turi, Albert / Deputy Assistant Chief (F.D.N.Y.) 2001/10/23 (pdf)

ツリ氏は、現場へは東側のチャーチ通り側に到着します。ここで南タワーへの2番機の衝突を目撃します。それから徒歩でベッシー通りを経てウエスト通りへ向かいます。一旦北タワーのロビーに入りますが世界金融センター第二ビル(WFC2)のそばへ移動します。そこで南タワーの倒壊を目撃しました。北タワーの倒壊の危険性を感じた彼は、北タワー西側のウエスト通りにいた人々に北のチャンバース通りの方へ逃げるよう呼びかけながら北に向かいますが、北タワーの倒壊のチリに巻き込まれました。このあたりで、報道関係者にインタビューを受けたが話した内容は覚えていないと語っています。

パット=ドーソン氏の報告とツリ氏の語ることはよく一致しています。「第2の爆破装置が爆発する可能性」とは「北タワーの倒壊の危険性」ということでしょう。「一番目の激突が起こってから1時間後 どちらかのタワーでもう1回爆発があった」というのは、WFC2のそばで目撃した南タワーの崩壊と推定できます。南タワーの倒壊についてツリ氏は次のように語っています。

次に私が聞いたのは、ピートがいったいあれは何だ?という声だった。ビルディングの上層に目をやると、見ていたのは南タワーだが、上方の中間くらいのところまで目が行ったとき、第一に感じたことは2度目の爆発が起きたということで、その階の周囲の全部にリング状に爆発が吹きだした。後に理解できたことだがそれは、既に倒壊が始まっていて、押し付けられた空気があの階から吹きだしたのだった。さらに上に目をやると、このビルディングが崩れてくることが分かった・・・

※ ツリ氏が目撃した南タワーの倒壊は、ビデオの[10:48]からの場面とほぼ同じと推定できます。WTCの西側のウエスト通りかWFCの前から撮影されています。

また、建物内に実際に装置が仕掛けられていた上方の中間くらいのところまで目が行ったとき、第一に感じたことは2度目の爆発が起きた と符合します。

後に理解できた の「後」がパッド=ドーソン氏のインタビューより後なら、ドーソン氏の報告のような内容を語った可能性はあるでしょう。どちらにしても彼は爆発物の爆発を見たのではないと自ら語っています。もちろん洗脳されたり、脅迫されてそう語っている可能性があるという反論を考える人もいるでしょう。しかし、インタビューは消防隊員、救急隊員だけでも500人をこえます。当時現場にいたそれ以上の人数の人々の口裏を合わせることがはたしてできるでしょうか。

なお、ツリ氏は、ユナイテッド175便の衝突、落下直後の175便の破片、北タワーから飛び降りる人々、北タワーロビー内の破損状況についても語っています。

[43:46] はなたれたいくつかの短い光源

(ナレーション)サウスタワーから2ブロック半離れたところにいたある目撃者は10階から15階のビルの内部から はなたれたいくつかの短い光源を見たという。彼はサウスタワーが崩壊するまでパチパチという音とともにおよそ6つの閃光を見ている。

画面に表示される文書と同じものが、次のようにAFPからの引用として、(GNN / B16245)"New BBC Footage Mentions Low Explosion and Shows North Tower Collapse" に紹介されています。おそらくAFPの記事をソースとしていると思います。

One eyewitness whoes office is near the World Trade Center told AFP that he was standing among a crowd of people on Church Street, about two-and-a-half blocks from the South tower, when he saw " a number of brief light sources being emitted from inside the building between floors 10 and 15. "He saw about six of these brief flashes,accompanied by "a crackling sound" before the Tower collapsed. Each tower had six central support columns. [American Free Press]

これと似た話が、[50:33] に出てきます。

[44:03] ジニー=カーさんの録音テープ

(ナレーション) 貿易センターの向かいワンリバティープラザの36階で会合に出ていたジニー=カーは最初の攻撃のすべてをテープに録音した。衝突の後2番目の爆発が9秒後に聞こえる。

まず、衝突の次に起きた爆発が9秒後であるなら、そして爆発が衝突と関係ないものでタワーの倒壊に関連したものであるなら、北タワーの倒壊よりは約1時間45分前、南タワーの倒壊よりも約1時間15分も前に起きたことになります。制御解体の爆発とすれば非常に前に爆発があったということになります。元の録音は、"The Sonic Memorial Project" というサイトにあります。開いたページで、"Search by any word, name or date:" の入力欄に "Ginny Carr" と入力し検索すると3つの録音が出てきます。その1つ目がビデオで使われたのと同じものと思います。テープの最後の方には消防自動車のサイレンが録音されています。1番機の映像を撮影したノーデ兄弟が取材していたファイファー隊長の消防車のものかも知れません。

ところで、このサイトの録音についての説明文を読むと、ジニー=カーという人物は女性であることが分かります。「氏」とつけただけで、男性を示しているとはいえませんが、ビデオ作品に示されたものについてそのソースを確かめるという手間をかけたなら、おそらく「ジニー=カーさん」としたのではないでしょうか。

At 7:30am on September 11th, Ginny Carr started her morning by attending a business meeting on the 36th floor of One Liberty Plaza, a block away from the WTC. A tape recorder captured the meeting, the sound of the first plane hitting, and as the tape kept rolling unattended, the confusion that followed.

両方の録音を聞くと、オリジナルと比較して、『ルースチェンジ』の方が9秒後の爆発音の録音レベルが若干高いように聞こえます。ソフトウエアの録音機のレベルメータや、メディアプレーヤーの視覚エフェクトでもその傾向がわかります。

会話も同時に録音されていますが、2回目の「爆発音」については人々の反応があまりないようにも思えます。

こんな言葉もありますね。「ビルの谷間にこだまして」。もちろん他の理由かもしれませんが・・・。

[44:34] ウィリアム=ロドリゲス氏の証言

(ナレーション)ウィリー=ロドリゲス氏に聞いてみよう。・・・ノースタワー衝突の時地下1階にいた (字幕)それで突然 ドーン ! という ものすごい音がしたんだ / 地下で発電機が爆発したと思った / 「何てこった ! こりゃ発電機だよ・・・」 / そう心の中でつぶやいた時 / また ドーン! ちょうど真上から聞こえた / かなり離れていたが 地下からの音と・・・/ 上からの音には時間差があった / 誰もが叫びだした / 事務所にかけこんで来た男が言った / 「爆発だ 爆発 爆発だよ!」/ 彼の伸ばした両腕の皮膚は すべて はがれ落ちていた / どこもかしこも はがれた皮膚が ぶら下がっているんだ / だらだらと・・・/ 顔も部分的になくなっている・・・ / 「一体何があったんだ!? 」と言ったら / 彼は言った 「エレベーター エレベーターだよ!」 / いくつも爆発があったんだ・・・ / でも爆発のことを話すと みんな こう言うんだ / 「建物内にはキッチンがたくさんありましたね」/ガスボンベのことを言ってるらしいんだ / 僕は言った「ありえないよ! このビルは一流なんだよ」/ 「キッチンに置く物にも厳しいガイドラインがあるんだ」/ 原因はガスだということも疑わしいと思う / あの日起こった爆発については 思い違いがたくさんあった / いまだに・・・ / 上の各階で聞こえた別々の爆発について / 納得がいく説明を受けていない / さらにその上のもだ

