「信州ストップ・リニア・ネット」の記者会見

 「信州ストップ・リニア・ネット」は「飯田リニアを考える会」と「No!リニア連絡会で構成するリニア新幹線工事認可差し止め訴訟の長野県事務局です。3月4日、飯田市役所内の記者クラブで記者会見を行いました。この地域で連携している住民グループも参加しました。下記の新聞が5日付で報道しています。

 『南信州』さんと『朝日』さんは背後の「リニアはりにあわない」の標語まで入れた写真を掲載してくれました。『南信州』さんはリニア推進の社是にあわないのに、『朝日』さんは少ない紙面のなかで一生懸命紹介してくれました。紙面の関係上各紙が書けなかった細かいことをふたつ紹介します。


 この写真は記者クラブの窓から見た風越山。JR東海は環境影響評価の中で、黄色の矢印の場所からの眺望への影響を調査をしました。左の矢印の場所は虚空蔵の頂上で評価書では「主要な眺望点:虚空蔵山 山頂(飯田市)」、右は「主要な眺望点:風越山 中腹(飯田市)」としています(参考:評価書より)。右の矢印の場所は風越山の中腹でしょうか? 虚空蔵の中腹という言い方もおかしいかも知れません。景観というと誰も軽視しがちなのですが、そうかといって、これはちょっと変じゃないですか。JR東海の評価書なんて所詮こんなもんなんですというお話。

さて、「虚空蔵山(こくぞうさん)」という呼称は間違いで「虚空蔵(こくぞう)」がただしいそうです。つまりJR東海は右の矢印の「風越山 中腹」の適切な名前をきちんと調べなかったのでしょう。


 (写真説明)謝罪の記者会見じゃないです。会見を終わっての挨拶シーンです

 記者会見の様子です。赤い矢印の方向に風越山が見えます。環境アセスメントの杜撰さの例として指さしてお話したのですが、ほとんど記者さんたちは窓の方を見ませんでした。


画面クリックで拡大

 これは、「農村原風景継承地域」のページで紹介した「わが町の建築史ゼミ」の研究発表のパネル。市役所表玄関から入って、コンシェルジュさんがいるブースの左側に展示してあります。このことを紹介して、また、『南信州』さんが2、3日前1面で紹介しましたがと切り出して、「農村原風景継承地域」をリニアは横切ることになるけれど、継承保存すべき地域であるにも関わらず(※)、JR東海は景観について影響評価をこの地域でやっていないし、飯田市がここでやるよう要望した形跡もない。景観に関する限りきわめて杜撰。

※ パネルには「このような民家が点在する農村原風景は南信州独自の資産」とまで書いてあります。

 影響評価の問題点についてという記者さんからの質問への補足として申し上げました。

 ところで、この飛行機が窓から見えました。珍しい形の小型の飛行機です。かなり低空飛行でした。


(2016/03/06)