景観は激変 ― 天竜川右岸151.4km地点からの景観

 JR東海のリニアの環境影響評価準備書、評価書では天竜川右岸からの景観を検討しています。


準備書より

 この写真=予測地点の景観の変化について次のように評価しています。

 本視点は、天竜川右岸の堤防道路から南西方面を見たものであり、左側に河畔林、右側に工業施設が視認できる。
 本視点場では、鉄道施設(橋梁)の一部を視認することとなるものの、鉄道施設(橋梁)はコントラストを持つ水平線の構成がなされており、圧迫感は軽減されており、現在の景観と調和のとれた新たな景観となるものと予測する。(評価書より)

本論と関係ないのですが、橋梁の桁の下の線は明らかに湾曲しています。橋梁のデザインについての説明部分に注目。次の文は橋梁ではなく高架橋のデザインの説明。「鉄道施設(高架橋)を視認することとなるものの、・・・、またコントラストを持つ水平線の構成がなされていることから圧迫感は軽減され」。高架橋の防音フードに水平を生かしたデザインがあることは認められますが、天竜川橋梁のどこに水平線の構成を生かした部分があるでしょうか(参考)。ちょっといい加減すぎる文章じゃないかと思います。なぜそういうデザインだと圧迫感がなくなるかの説明もありませんし、われわれにそういう一般常識はありません。

 この写真の左側、河川敷のなかに林が見えます。これは堤防の上からの視点ですが、上流に向かって約450m移動すると手前の林がなく開けた場所があります。そこから撮影した写真が次。


2014年8月撮影=現状(画面クリックで拡大)。喬木村の阿島地区から小川地区にかけての家並みが見えます。

 この写真にリニアの高架橋と橋梁部分を書き込んでみました。


2014年8月撮影(画面をクリックすると拡大します。)ルートの左端にマツザワ。(2014/09/10 追加)画面左の壬生沢川の谷に橋梁部分を追加しました。ここはフードがない予定ですが簡略化しました(この写真では全体にフードがかかった状態になっています)。

 地元の方なら分かりますが、撮影場所は高圧線が天竜川を横切るあたり、天竜川の河口から151.4km地点の標識のある近くです(丸伝運送裏)。35mm相当の画角で撮影したカット2枚を合成したパノラマ写真です。左右の画角は約70度です。マツザワ喬木工場のビルを基準に防音フードのてっぺんを建物の倍の高さと見積もりました(参考)。桁の下面はマツザワのビルの屋根よりやや高い位置になるはずです。撮影場所とマツザワ、すぐ南側に橋梁の西側の橋脚が来る笠原工業の位置関係はつぎのとおり。


グーグルマップより(画面クリックで拡大)

 黄色い線が大体の画角で、画角の左右のルートまでの距離の比が、だいたい 100:63 になるので高架橋(橋梁)の右側の太さを1.6倍にしています。橋梁部分はフードがない予定ですが、単純化しています。画面右から2割弱が橋梁部分のはずです。

 JR東海が示したものとはかなり印象が違うはずです。見かけ上は、阿島の下段の全体が高架橋の下になってしまいます。喬木村の阿島地区から小川地区の家並みがほとんど隠れてしまいます。景観(ラントシャフト)は激変すると思います。撮影場所はJR東海の「天竜川右岸」の視点より構造物からの距離ははるかに遠方なのですが。

 この景観(ラントシャフト)の写真は高森や座光寺からみた風景ですが、実は喬木村の景観(ラントシャフト)です。喬木村の皆さんは是非この場所から自分の村がどう見えるのか確かめて欲しいと思います。

 この画像について文句のある人は、もっと正確なフォトモンタージュを示して反論してください。(このサイトの画像で私が撮影した写真については、自由にお使いください。許可や連絡は不要です。)

(2014/08/25)


マツザワ喬木工場

 マツザワ喬木工場は下の写真の中央の遠方に見えています。


準備書より

 拡大すると


 この写真と下の写真から見当をつけました。


準備書より。右から3本目の橋脚の右側のビルがマツザワ(画面クリックで拡大)

 現在の様子。丸窓の建物がマツザワ。路線の中心線はだいたい左のビニールハウスあたりを左右方向に通るはずです。


2013年秋撮影