最初に下から音があり次に上からという部分は、ビルの鋼材を伝わった衝撃音が地下に先に到達し、空気を伝わった衝突音が遅れて地下に伝わったことで説明がつきます。鉄の中を音は17倍も速く伝わります。衝突地点から地下1階までは330m程はあると思います。空気中ならほぼ1秒かかりますが、鋼材を伝わった最初の音は約0.06秒で到達するはずです。またひどい火傷を負った人を見たというのは、火球がエレベータシャフトを伝って広がったという説明と矛盾はありません。他に説明のしようがあるにしても多数ある説明の一つとしては有効です。火災が起これば常に大災害になる可能性があるから高層ビルではガスが使われないわけで、その大災害の想定にはビルの倒壊も含まれている訳です。

ロドリゲス氏の証言については、"911Myths" が興味深い説明をしています。(参考: 「ウィリアム=ロドリゲス」)

≪参考≫

『ルースチェンジ』とは直接関係しませんが、ロドリゲス氏の証言に関連したことです。ロドリゲス氏の初期の証言は当時の状況として十分予想されるものとして容易に説明ができるものでした。しかし、彼自身の性格のためか、事件直後に適切に説明した人がいなかったかなど理由は不明ですが、彼の思い込みを強くしてしまったようです。陰謀説論者に利用されてしまったとも言えます。しかもいい加減に無責任に。そのような極端な例:

TVEニュースでは、事件当時WTC保全責任者であったウィリアム・ロドリゲス氏(プエルトリコ出身)へのインタビューを紹介した。事件直後、ロドリゲス氏は、WTC北棟39階の事務所に居た。航空機が突入した時、発電機か何かが爆発したと思い、上司に報告しに行こうとした。その途中で、航空機燃料に引火したのか航空機の爆発音を聞いた。次に、もっと大きな爆発音を聞いた。そして、「爆発した! 爆発した!」と叫びながら人が駆け込んできた。その人は全身に火傷を負っており、右腕の皮膚が手袋のようにただれていたという。
奇妙なことは、強い衝撃を受けたと思ったら、館内放送で「65階がやられた」と告げられ、この爆発で65階から44階までが崩れ落ちたと証言したことである。 他のテレビ番組でも、WTC北棟から脱出した人が、20階から30階で数度の爆発音を聞いている。 実際のWTC北棟に突入したアメリカン航空11便(以下11便)は、110階より高いところに激突している。以上の証言を考えると、WTC北棟では数箇所で爆発音が聞こえていたことになる。となると、予めWTCには爆弾が仕掛けられあって、航空機の突入に合わせてビルを完全破壊させたのであろうか?
("ジャーナリスト・翻訳家、ケイ・ミズモリのオンライン・コミュニティー 9.11テロの真相 - WTC&ペンシルベニア編 学研「ムー」2003年10月号掲載(一部改定)")

ロドリゲス氏のいた場所が地下から39階に変わっています。この記事どおりなら、110階建ての北タワーのどこに飛行機が衝突したと言うのでしょうか。あまり深く考えないように。所詮、いい加減で馬鹿げた話なのですから。

[46:17] 北タワーロビーの被害

北タワーのロビーの被害について、『ルースチェンジ』は何を言おうとしているのでしょうか。まず[46:50]までの、ノーデ兄弟撮影の映像に始まるナレーションは、当否は別として一応筋は通っています。

(ナレーション) ノースタワーのロビーの窓ガラスは吹き飛ばされ、壁の大理石のパネルも吹き飛ばされていた。これはエレベータシャフトをものすごい速さで駆け下りた火の玉による被害だと見過されている。しかし世界貿易センターの中心部やエレベータシャフトは密閉構造で機密性が高かったので地上の8階部分を破壊できるほどの威力を残したまま火が400mも下降できるだけの十分な酸素はなかった。

当否については、ロドリゲス氏がひどい火傷を負った人を地下で目撃していることから火球がロビーでも生じたことは十分考えられます。おそらく爆発物であればそのような火傷を負った人が生きていたことは考えられません。また、エレベータシャフトの密閉構造については全く根拠を示していません。

(ナレーション)9月11日、ニューヨーク市は世界貿易センターで343名の消防士を失った。彼等は建物が崩壊する前とそのとき両タワー内にいたのでなにが起こったのか良く把握していると思う。ニューヨーク消防局は何を考えているのか。まずはノーデブラザーズ社のドキュメンタリーから。

ノーデ兄弟のビデオからの映像。4人の消防士が紙コップを手に倒壊の様子を話し合っている場面がでてきます。彼等の語っていることは、見たものを爆弾の爆発と判断しているのか、「そのように見えた」と言っているのかは別とすれば、彼等はタワーの外部を退避する途中に観察したとおりのことを正直に語っていると思います。われわれが倒壊のビデオを見ても彼等の表現は適切と思えます。ここで、突然次のナレーションがあります。

(ナレーション)インタビューの中でニューヨーク消防局の多くのメンバーは、崩壊前の爆発について語っている。ノースタワーのロビーが受けた被害には触れていない。

次に出てくる3名の消防士はどちらも、ノースタワーのロビーの被害について語っています。なぜ、ナレーションは、ノースタワーのロビーが受けた被害には触れていない。 と言っているのでしょう。

"Viewer Guide" を参考に原作のナレーションを確認するとこのナレーションの部分は:

これらのインタビューの中で第7ポンプ車隊の多くのメンバーは倒壊前の爆発について語っている。ノースタワーのロビーの被害については言及していない。 (In these interviews, numerous members of Engine 7 describe explosions preceeding the collapses. Not to mention the damage to the lobby of the North Tower.

