もくじ


残土置場で行きづまり




関係住民
の反対
↓ ↓ ↓
JR東海断念


『信濃毎日』2016年6月9日

JR、リニア残土処分計画を断念 豊丘・神稲伴野区の源道地

 JR東海がリニア中央新幹線建設工事に伴う残土の処分候補地としていた下伊那郡豊丘村神稲伴野区にある源道地(げんどうじ)について、計画を取りやめたことが8日、分かった。源道地の沢筋に残土を埋め立てる計画に対し、下流にある小園地区の住民が反対署名活動を展開。村はJRに計画中止を求めていた。JRの担当者が同日、村役場や候補地の地権者宅を訪れ、源道地での計画取りやめを伝えた。

 JR東海広報部は取材に対し、一部の地権者の理解を得ることが困難で、工期を考慮すると他の候補地を速やかに確保することが望ましく「取りやめが合理的と判断した」と説明。同社独自の判断で、「村からの中止要請とは全く関係がない」とした。

 源道地の候補地で処分予定だった残土約51万7千立方メートルの行き先については「県から示されている候補地の中から検討していく」とした。

 源道地の候補地を巡っては、残土処分に反対する小園地区住民でつくる「リニア残土NO!小園の会」が地区の人口の約7割、387人の署名を集め、村議会6月定例会に請願書の提出もしている。JRの断念の意向を受け、同会の原道治会長(79)は「手続きはともかく、結果として目的は達せられて良かった」と話した。




虻川本流の日向山ダムの予定貯砂量は約10万㎥。支流サースケ洞上流の残土の量が130万㎥は非常識・想定外。


 日向山ダム建設のときも森林組合は関係者だったそうです。法律からの逸脱した組合運営は設立以来のことでした。今になって、長野県が組合の運営を問題にした理由は?残土の問題は結局白紙に戻ったかたちです。


JR東海がおわびと反省  松川町の残土処分地「待ったなしの状況」

[ 『南信州』2017年 9月 2日 土曜日 14時59分 ]
 リニア中央新幹線の建設工事で出る残土処分を巡り、JR東海は1日夜、処分候補地のある松川町のリニア中央新幹線建設工事対策委員会に出席し、進展しない現状を「率直におわびする」とし、またこれまでの進め方を反省した。2027年の開業を控え、「待ったなしの状況」とも。地域との信頼関係を築きながら進める姿勢を強調し、理解と協力を求めた。

 候補地は、中山地区の丸ボッキ地籍(30万立方メートル)とつつじ山線地籍(100万立方メートル)、長峰地区の本洞地籍(490万立方メートル)の3カ所。町は3カ所の計620万立方メートルの活用を考え、候補地として県を通じてJR側に情報提供している。

 この日、JR東海長野工事事務所の平永稔所長が冒頭あいさつで述べた。

 情報提供から3年が経過する中、平永所長は「目に見える進展がなく、町に心苦しい思いをさせてしまった」とした。さらに「地元の意見をしっかり聞き、不安を取り除くような作業が足りなかった」と反省の言葉。取材には「顔の見える関係が必要」と答え、今後は地元と膝をつき合わせる中で不安要素を一つ一つ取り除いていくとの姿勢を示し「安全を大前提に、大車輪で前に進めるべく努力する」とした。

 残土受け入れの前提として地元の生東区は、残土運搬路となる県道の完全2車線化を要望する。平永所長は「地元の要望に道筋を付ける」と説明。改良の計画図面を作成し、処分候補地の計画図面と合わせて年内をめどに提示する意向を明らかにした。

 大鹿村でトンネルの掘削が進む現状を踏まえ、深津徹町長は「残土の処分地が1カ所も決まっていないのは異常だ」と訴え、処分地の管理方法を含め「地域によって条件が違う。一律に考えず、地域にあった形で提案してほしい」と求めた。

 トンネル掘削で大鹿村から出る残土は300万立方メートル。大半は村内に仮置き後、改良工事完了後の県道松川インター大鹿線を使って村外へ運び出す。松川町生田の処分候補地へ搬出される見通しだが、まだ決定はしていない。

 計画だと、残土の村外への搬出は19年春から始まり、25年半ば頃まで続く見通し。

 候補地下流域に当たる福与区は過去の土砂災害を踏まえ、生東地区への残土受け入れの反対を表明している。この日出席した鈴木峰好区長は「反対表明を撤回する状況ではまだない」とした。




