JR東海が大鹿村で起工式

 11月1日、JR東海は大鹿村で南アルプストンネルの長野工区の起工式をしました。起工式の場所は、県企業局の大鹿発電所そばの非常口予定地。抗議活動に参加してきました。


抗議参加者は映画『大鹿村騒動記』に出てくる『ディアイーター』前に集合。起工式会場の内部を取材できる報道関係者は交流センターに集まってバスで移動するとのことで、ここに集まっている報道関係者は抗議行動など会場の周辺を取材する人たち。飯田を出発するとき降っていた雨がようやくやみました。


広場の横の起工式会場に向かう道路脇で街頭アピール。


ほとんどは地元の人ですが、中には三重県や静岡県から参加した人もいました。


起工式関係者の車が大体通り過ぎたので会場へ徒歩で移動。前方にいる青黒い制服の3人はJR東海の社員。リニア推進の部署以外から動員されているようです。公道のはずなのに一般の自動車の進入を禁止していました。だから約20分歩いて移動しました。まあ、途中でちょっとした拾い物もあったりして。


稲がはざにかけてあります。後ろは『中日』2日社会面にのっている養魚場。リニアの電力変換所建設のために、移転を迫られた67歳の経営者は事業継続を断念したそうです。ここの淡水魚は村内の宿泊施設で客に提供されていて、村内の経済循環が成り立っているのに残念な話です。安倍政権のいう地方創生がいかにウソかということがわかります。

会場周辺のGoogle航空写真。養魚場と周辺の水田約3ヘクタールを潰して建設するリニアの電力変換所は簡単に言えばインバーターで、一度に動かすのは列車2編成(上下線各1編成)だけ。従来の新幹線や電車は車体に載せることができるサイズのインバータを各列車に積んでいます。これだけの面積を使うリニアのインバータ、ものすごく無駄だと思いませんか。


起工式会場。黒塗りの車はJR東海や工事担当のゼネコンの幹部のものか? なんとなく葬儀場の雰囲気。幸先(さいさき)悪いぞ。


会場入り口で抗議行動。


曇っていた空が晴れてきました。こういう光景が見れたのは役得?でした。


抗議行動の後ろでは、参加者の子供たちが・・・。中学生も参加していました。リニアの工事がはじまればこういうのどかな光景はなくなると思います。


だんだん熱くなってきて会場入り口をふさぐ形になりました。対峙するJR東海の青い制服の社員。彼らはほとんど黙って立っているだけ。首からツル下げたカードには氏名ではなく番号だけが書いてありました。彼ははだれだれさんではなく「何番」と囚人か機械と同じ扱いですね。これは、JR東海自身が後ろめたいことをやっている、住民の怒りをかうことやっているという自覚の現れなのかもしれません。
 赤字確実なリニア。JR東海の労働者諸君、バカな経営者の言うなりになって、将来困るのはあなた達。


式が終わり来賓たちの車がもうじき出てきます。座り込む人まで出てきました。


こんなことをやっているのに、非常によい天気になりました。


外に出れない車が数珠つなぎになっています。運営方法の詰めが甘い感じがします。


JR東海は社員に抗議活動の様子を撮影する仕事までさせていました。気の毒なので目隠しをしました。首から下げたカードには番号だけが。彼らは作業靴を履いていましたが、カードを付けていない1名の社員は黒皮の短靴を履いていて指図をしていました。


テレビのレポーターが車が出れない様子をしゃべっています。


入口前の混乱を中学生と小さな子供が見ています。


座り込む人。背後中央やや左に「山の神が怒るぞ」のプラカード。


シビレを切らした下平豊丘村村長が入口の隙間からでてきました。


続いて牧野飯田市長(中央黒服)もでてきました。歩いて交流センターまで行ったのかどうかは知りません。


ようやく最初の1台が出ていきます。中央で黒服の背中を向けている人物は警察官だと名乗ってこの場を仕切ろうとしていました。来賓で呼ばれたのかと聞くといろいろあるのでといっていましたが、来賓で呼ばれたときに普通に警察が行うような仲裁をやっていいんでしょうか。他にも礼服の警察官がいましたが、ほとんど騒ぎが終わったころ駐在さんとパトカーが到着しました。


黒塗りの乗用車が出ていきます。


紅白の幕がなかったら、どう見ても変な葬儀会場。テントの後ろあたりに斜坑口ができるはず。


赤石岳が初冠雪。

(2016/11/02)