参考: 『9.11生死を分けた102分』によれば、ノーデ兄弟が取材していたのはファイファー隊長の率いる第7ポンプ車隊で、ロウワーマンハッタンのリスペナード通りで、ガス漏れを調査していて偶然に、北タワーへの1番機の突入を映像に収めました。第7ポンプ車隊はすぐに現場に向かいました。(p85)

原作どおり訳したとしても何か意味が通りませんね。紙コップ片手に話し合っているのはどう見ても崩壊が始まった後の話ではないでしょうか。倒壊の場面のビデオを見れば明白です。崩壊前の爆発について話をしているのはこの部分の最後に出てくるやや年配の消防士だけです(先に出てくる4人の中の一人)。しかも北タワー内部での話ですから、他の目撃者と同じように、南タワーへの飛行機の衝突のことを爆発と思った可能性があります。繰り返すと、もちろんロビーの破壊(火球または爆発による)は倒壊前のことですが、他の3人は、ロビーの内部の様子について話しているのです。

ビデオを丁寧に見ると、インタビューの中でニューヨーク消防局の多くのメンバーは、崩壊前の爆発について語っている。ノースタワーのロビーが受けた被害には触れていない。 というナレーションは原作どおりに訳したとしても、非常に奇妙なものと言えます。逆に、消防士達一人一人の証言をボンヤリ受け取れば、このナレーションは意味を持つでしょう。下手ですが、そういうトリックなのかもしれません。ロビーの被害の説明を倒壊前の爆発の証言と誤認させるための。日本語と原作の文章が随分違う点も奇妙なものに思えます。

つまり『ルースチェンジ』が言いたいのは、第7ポンプ車隊のメンバーはロビーで爆発の被害を目撃していると言うことでしょう。それなら、ノースタワーのロビーの被害については言及していない。 ではなく、「ノースタワーのロビーの被害については火球によるものとは言っていない。」として、焼けた死体や火傷についての証言をカットすればよかったはずです。

なお、既に、「はじめに」の欄外 で説明したとおり、ノーデ兄弟とビデオに出ている消防士たちは、『ルースチェンジ』の解体のための爆発があったという見解を支持しないと言っています。"recut版"では一部削除された場面があります。

北タワーのロビーの被害やエレベータシャフトを降下した火の玉については、こちらに関連する説明があります。

(911Myths) マイク=ペコラロ

[48:55] ルイ=カチオリ氏の証言

(ナレーション) 消防士ルイ=カチオリ、51歳は『ピープル=ウィークリー』誌にこう語っている。「人々を避難させるために、エレベーターで24階に行く最後に爆弾が破裂した。みんなビル内に爆弾が仕掛けられていたと思っています。」

画面の記事は、『ピープル=ウィーク』誌(『ピープルマガジン』)の誌面ではなく、おそらく、AFPのクリストファー=ボリン記者の、"Some Survivors Say "Bombs Exploded in WTC"" または、"Eyewitness Reports Persist Of Bombs At WTC Collapse" です。つまりこれも、バン=ロメロ氏の証言などで参照したファイルです。(『ピープルマガジン』の元の記事は、"New York City ,September 12, 2001," です。)

『ボーイングを捜せ』にも登場するルイ=カチオリ氏です。ルイ=カチオリ氏自身が、『ピープルマガジン』が彼の話として書いたことについて、彼が聞いたのは「爆弾のような音」だけであったと語ったのに、また実際に爆弾が爆発したというはっきりした根拠についても話していないのに、彼がビルの中に「爆弾があった」と間違った引用をしたこと(arcticbeacon.com) を批判しています。"911Myths" によるより詳しい説明は、こちら(日本語)

ルイ=カチオリ氏の場面の直前の痩せた年配の消防士は、ヒゲを落としたカチオリ氏と似ていますが別人でしょう。カチオリ氏は第47ポンプ車隊で、ノーデ兄弟のビデオに出てくるこの人は第7ポンプ車隊です。こういう場面の連続も印象操作には重要と思うので、念のため。

[49:10] 港湾管理委員会?

画面の記事は、(Guardian) "NY firefighters reached South Tower crash zone , by David Batty and Julian Borger, August 5, 2002" です。この記事を下に辿りながら次のナレーションが流れます。

(ナレーション)港湾管理委員会はあの日世界貿易センターにいた消防士たちの無線交信テープを1年以上公表しなかった。2002年11月、そのテープがニューヨーク=タイムズほかの報道機関に公開された。

"Viewer Guide" によればこのナレーションは原作では:

For more than a year, the Port Authority blocked the release of a tape of firefighters' transmissions from the World Trade Center on 9-11.

"Port Authority" というのは、"The Port Authority of New York & New Jersey" のことで、辞書では確かに 「港湾管理委員会」とも書いてありますが普通は、(ニューヨーク=ニュージャージー)港湾公社としている例が多いようです。事業の主体ですから管理委員会よりは、よく似た組織が日本にあるのですから、公社とか公団とか行政組合の方がふさわしいでしょう。聞きなれない訳語だったので、画面の記事を調べようと思いました。記事には "Port Authority" という言葉は全く出てきません。ともかくこの記事は港湾公社とは関係ない。それに、港湾公社は自前の警察(消火活動もする。『ワールド=トレード=センター』でニコラス=ケージが演じたのは港湾公社の警察官。)を持っていますからその交信記録を公表しないのは分かりますが、ニューヨーク市消防局の交信記録を抑えてきたというのは疑問です。管轄が違うようです。またこの画面の記事は『ニューヨークタイムズ』ではなくて『ガーディアン』です。

ところで、『ガーディアン』の記事の冒頭に、世界貿易センターの瓦礫の中から見つかった1本の録音テープによって、2名の消防士が崩壊前に南タワーの旅客機の激突した78階の負傷者の所までどうにかたどり着いていたことが分かった とあります。この記事ではテープの「発見」のいきさつが今ひとつはっきりしません。記事は、ニューヨークタイムズ(NYT)によるとしています。NYTの記事は、"Lost Voices of Firefighters, Some on 78th Floor, By JIM DWYER and FORD FESSENDEN, August 4, 2002" と思われます。

NYTによれば、テープは港湾公社の職員がかなり前に発見し、といっても事件は2001年9月ですから、1年も経たない2002年の1月か2月に港湾公社は市消防局にコピーの提供を申し出ましたが市消防局が辞退したとされています。つまり、港湾管理委員会はあの日世界貿易センターにいた消防士たちの無線交信テープを1年以上公表しなかった。 などという話は画面のガーディアンの記事とそのソースであるNYTの記事の伝えるところとは全く違っているのです。このテープは少し後に出てくる、オリオ=J=パーマー大隊長に関することを含んでいます。

このテープについて、港湾公社がその権限で非公開にすることができるとするなら、おそらくこのテープが港湾公社の施設内の設備、つまりWTCの警察や消防の設備の中から発見されたものだからということだけでしょう。しかし、比較的早期に公表の意志を示していたことは事実です。公表を渋っていたのは、ニューヨーク市消防局です。

2002年11月、そのテープがニューヨーク=タイムズほかの報道機関に公開された。 というナレーションにある、NYTの記事は、"9/11 Tape Raised Added Questions on Radio Failures, By JIM DWYER and KEVIN FLYNN , November 9, 2002" と思われます。(*)

* "Firehouse.com Article: FDNY 9/11 Tapes Revisited: New Questions" も同じ記事です。

この記事によれば、それまで9月11日に消防の連絡が上手く取れなかったのはリピーター(中継器)の故障によると言われていました。市当局や消防局によって受け入れられていた見方です。しかし港湾公社の警察がWTCの残骸から発見したテープを港湾公社で分析したところリピーターは機能していたことが明らかになりました。南タワーではリピーターを通してビル内の消防士の無線機による連絡がテープに記録されていました。したがって、他の機器の不調や、タワーのロビーに設置されていた通信コンソールの設計上の問題、または単純な操作ミスなどに原因があったのではないかというのが港湾公社やNYTの見方です。しかし消防局幹部の立ち会った実験でリピーターが機能しなかったという実績があったので、(補足)消防局や事故対応の調査をしたマッキンゼー社はその見方を変更しませんでした。にもかかわらず消防局はWTCの通信システムを全市の高層建築に設置しようとしていると伝えています。

この記事もテープの公表が港湾公社により阻止されてきたという点には触れていません。むしろ、逆の立場です。

しかし、何かずれた感じが残ります。ビデオが紹介しているテープの内容は:

1.(字幕) 7階と8階で爆発があったという証人がいます 7階と8階です (I got, uh, an eyewitness who said there was an explosion on floors 7 and 8, 7, 8.)