リニア計画は便所のないマンション

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リニア新幹線「土砂処理が焦点」影響審査で環境相

『日本経済新聞』 2014/6/3

 石原伸晃環境相は3日の閣議後の記者会見で、東海旅客鉄道(JR東海)が2027年に品川―名古屋間での開業を目指すリニア中央新幹線の環境影響審査について「掘削によって発生する土砂は莫大で、最終処分や仮置き場も決まっていない。ここがポイントだ」と述べた。環境省は同社が4月23日に国に出した環境影響評価書を審査中で、今週中に環境相の意見を国土交通相に提出する。

 リニア中央新幹線の計画区間は、地下やトンネルが8割以上を占める。石原環境相は地下水脈についても触れ、「河川の水位に大きな影響がある」と指摘した。沿線自治体からは残土処理をはじめ、環境保全への配慮を求める意見が相次いでいる。

 環境相の意見を踏まえ、国土交通相の意見も提出される。JR東海は評価書に必要な修正を加えたうえで、工事実施計画を申請する予定。


『朝日新聞』2017年6月1日13時01分

北陸新幹線の工事で88戸被害 建物ゆがみ・門に傾き

関口佳代子、津田六平

小内八幡神社では、門の柱と基礎部分の間
に隙間ができていた=1日、長野県中野市、
関口佳代子撮影

 北陸新幹線の長野―飯山駅間に高丘トンネル(長野県中野市)を建設した影響で、周辺の神社や住宅などで建物がゆがんだり、傾いたりする被害が出ていたことが、市などへの取材でわかった。トンネル工事の建設主体だった国土交通省外郭団体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、家屋被害で88戸に補償したという。

 高丘トンネルは2007年3月に完成。中野市が機構から受けた報告によると、市内では工事に伴って建物のゆがみや井戸の減渇水の報告があった。機構は家屋被害で88戸、井戸被害で14戸に補償したという。

 被害があった同市安源寺地区の小内八幡神社では、境内にある随身門の基礎部分のコンクリートにひびが入り、基礎部分と柱の間に隙間ができた。門が傾き、倒壊の恐れがあることなどから近く改修工事を行う。市指定有形文化財の本殿でも床板が外れるなどした。

 片山求宮司(40)によると、機構から2年前に補償された。片山宮司は「先代の時に『一切被害は出ない』と説明された。憤りを感じる」と話す。(関口佳代子、津田六平)


焦ってドタバタ、南アトンネル掘削開始

 4月27日、JR東海は、工事ヤードが整備できていなかった大鹿村釜沢の除山斜坑予定地で作業トンネルの掘削を始めました。大鹿村や長野県への連絡も前日で、各本面から批判を受けました。

 6月13日、長野県は、この除山斜坑口の手前にある三正坊橋について、亀裂が見つかったとして、総重量4トンを超える車両の通行を禁止しました。現在、補強作業中です。

 つまり、4月27日の1日だけ、バックフォーで2~3回斜面を削っただけで、以後は掘削作業はしていません。工事ヤードの整備も橋の重量制限で遅れてしまいました。

 橋は現在補強中。除山では掘削作業は行われていません。つまり、南アトンネル長野工区の掘削開始は実質的には4月じゃなくて小渋川斜坑の7月でした。工事は明らかにかなり遅れています。


4月27日は報道関係者を現場に入れず、JR東海が報道各社に配布した写真が次の3枚。掘削工事に必要な施設がほとんど整備されていないことが分かります。


JR東海公表 2017年4月27日 大鹿村・除山斜坑口





世界一の鉄道技術に?

350億円は中間駅ひとつ分

 日本車両はJR東海の子会社。新幹線やリニアの車体も製造しています。新幹線もリニアも他の交通と隔離した安全地帯を走るので衝突したときの安全性はほとんど考えられていません。ほんとうに世界にほこる技術 ?




リニアだけで進出を検討する企業はない

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飯田線リニア乗換新駅、地元負担「請願駅」で同意          
伊那谷自治体会議

『信毎』2017年11月14日

 県や飯田、伊那、駒ケ根市などでつくる「リニア中央新幹線整備を地域振興に活(い)かす伊那谷自治体会議」(座長・阿部守一知事)は13日、県伊那合同庁舎(伊那市)で開き、飯田市がJR飯田線に計画しているリニア県内駅への乗換新駅について、地元が費用負担する請願駅としてJR東海に建設を申し入れることに同意した。JRを含めた建設協議を今後本格化させたい考えだ。 ・・・

 県側は、首都圏と中京圏の企業計50社を対象に今夏実施した聞き取りの結果も報告。「リニアが開通することだけを理由に、進出を検討するのは難しい」といった回答があったという。

伊那谷自治体会議開く

『南信州』2017年11月14日

 ・・・県は首都・中京両圏で実施した企業50社対象の聞き取り調査の結果も示した。リニア開業後の伊那谷への立地意向を聞いたが、「長野県駅を知らない」との回答が多かった。


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