大西公園から見る赤石岳の景観について

 評価書最終版(8月26日)の資料編の最後に「大西公園から見る赤石岳の景観について」という1ページが付け加えられていました。

 大西公園からの景観というのは次の写真の場所。


評価書より

 この写真は評価書の「人と自然との触れ合いの活動の場」にあります。景観予測の主要な眺望点になっていますがフォトモンタージュはありません。鉄道施設が見えないからです。山梨では現況と完成後の二つの写真を示して「見えない」と評価している地点もあるのに。この大西公園の予測が準備書で公表されたときは、見えないから影響ないという評価に唖然とした方も地元では多かったようです。変電所は写真の赤い矢印の山の出っ張り部分の向こうに予定されています。

 しかし、写真の中央を流れる小渋側の右岸(画面では左側)の川岸をのぼっていくと次のような景色が現れます。


2013年11月撮影

 右側の発電所と左側の鉄塔にかけて平坦部が見えますが、このあたりに変電施設が出来るわけです。誰の目にも触れることがない場所に建設するのではなく普通に見える位置です。この場所の右側は鳶ヶ巣崩壊地の一番下の部分で特異な景観を示す場所です。景観の予測は見える場所でやらなくては無意味だと思います。工事用に新設する道路もここから見えるはずです。

 大鹿村で大きな問題になっている小渋川橋梁はこの少し先になるのですが、そこも景観変化の予測地点になっていないしフォトモンタージュもありません。見事な岸壁があるということです。 説明しやすい場所だけを選んだといわれてもしかたないと思います。

 評価書の追加部分に何が書かれているかといえば、大西公園から変電所が見えないことを平面地図と地形の縦断面図を示して説明しているだけです。これも人を馬鹿にした話だと思います。見えるはずだと質問や批判した人などいなかったのですから。JR東海がもとより地元の住民の声を聞く方針がないことの一つの表れだと思います。

(2014/09/02)