2.(字幕) 第3大隊から本部へ ここでまた爆発がありました (Battalion 3 to Dispatch, we've just had another explosion.)

3.(字幕) ・・・ウォーレン通り 2回目の爆発で何人もの人が粉塵にまみれています (...Warren Street, because of the secondary explosion. We've got numerous people covered with dust from the secondary explosion.)

4.(字幕) またタワーで爆発がありました 10-13 10-13 です (We got another explosion on the Tower, 10-13, 10-13.) (10-13 は「至急応援を頼む」の意味のNYFDの無線通信用の符丁です。)

5.(字幕) タワー2では大きな爆発があり そこら中が破壊されているようです (Tower 2 has had a major explosion and what appears to be a complete collapse surrounding the entire area.)

6.(字幕) 私はタワー1で2回目の爆発に 巻き込まれました・・・(I was involved in the secondary, uh, explosion at Tower 1, Kay...)

何かおかしいと思いませんか。通信には、WTCの敷地の外部の、北に約400m離れたウォーレン通りからのものが含まれています。またWTCの建物外部からと思われるものもあります。これらの中には港湾公社の発見したテープに含まれていないものが混ざっているようです(*)。英文ではすべてのコメントに "explosion" という言葉が含まれています。

(NYT) "Fire Department Tape Reveals No Awareness of Imminent Doom, By KEVIN FLYNN and JIM DWYER, November 9, 2002" のページの右側の、"MULTIMEDIA > Interactive Feature: The Tale of the Tape" から開いた窓内に表示されるのがこの港湾公社のテープのトランスクリプトです。同様のものは、(The Memory Hole) "Excerpts From Firefighters' WTC Tape on 9/11" にあります。この "The Memory Hole" のページの冒頭の書き出しは『ルースチェンジ』と同じように港湾公社が公開を1年以上にわたって拒否してきたと書いている点に注目。

このトランスクリプトで "explosion" という単語は一切使われていません。つまりここで使われている6つのコメントは港湾公社のテープには含まれていない可能性があります。たとえば、2つ目は、(wnbc.com) "Exclusive: 911 Tapes Tell Horror Of 9/11 (Part 2)" (同(Part 1)) というページに載っていますが、(Part 1)によればこのファイルが最初に掲載されたのは、2002年3月21日で最終更新は同年6月17日です。これは対岸のジャージーシティーの警察や消防の交信記録です。

* ビデオの制作者のエイブリーは、たぶん、"Memory Hole" か "NYT" のトランスクリプトを参照したのだろうと思います。しかし、港湾公社の発見したテープのこれらのサイトで公表されている部分には該当する通信は見あたりません。

(補足) 記事を読み直すと必ずしもこれが理由とばかりはいえないかもしれません。またテストを行ったのは、ジョセフ=ファイファー大隊長とオリオ=パーマー大隊長です。ファイファー大隊長は予備のリピーターでもテストしています。しかし後述するようにパーマー大隊長は南タワーでより下の階の消防隊員と無線連絡を取りながら78階まで到達しました。つまりリピーターは作動していたのです。テストの様子からパーマー大隊長の交信内容まですべてがこの港湾公社の発見したテープに録音されていました。ロビーの通信コンソールに関してはボリュームがしぼられていたか受話器のスピーカーが故障していた可能性もあるとも書かれています。このあたりのニューヨークタイムスの記者の追及はしつこいようにも思いますが、柳田邦男氏が『事故調査』で触れているアメリカ人の原因追及の特長をしめしているように思います。(2007/08/19)

[50:00] 北タワー78階に到達したパーマー大隊長

(日本語字幕) 午前9時52分(崩壊13分前) 第15はしご車隊

(英語字幕)9:52 a.m.
Battalion Seven Chief: "Battalion Seven to Battalion Seven Alpha."
"Freddie, come on over. Freddie, come on over by us."
Battalion Seven Chief: "Battalion Seven ... Ladder 15, we've got two isolated pockets of fire. We should be able to knock it down with two lines. Radio that, 78th floor numerous 10-45 Code Ones."
Ladder 15: "What stair are you in, Orio?"
Battalion Seven Aide: "Seven Alpha to lobby command post."
Ladder Fifteen: "Fifteen to Battalion Seven."
Battalion Seven Chief: "... Ladder 15."

(ナレーション) パーマー隊長はサウスタワー78階の火災現場に到達。消火作業を開始する。/ 2カ所で孤立して燃えている火を発見 ホース2本で消火できると思います

ここで画面に外部から撮影された南タワーの衝突階の映像が出てきます([50:21])。

(ナレーション) 政府がわれわれに信じ込ませようとしたとおりに78階が火の海だったなら、パーマーはそこまでたどり着けず消火などできなかったはずだ (原作ナレーション、"Viewer Guide" 参照)If the 78th floor was a raging inferno like the government would have us believe, then Palmer wouldn've got as far as he did

最後のナレーションに関しては、政府がわれわれに信じ込ませようとしたとおり78階が火の海だった について、根拠が示されていません。しかし、ビデオに根拠として示されている公表されたテープには、パーマー大隊長による78階の惨状の報告があるのですから、この場面の範囲では、パーマー大隊長は78階にたどり着いたという事実は認めざるを得ません。

つまり、ここで『ルースチェンジ』が何が言いたいのか理解できますか? 表現として非常に舌足らずといます。つまり、鋼材を弱めるような高温の火災はなかったと言いたいのでしょう。北タワーのビル側面の破壊口に一人の女性の姿の見える写真(映像)(FEMA報告書 図2-15参照)があり、それを根拠に火災の温度が低かったと主張した人がいましたが、同じ発想といえます。しかし、崩壊前に爆発があったことを印象付けるための場面を続けた後ここで、火災の温度が低かったという場面を1つだけ加えてもあまり効果はないように思えます。以後も爆発の証言ばかり続くのですから。政府の見解の根拠が示されていないと書きましたが、倒壊の原因に関連して火災がひどく最も温度が高かったといわれているのは、2階上の80階の東北の角周辺です。アルミが溶け出したのではと指摘されている部分です(「流れ落ちる 熔けた金属はアルミ」)。

