「このようなものに絶対に屈する訳にはいきません」

繰り返される恫喝

 7月20日、行われた豊丘村のリニア対策委員会の席上、委員の一人がちょっとした不規則発言をしました。このことについて傍聴人のうち5人が対策員長や当の委員などに抗議をしました。

 9月29日に行われた対策員会の冒頭、対策委員会の会長がこのことに触れ、また問題の委員も発言をしました。やや長いですが、豊丘村のホームページに掲載されている公式の会議録から引用します。まず、会長のコメント:

●会 長 協議に入る前に、前回7 月20 日の第9 回リニア対策委員会について、村民の方から私宛、区選出委員、それから各委員の方にも会議の進行についての抗議文が届いています。これについて私のほうから前回の委員会の進行について、不手際があったのではとご指摘を頂きました。この場で皆さんに謝罪したいと思います。皆さん解っておいでになると思いますが、発言や質問をしていただく場合には挙手をして頂いて、私の方で指名をさせていただきますので、その後発言をしていただきたいと確認をさせていただきます。それぞれの立場でご意見やご質問があると思いますので、積極的に発言していただきたいと思います。今後は委員会がスムーズに進みますように皆さんにご協力をお願いしたいと思います。それでは、区選出委員に発言を求めます。

 続いて、問題の委員が発言をします。

●区選出委員 ご指名頂きましたので私なりの意見を申し上げたいと思います。7 月20 日の第9 回リニア対策委員会において、司会者であるリニア対策委員会会長の許可を得ず発言をしたことについて、一部傍聴者から司会者に対して抗議があり、市瀬リニア対策委員会会長に多大な迷惑をお掛けしたことにお詫び申し上げます。今後は司会者の許可なく発言をする事の無いよう努力します。前回対策委員会の一部傍聴人5 名の連名で抗議文が届きました。私は、第1 回の委員会から言わされる意見でなく自分の意見を自らの口で積極的に発言してきました。今回の件は、その私の考えに反対する方々の妨害工作だと思っています。彼ら彼女らが言うように、私がリニア対策委員として不適切であるのなら、私の処遇につきましては委員の皆様に委任いたします。今回の出来事は、村の重要な公式のリニア対策委員会の場であり、一傍聴者からの脅迫じみた暴挙があった事に本当に情けなく悲しむべきことです。このような事では発言権の無い傍聴者からの抗議や脅し暴挙により、豊丘村で最も重要なリニア対策委員会を正常化にする事ができません。地域の未来の為、このようなものに絶対に屈する訳にはいきません。非常識な発言には、委員会の中で意見をし、賛同できる意見には、拍手と態度で示すなど、今後のリニア対策委員会のスムーズな進行を皆さんと一緒に図っていきましょう。

 7月20日の対策委員会の問題の部分を、やはり豊丘村のホームページの公式の会議録で確かめると:

〔以下委員による討議〕
←前にも移植の話はあったではないですか。
→どこの場でありました?
←この場であったではないですか。
→そうでしたか。
←更にそれを丁寧に県から指導してもらって、そして今新たな方向で移植をする説明をしている。移植をする話は、前からずっとある。初めてではない。
→こういう正式な文書で出てきたのは初めてだと思います。
←長野県から助言を受けたので、それを説明してる。最初から移植すると言っています。
→そうでしたか。記憶違いあるとすれば、もう一度確認をします。これについては以上です。

 傍聴者が抗議をしたのは、「←」の発言です。"〔以下委員による討議〕" となっているのですから、委員長も区選出委員も不規則発言なんかなかったといえばよかったはずです。実はこの会議録がきわめて不正確なのです。問題の不規則発言については既にテープ起こしの要約文を当サイトでも紹介していますが、再び載せます。"〔以下委員による討議〕" としてある会話部分は実はすべて不規則発言なのです。

長谷川伴野区長:前にも移植の話はあったじゃないか。なにいっとるのよおまえは(※)
吉川村議:どこのお話ですか
長谷川伴野区長:これまでもあった、移植するって話は。これまでの話を聞いとれよ(※)。
吉川村議:そうでしたか。
長谷川伴野区長:さらに、それを県で指導してもらって、そして今、新たな方法で移植でもっていくんじゃないか。移植するって話は前からずっとあるじゃないか。初めての話じゃないよ。
吉川村議:こういう正式の文書で出てきたのは初めてだと思います。
長谷川伴野区長:長野県から助言を受けたもんでそれをこうするよっていうことを出しとるだけだよ。最初から、移植をするっていうことは言っているよ。
吉川村議:そうでしたか
長谷川伴野区長:勉強しろよ、少し(※)
吉川村議:まあ、記憶違いがあればと思いますが、もう一度確認したいと思います・・・
市瀬会長:長谷川さん、いい? そのこと。よろしいですか?
長谷川伴野区長:(無言)
市瀬会長:移植はもうすること、それは決まっていたと、いうことですけど・・・

他地方の方へ。※ の部分、かなりきつい表現。特に「なにいっとるのよおまえは」は非常にまずい。相手の委員としての人格を否定するものです。

 区選出委員(長谷川伴野区長)は村議会代表委員(吉川村議)を恫喝しているのです。区選出委員も会長も、移植作業が全く不当不適切であったという事実が理解できていない、環境影響評価の主旨が全く理解できていないといえますね。

もう一つ、大問題

 会議は公開が原則です。民主主義であれば当然です。何の為にかと言えば、それぞれの会議の内容がどのように行われているかを住民が知るためと、そしてきちんと審議が行われてるのか住民が見守るためです。でたらめな運営がなされていて、その委員会の委員たち自身で正常化できない場合、つまり7月20日の場合はまさにそれですが、傍聴していた住民は抗議をして正常化させる「義務」があります。豊丘村のリニア対策委員会には公募の委員はおらず、すべてが充て職だから、なおさらです。

 その住民の行動を「妨害工作」、「脅迫じみた暴挙」、「脅し」というのは見当違いもはなはだしいといえます。

 7月20日の公式の会議録はご覧のように意図的と思えるほどに不正確です。事実と異なる会議録を公表した委員会事務局の行為も糾弾されてよいと思います。

 また、区選出委員の発言の中の、「彼ら彼女らが言うように」という部分。本来「彼ら」だけで良いはずで、「彼女ら」という一語を加えているのは、何か意図するところがあるのでしょう。これは不当と言うべき発言です。

 「このようなものに絶対に屈する訳にはいきません」はこの人にそのまんまお返しすべきです。

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(2017/10/28)