パーマー大隊長のエピソードは、無線機のリピーターが機能していなかったのが消防活動の連携の不備の原因というニューヨーク市の見解を否定するものです。78階で上の通信の7分後に死亡したパーマー大隊長の活躍、そして消防の連絡の不手際が消防士の犠牲を増やしたという批判は、『9.11生死を分けた102分』(p270〜p306)に書かれています。是非とも読まれることを薦めます。「陰謀説」など持ち出さなくとも情報を隠したい理由は存在するのです。

[50:21] 南タワーの映像 ? 実は北タワー

Photo:lc5021.jpg
『ルースチェンジ』より。  東北の隅のこの部分に注目  ▲

ところで、当然ながら[50:21]のタワーの映像(=上の写真)は南タワーでなければなりません。9月11日の煙のなびいていた方向から考えるとこの写真には南タワーの東側の壁面が写っているはずです。したがって壁面の右端は東北の角になります。次のページに南タワーの東北の角が写った写真があります。

(9-11Research.wt7.net) "Photo of the Fires in the South Tower From the East"、または、(同) "Photos of Fires in the Twin Towers From the East" の4枚目の写真。または、階の数字が記入されている「ジョーンズ論文に使われた南タワーの東北の角の写真」

そして、次で北タワーの東北の角を確認できます。

(9-11Research.wt7.net) "Photos of Impact Damage to the North Tower From the Northeast"

このページには他にも多数の写真がありますから良く確かめてください。ビデオの画面のビルは南タワーでなくて北タワーです。本当の南タワーの写真では火災による煙が出ているのは80階以上であることも分かります。2階下の78階のほうが火災の部分が少ないことも予想できます。この場面の映像の間違いはうっかりミスではないと思います。

[50:31] 2005年8月、交信記録、インタビューの公開

(ナレーション) 2005年8月12日、さらに15時間もの消防士との無線交信記録やインタビューがやっと公開された。

画面のCNNの記事、"Chaos, pain of 9/11 revealed in recordings, documents" は現在リンク切れですが、同じ内容のものが、"New documents revisit agony of 9/11 - U.S. Security - MSNBC.com"、または"wcbstv.com - Voices Of 9/11" にあります。公表された交信記録、インタビューは、"Oral Histories From Sept. 11 Compiled by the New York Fire Department - The New York Times" で参照できます。

これらの資料が公表されないことで得をしたのは、事件当時責任のあったニューヨーク市や消防局の幹部の一部と陰謀説論者でしょう。例えば"911Myths" はこれらの記録を駆使して陰謀説に批判を加えています。公開させるのに陰謀説が影響力があったと誤解すべきではありません。影響力のあった批判は、ニューヨーク市や消防局、警察などの危機管理の仕組み、事件後の環境健康問題の対策、災害時の建物の安全対策・防火対策への疑問から発したものです。

続く場面に出てくる消防幹部と救急隊員の証言もこのページに元のインタビュー(PDF)があります。十数ページにわたる個々のインタビューから数行を抜き出して論ずるのは所詮無理があります。これらの記録の中から、解体爆破の根拠を得ようとするのは馬鹿げた試みです。

しかし、このような指摘はある意味で無力かも知れません。続く[50:43] 〜 [51:25] までは、「閃光」とか「ぱちぱち」という言葉を含んだ証言とともに、9月11日のWTCの事件とは全く関係ない、爆破解体作業の映像を見せます。事件当時の該当する場面の映像を示すべきでしょう。それが「証拠」というものです。繰り返すと、続く[50:43] 〜 [51:25] で流れる映像は決して9月11日のWTCの映像ではありません。これは印象操作です。言葉による意志伝達とは異なる宣伝の方法の一つといえるでしょう。つまり、この作品はドキュメンタリーの範囲をはみ出しています。

[50:43] ステファン=グレゴリ―氏の証言

ナレーションは、 消防士たちは解体爆破を匂わせる2つの出来事に言及している。ぱちぱちという音が何度も聞こえた。 だけです。英語の字幕の分量がかなりあるのに訳文の字幕はありません。DL版に字幕の表示できない部分があるという断りがあったのはこの部分かも知れません。

(英語字幕) I saw low-level flashes.[Lieutenant Evangelista] asked me if I saw flashes in front of the building, and I agreed with him because I saw a flash flash flash and then it looked like the building came down.
- Stephen Gregory, Commissioner of the Bureau of Communications

私は低い階で閃光を見ました。(副官のエバンゲリスタが)ビルディングの正面で閃光が見えたかと聞いたので私は彼に同意したがそれはピカピカピカ光る閃光を見てそしてビルディングが倒れてきたように見えたからです。

You know like when they demolish a building, how when they blow up a building, when it falls down? That's what I thought I saw.
- Stephen Gregory, Commissioner of the Bureau of Communications

あなた方も知っているでしょう、ビルを解体するときどのように爆破するか、どんな風に倒れるか。私は私が見たことについてそう考えたのです。

原文は、"Gregory, Stephen (pdf file)" です。"flash flash flash"で検索すれば場所(p14)はすぐわかります。どちらもこのページ内にありますが上の引用はかなり変則的です。

グレゴリ―氏は同じインタビューの中で、私は同意したが、それは当時それが何であったか分からなかったと考えたからだ。私が言いたいのは、それ、爆発していたように見えたものはビルディングが倒壊した結果起きたことであっただろうということだが、しかし、私はピカピカピカと光る閃光を見たが、そしてビルディングが倒壊したように見えた。、とも 私が言いたいのは、私はそれは、いろいろな物を押し下げたビルディングの倒壊と結びついていて、何か可能性があるなら、電気的爆発だった可能性があるということだ。 とも言っています。

電機爆発(electrical explosion)という表現はあるようです。また消火活動の対象となっているようです。詳細は、「不正な引用」(911Myths より)

[51:04] 救急隊カーリン=デショア隊長

(英語字幕) Somewhere around the middle of the WTC there was this orange and red flash ... initially it was just one then [it] just kept popping all the way around the building and [it] started to explode.
-Captain Karin deShore, Batallion 46

WTCの中間くらいの高さの何処かで、このオレンジ色や赤い閃光があった ・・・ 始めは一つだけだったが、ビル中の方々でぱちぱちとはじけて爆発しだした。

As far as I could see these popping sound and the explosions were getting bigger going both up and down and then all around the building
-Captain Karin deShore, Batallion 46

見える範囲ではこのぱちぱちという音と爆発は大きくなり、あちこちで起き、そしてビル中で起こった

注: "batallion" は "battallion" 。 "deShore" は "DeShore"

救急隊の隊長である彼女のインタビューの記録は、"Deshore, Karin (pdf file)" です。彼女は南タワーが倒壊したとき、リバティー通りとウエスト通りの交差点(WTCの敷地の西南)付近にある歩道橋の下にいて南か西を向いていたので直接には南タワーの倒壊を目撃していません。字幕の引用より前の部分で:

私には何が起きたのかわからなかった。大きな爆発が起きたのだと思った。私はビルの倒壊が分からなかった。(I was anaware what was happening. I thought it was just major explosion. I didn't know the building was collapsing.)

といっています。チリまじりの強風で押されるように歩道の支柱の陰に飛び込んだと言っています。字幕の引用部分はこの後、北タワーが倒壊するまでの間のことです。周囲にいた10人ほどはそこから少し移動して、食卓用の紙ナプキンやテーブルクロスの配送センターのあるビルへ入ります。彼女はけが人に手当てをしたあと、ビルの外へ出て見ると字幕に出ていることを目撃しました。そして不安になって、ビルの中に戻りもっと遠くへ逃げることを提案します。そして川岸に向かって移動を再開します。川べりについて、もう一度ビルの様子を確認しています。ジャージーシティー警察の船を見つけて乗り込む時に彼女の背後で北タワーの倒壊が起こりました。

字幕に書かれている事が、解体のための爆破であるとすれば、随分前から爆発が始まったことになります。彼女がオレンジ色や赤い閃光("flash") といっているのは、タワーの窓から顔を出した炎で、ぱちぱちというのは熱でガラスの割れる音ではなかったでしょうか。もちろん他の可能性もあるでしょうが。つまり、証言の全体を読めば、そういう無理のない可能性に容易に思い当たるでしょう。

[51:26] 9/11 公式説明に異議を提示する新しい地震データ

画面に表示される記事は、陰謀説でしばしば引用されてきた記事です。アメリカン=フリー=プレス(AFP)の "Christopher Bollyn "9/11 NEW SESMIC DATA REFUTES OFFICIASL EXPLANATION"(Jan 27, 2005)" です。日付が2005年になっていますが、元々は2002年の8月末までに掲載されたかなり古い記事です。地震計の話以外についても、ビデオの続く部分はこの記事に書かれているエピソードを元にしているようです。しかしアレンジが少し下手のようです。

"Christopher Bollyn "9/11 NEW SESMIC DATA REFUTES OFFICIASL EXPLANATION"(Jan 27, 2005)" (9/11 公式説明に異議を提示する新しい地震データ)

(ナレーション) 崩壊を科学はどう説明しているのだろう。世界貿易センターの崩壊はニューヨーク州パリセーズにあるコロンビア大学の気象観測所がとらえていた。サウスタワーはマグニチュード2.1の地震として、ノースタワーは2.3の地震として。観測所のウォン=ヤン=キムは、地震計は普段32km離れた採石場の地下爆破をとらえると語った。こうした爆発は3万6千kgもの硝酸アンモニウムを使い周辺にマグニチュード1から2の地震を引き起こす。1993年の世界貿易センターの爆弾騒ぎでは、爆弾が地面と直結していなかったため地震計の記録はない。崩壊の間落下する残骸のエネルギーのほとんどは周りに吸収され地面を激しく揺らすことはなかった。

地震に関するナレーションはこれだけです。後ろの方の二つの文は奇妙です。1993年の事件の地震計の記録のないことは一応は納得できる説明ですが、1993年の事件ではタワーは崩壊していませんでしたから、崩壊の間落下する残骸のエネルギーのほとんどは周りに吸収され地面を激しく揺らすことはなかった。 というのは2001年の事件についての話と思われます。したがって、両タワーの崩壊はマグニチュード2.1から2.3の地震として地震計がとらえていたと始めに言っていることと矛盾するように思えませんか。

また、崩壊の間落下する残骸のエネルギーのほとんどは周りに吸収され、 というのは意味がわかりますか? 何かが地面に落下するとき、気球のようにふんわりと、落下の早さがゼロになるのと同時に着地しない限りは、地面に衝撃を与えるのではないでしょうか。たとえばタワーの崩壊では瓦礫の落下で4階建ての隣の教会は跡形もなくなりました。瓦礫は決してふんわりと落ちたりしていません。

つまるところ、WTCの地下に仕掛けられた爆発物の爆発が記録されたとしか言いようがないと言いたいのでしょう。消去法ですが、あまり要領の良い説明ではありません。

元のAFPの記事は、地震計の記録に説明できていない大きな針の振れがあるが、もし倒壊させるために地下の基礎部分で大きな爆発があったとするなら、その振れの説明ができると言っています。またその裏づけとして、CDIのマーク=ロイゾー(ロアゾー)氏の溶けた金属についての証言を紹介しているのです。基本的な資料の扱いが不正なのですが説明の理屈は一応筋が通っています。また落下する間のエネルギーが吸収されたというような話はウォン=ヤン=キム氏の証言ではなく、画面の中にも出ているようにラーナー=ラム氏の発言とされています。杜撰すぎるように思います。

くだらない理屈に悩まされるより、専門家の明解な意見を参考にした方がよさそうです。AFPの明らかなデタラメの説明における、基本的なウソは地震計の記録の読み方にあります。詳細は、「地震記録 ("911Myths" より)」 を読んでください。地震計が記録していたのは、ビルディングの倒壊です。

細かいことでは、9月11日の事件の地震波をとらえたのは、気象観測所 ではなくて、WTCから北に21マイルのニューヨーク州パリセーズにあるコロンビア大学のラモント=ドハーティー地質観測所の地震計 (Seismographs at Columbia University's Lamont-Doherty Earth Observatory in Palisades, New York, 21 miles north of the WTC) だと思います。あるいは、地質科学観測所、地球物理観測所、地球科学観測所、地震観測所、地殻変動観測所などなど。気象観測所は "weather station" が一般的ではないでしょうか。

[52:13] マーク=ロイゾー氏の証言

当サイトではずっとマーク=ロイゾーと表記してきましたが、原作のナレーションも「ロイゾー」と言っているようです。

(ナレーション) コントロールド=デモリション社、社長マーク=ロアゾー氏は事件から1カ月以上も後で、岩盤と支柱をつなぐ部分で文字通り溶けた鉄のホットスポットが見つかったとアメリカン=フリー=プレスに語った。この異様に熱い部分は地下7階のエレベータシャフトの一番底で見つかった。溶けた鉄は3週間から5週間後に瓦礫が取り除かれた時点で見つかった。彼はまた世界貿易センター第7ビルでも溶けた鉄が見つかったと語った。一番温度が高かったのはサウスタワーの東の角で747度が記録されている。地下の溶けた鉄はその温度の倍以上あった。

溶けた鉄についてロイゾー氏自身が直接確認したのか伝聞なのかこのナレーションでははっきりしません。この点を直接にロイゾー氏に確かめた人がいます。ロイゾー氏は他の人から聞いた話だが、掘削機のバケットが熔けた鉄を「引き上げ」ている 写真とビデオがあると回答しています。しかし、熔けた鉄を「引き上げ」ている という表現は少し変に思えます。はたして 溶けた鉄 とは文字通りドロドロ溶けた鉄なのか、冷えて固まった状態のものなのか、それとももっと他の状態の鉄くずのことをいっているのか。結論は熱によって変形した鋼材の残骸や赤熱している鋼材の残骸を「溶けた鉄」と呼んでいるのではないだろうかということです。(参考:(911Myths) 「WTCの熔けた鉄」)

[52:57] 倒壊の途中の爆発

(ナレーション) まだ飛行機の燃料が世界貿易センターを倒したと思っていますか。崩壊をとらえたすべてのビデオに崩れ落ちる建物の二、三十階下で爆発の起こっている様子が写されています。ここ ・・・

画面を良く見れば爆発でないことは分かります。爆発だと言われるものがビルから吹きだす大きさや長さの変化の割合と上部から下方に進む崩壊の割合が連動しているように見えるはずです。衝突階より上部が、より下の階を連続的に潰していったのですから各階を満たしていた空気が押されて下方の階の圧力が上がり、窓など壁の弱い部分が破壊されてチリとともに空気が押し出されたという説明が可能です。これは、いわゆる公式見解ですから、正面から言葉で批判しなければならないはずです。

爆発という印象を与えるだけです。きちんと説明しているわけではありません。また、映像を見る限り、崩壊の始まりの方が早いですから、万が一爆発であったとしても、解体のための爆発とはいえません。また先に出てきた救急隊長のカーリン=デショアさんの見た「爆発」は倒壊よりはずっと先のできごとだったはずです。話が合いません。それに爆発の場所が行き当たりばったりではありませんか。

"recut版" では「ここ」(here)というナレーションが削除されています。

そして、爆破解体だとして、地下の爆発とビルの途中に仕掛けられた爆発物との関係をどう説明するのでしょう。ビルの下のほうに爆薬を仕掛けて下のほうから潰れていくのが制御爆破解体の特徴とすれば、ビルの上部から崩れ始めたツインタワーにとって地下の爆発はどういう意味があるのでしょうか。・・・

[54:02] 三脚がノースタワー崩壊の12秒前に揺れている

(ナレーション) エチエンヌ=ソーレン氏は『世界貿易センター 最初の24時間』というドキュメンタリーを撮影していたが、両方の崩壊をカメラがとらえていた。よく見て。ビデオの三脚がノースタワー崩壊の12秒前に揺れている。/ これは何だろう。映像をよくご覧下さい。

このナレーションに違和感を感じないようなら、「少なくとも『ドキュメンタリー』の翻訳などに手を出すものではない」と指摘する専門家がいるのではないかと素人の私は想像しますね。ごく当たり前のことですから説明は省きます。 『世界貿易センター 最初の24時間 (World Trade Center: The First 24 Hours)』というドキュメンタリーを制作した、エチエンヌ=ソーレン(Etienne Sauret)氏は、両方の崩壊をとらえた。・・・ の方が無理がありません。

3脚の、正確には画面の上下の揺れの原因を説明していません。画面はクローズアップですから、焦点距離の長い望遠レンズを使っているはずです(より画角の広いレンズで撮影し編集段階でクローズアップしても同じことです)。3脚自体の振動が画面に現れやすい条件です。撮影者の身体の一部が三脚やカメラに軽く当たっただけでも揺れは起きます。撮影者であるソーレン氏の画面の揺れについての説明が是非とも必要なのですがそれがありません。3脚の揺れとタワーの崩壊と関係があるとは必ずしも言えません。また、もし、12秒前にあのような地面からの揺れがあれば、地震計に記録が残っているはずですが、その説明もありませんでした。

これは何だろう

タワーの窓の間隔は約1mです。窓の幅はせいぜい60〜70cmです。映像を良く見れば分かります。熱さに耐え切れず窓を割って身を乗り出していた人が、誤ってか、自らか、墜落するところです。落下し始めに壁面と接触して体が回転するのが分かります。明らかに人間です。『ルースチェンジ』の制作者はこういう場面を面白がっているように思えます(他にも、[01:18:55] のイラク戦争の一コマなども)。この人が落下する場面は、"recut版" では削除されています。

[54:35] どのように爆弾を仕掛けたか (避難訓練)

(ナレーション) ビルの中に爆弾があったと言うなら、誰にも気付かれずどうやって仕掛けたのか聞きたいだろう。世界貿易センターで働いていた證券アナリストのベン=ファウンテン氏は9.11までの何週間かにわたって両方のタワーと第7ビルで予告なしで異例の安全のための避難訓練があったと『ピープル』誌に語っている

(画面の記事) 爆発物は事前にどのようにして仕掛けることができたのか?
世界貿易センター(World Trade Center Complex)で働いていた證券アナリストのベン=ファウンテンが『ピープル』誌に語ったところによると、9/11の前数週間の間、「安全のための避難訓練」の名目で、予告なしの異例の訓練がツインタワーと第7ビルの両方の区域で何回も行われた。これは明らかに爆発物を仕掛けるための絶好の機会であった。

画面に表示されているのは、『ピープル』誌の誌面ではなく、アレックス=ジョーンズ氏のサイト、"prisonplanet.com" の"Silverstein, FDNY Decided to 'Pull WTC 7': An In-Depth Analysis" というページです。そして元の『ピープル』誌のファウンテン氏の言葉に関する部分は:

ベン=ファウンテン氏、42歳はファイアマン保険会社の証券アナリストであるが、チャンバーズ通りの駅を出て南タワーの47階の職場に向かうところだった。彼等はどうやってこれを起こしたのだろう?彼等はこのビルディングが標的になっていることを知っていた。過去数週間以上にわたってわれわれは何回も避難したが、それは普通ではない。彼等は何かが起こることをうすうす感づいていたと私は思う。 ( "United in Courage, People magazine,September 12, 2001"(whatreallyhappened.comにあるコピー))

『ピープル』誌には第7ビルのことは書いてありません。またファウンテン氏は、爆発物を仕掛けるための絶好の機会とも言っていません。彼が言っているのは、避難訓練があったことと、彼等は何かが起こることをうすうす感づいていた という予想だけです。残りの装飾はアレックス=ジョーンズ氏によるものであって、アレックス氏は目撃者でもWTCで働いていたわけでもありません。

また避難訓練で人がいなくなるのは短時間です。そのような細切れの時間で爆薬が設置できるのでしょうか。その点の説明がありません。このエピソードは爆薬が事前に設置された根拠にはなりません。

参考: "Screw Loose Change: "Ben" Lying Again"

[54:58] どのように爆弾を仕掛けたか (火薬探知犬)

(ナレーション) 9/11の前2週間は警護特務部隊が12時間シフトで活動していたが、6日の木曜に突然爆弾探知犬がビルから撤去されたと守衛だったダリア=コード氏は語った。

画面の記事は、(Newsday.com) "Heightened Security Alert Had Just Been Lifted, By Curtis L. Taylor and Sean Gardiner,September 12, 2001" と思われます。2006年12月現在では若干レイアウトが変更されているようです。

(画面の記事より) 世界貿易センターが破壊されたのは、110階建てのランドマークの保安体制が強化された直後のことであったと、保安関係者が昨日語った。 / 第1タワーの警備員、ダリア=コード、37歳が語ったところでは、電話による脅迫があったので過去2週間にわたり12時間シフトの警備体制がしかれていたという。しかし木曜日(6日)に爆弾探知犬が突然撤去された。/「その日は特別警戒体制の解かれた最初の日だった。」とコードは語った。「われわれは下の方を警戒していた。警備は地上をカバーしていた。彼等が飛行機を使うとは思っていなかった。誰も攻撃を食い止める方法はなかった。」

爆弾探知犬が撤去されたことについて「突然」という言葉が、コード氏が使ったものか、記者が追加したものか明確ではありません。少なくとも直接引用されているわけではありません。

9月10日で特別警戒体制が解かれたとコード氏は言っています。6日に爆弾探知犬がはずされたとしても12時間シフトの警備体制は9月10日まで続いたといっています。避難訓練中も警備員はビル内部に残っていたはずです。また爆薬そのものは6日から10日の訓練の最中に設置されたということになります。そんなことが可能でしょうか?

結局この記事で刺激的な言葉は、突然爆弾探知犬がビルから撤去された だけなのです。しかし、カムフラージュのために、訓練していない役に立たない見せかけだけの爆弾探知犬を最後まで配置しておく方が効果的だったと思います。といっても、だいたいが、テロであるなら飛行機をぶつけるのにわざわざ爆発物を仕掛ける意味がありません。コード氏も飛行機を使うとは思わなかったと言っていますよ。

[55:10] マービン=ブッシュ氏

(ナレーション) 一体誰がこんなことを許可したんだろう。ブッシュ大統領の弟マービンは、1993年から2000年の会計年度末までセキュラコムの重役だった。今はストラテセックとなったセキュラコムはクウェートアメリカ社の後ろだてがある電子警備会社でユナイテッド航空やダレス国際航空ママに加え9/11当日までは世界貿易センターの警備を担当していた。マービンは当時世界貿易センターの一部を担当していたHCC保険ホールディング社の重役でもあった。

"Dulles International Airport" は「エアポート」ですから、一般的にはダレス国際空港です。

本題はマービン=ブッシュ氏が関係会社の重役として、そういう物騒な計画を指揮できたかどうかということです。(911Myuth) "Stratesec" によると、そのあたりはおよそ次のような事情です。

セキュラコムは1996年から1998年までWTCの警備を請け負っていましたが、1998年にはずされ、WTCの警備は、別のより大きな企業のEJ エレクトリックに変更されました。しかし、セキュラコムはストラテセックと名前を変えWTCの警備の一部を請け負ってはいました。その契約はビルの倒壊とともに消滅しました。マービン=ブッシュが重役であったのは2000年まででした。1997年に保有株は売却したので2000年には株主としての記録もありませんでした。

また、"Viewer Guide" によれば、HCCはWTCの保険会社では最小の契約額でWTC全体の、0.068%だったそうです。また、"Viewer Guide" は、保険金を払わなければならないビルディングを破壊したがる人間はいるだろうか? と言っています。

[55:50] ツインタンクの解体はツインタワー解体の前兆 ??

(ナレーション) 世界貿易センターの瓦礫を検査して調査できればよかったんだけれど。残念なことにその前にジュリアーニ市長は残骸を海外のリサイクル業者に船で送ってしまった。連邦緊急事態管理局ですら立ち入ることはできなかった。要するに彼等は犯罪現場を立ち入り禁止にし証拠を全部破壊してしまった。誰が中に入れたか。それはコントロールド=デモリション社。1995年オクラホマの爆破事件で後片付けを担当した。さらには、2001年7月15日、この会社は第2次世界大戦時代に使われていた12mの高さの燃料貯蔵タンク2つを破壊した。はっきりした理由もなく行われた爆破に苦情が殺到。跡地は空地のまま。取り壊し理由も全く不明だ。とにかく世界貿易センターで起きたことは実に単純だと思う。じっくりと計画された解体爆破による崩壊。それは軍事的な正確さでやり遂げられたアメリカ人への心理的な攻撃である。

連邦緊急事態管理局ですら立ち入ることはできなかった はウソ

FEMAの報告書やNISTの報告書を見れば分かるとおり、調査のための鋼材の残骸は確保され調査されています。全く調査されずに海外へ運ばれたというのは間違っています。

(FEMA)"World Trade Center Building Performance Study/ Appendix D: WTC Steel Data Collection"(NIST) "Gallery of Recovered World Trade Center Steel at NIST"

サッと片付けたような印象を与える言い方ですが、数十万トンに及ぶ鋼材はそう容易に移動できるものではありません。WTCの現場からすべての鋼材が搬出されたのは約9ヶ月後です。その間、FEMAやNIST以外の多くの研究者が現場を調査に訪ねておりその記録も多数あります。現場が密室化されたようなことはありませんでした。一時は見学台まであったと思います。

爆破解体説のジョーンズ博士は、残骸のサンプルを入手したと行っていますが、中国やインドからとは言っていないようです。ニューヨークのケネディ空港の格納庫にはエレベータの部品とかアンテナとかその他のWTCの瓦礫が保管されています。また鋼材の一部は、方々の都市に運ばれ記念碑の一部に使われています。

ツインタワーの予行演習? ツイン=ガスタンクの破壊

燃料貯蔵施設はニューヨークのブルックリンのグリーンポイントにあったものです。 "twin (gas storage) tanks" として愛着を持っていた住民もいるようです。 解体の理由は、古くなって、環境問題や災害の危険性、そして維持費がかさむこと、設備が旧式であることなど、他の工業施設の老朽化した物件の解体の理由と大差ないことでした。またCDIは 貯蔵施設の持ち主の Keyspan Energy から依頼を受けたのであって解体の決定については責任はありません。貯蔵施設の爆破については適法の手続きを踏んでいたのですが近隣住民への説明が遅れたことは事実のようです。集合住宅の建設を含む再開発に関連した事柄であって、どこでも生じるような問題があることは事実のようです。しかし、これによって、CDIの胡散臭さを印象付けようとするのはかなり変です。

参考:(billburg.com)"Schaefer Brewery Site to be Used for Housing, by Anya Szykitka" (Queens Gazette)"The Tanks Came Tumbling Down, July 18, 2001"。本当に参考程度ですがタイトルに注目:"TWIN GAS TANKS DEMOLITION FORESHADOWS TWIN TOWERS' DEMOLITION"

また燃料貯蔵施設の高さは、原作のナレーションでは、400フィート(約121m)となっています。また、第2次世界大戦時代も不正確で、1基は1927年、もう1基は1948年に建設されたと言うことです。

参考: "Viewer Guide"


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