更新:2019/05/05

坂島斜坑ヤードの様子ほか、2019年5月

 豊丘村内では伊那山地トンネルの掘削は坂島斜坑、戸中斜坑と小園の伊那山地トンネル本坑口から行われる予定でした。坂島は後で紹介するとおりヤードの造成が始まっています。戸中は既存の建物などの撤去が済んだ状態から進んでいません。


戸中斜坑ヤード予定地

 実は、伊那山地トンネルについてはどこから掘るかまだ決まっていません。だいたいは、本坑口から掘るか、近くのツルネ()という土取り場跡地からに絞られているようです。下の写真は、その検討中に名前が出たものの結局没になった場知沢(ばちざわ)です。


道路はカーブで谷を越しています。このカーブの部分は盛土です。沢の水は盛土の最下部を暗渠で流れています。矢印の場所の道路の向こう側の斜面の一部が2年ほど前だったか崩れました。


 喬木村堰下や高森町下市田のガイドウェイ組立・保管ヤードの用地となる予定の水田の表土(耕土)を処分するといわれている、豊丘村内の土取り場と残土捨て場。



 日向山ダムそばのリニア工事の関連施設。奥に見えるのが虻川本流の日向山ダム。


残土みたいな土が置いてあるのですが…。この辺りは砂防指定地なので県知事の許可が必要。


 許可の内容。「砂防指定地内行為(砂防設備専用)許可標識」がタイトル。「行為(占有)の内容」は「中央新幹線伊那山地トンネル新設(坂島工区)工事に伴う日向山ダム仮置き場の造成」っていうのはトンネル工事にダムが邪魔だから一時この場所に移動してダムを保管するという意味なのでしょうか? というか何を仮置きするのかはっきりしないのに許可していることになると思います。この書き方ではね。


 さて本題の坂島斜坑ヤードの様子です。


 許可標識2枚。




斜坑口は黄色い矢印、斜面がすこし凹んだ部分にくるはずです。道路の右の斜面はコンクリートを吹き付けてアンカーを打って補強したようです。


ヤードの西の端の部分。赤いコーンで囲った穴は汚水処理設備?


矢印の先にパイプが見えている付近に斜坑口が来るはず。道路の斜面側に赤い「No.0」と書いた杭がありました。


ヤードの東部分です。


ヤードの東側、坂島橋の手前から見たところ。丸印が斜坑口の位置。Aは花崗岩の巨石か? Bは道路脇の斜面を補強した部分。

 坂島ヤードと本坑の位置関係。


画面クリックで拡大。JR東海の環境保全計画の図面を参考にルートを記入しました。

 前から気になっていたのですが、ヤードの南側の道路に沢(地図のA)と斜面が崩落したところ(地図のC)があります。


これは崩落している部分です。


崩落した土石はヤードの出入り口の方に流れていきます。奥に見えるのが坂島橋。左にヤード。カメラの位置は残土の運搬ルート上です。

 南西にある沢。たびたび、砂が道路に流れ出ていることがわかります。


 30mほど奥に砂防堰堤があります。堰堤の前の大きな石は高さ約1m、長さが2mほど。堰堤を越えて流れ落ちたのか、堰堤の建設前からあったのか、それとも沢の斜面から落ちたのか?




答えになるかどうか。沢の斜面が崩落し続けているのは間違いないようです。

 花崗岩が主体の場所なので風化が進めばこうなるのです。花崗岩の場合はトンネルは掘りやすいそうです。しかし、坂島からの斜坑の坑口付近は風化が進んでいることは間違いないし、本坑までの間に虻川の支流の下を通るし、本坑も斜坑との接続する前後で、同じ支流と本流の下を通過します。地質は違いますが、中津川の山口工区の斜坑に似ています。本坑までの最短距離を掘削しないのも不思議です。



ヤードから約200m東に残土の仮置き場があります。野田平(のたのひら)や一度は残土捨て場候補地にあがった本山(ジンガ洞)へ行く道路から林の木々の間から見えます。伐根した木の根が見えます。黒い廃車は以前からおいてありました。

 坂島には人家が残っていますが、現在は人は住んでいません。山の奥でも、車ができる前の不便な時代の何百年にものあいだ人の生活が続いて集落が存続し続けてきました。自動車が普及して戦後の数十年の間に人がいなくなりました。交通の便が良くなるということは、一面というのでなく、本質的に人が住みにくくなるという問題が田舎でも都市でもあるのではないか、リニアは交通の便利の権化、いいことがあるはずはないと思います。

 下沢の残土置き場の候補地です。正確な図面を知らないので、物件調査の標識などからこの辺りという場所を撮影しました。ここに積んだ残土が崩れると虻川に流れ出ます。ここも水が流れている谷です。


以前あったゲートが撤去されました。






※ 「ツルネ」というのは地名だと思っていました。最近山に詳しい方にお聞きしたら「尾根」のことだそうです。で、この豊丘の「ツルネ」は尾根の先端部を削って建設資材として土を採取したので平らな土地が出来ています。


JR東海は最初地図の赤丸部分から掘削すると言っていました。しかし、トンネル工事と橋梁工事が隣り合わせになること、トンネル出口前の村道が重要道路であることなどから、坑口付近に工事ヤードを設置できないといって、ツルネから掘削をしたいと言い出しました。なぜ最初からツルネに工事ヤードを置くという計画を出してこなかったのか不思議です。地図をみればツルネがヤード設置に最適なことはJR東海だって分かるはず。事前に、よく調べたからなのか、調べなかったからなのか? 最近、壬生沢川岸にヤードを造成して村道を飛び越してトンネル口まで桟橋を架けるという案を出してきたそうです。また橋梁の橋脚工事のため壬生沢川の流路の変更も考えてるようです。ただし、どの案をとったとしても、地形や川の改変に批判的な地権者も多く、理解を得るのはかなり難しいと思わざるを得ません。なお地図に記入した「牛草沢」、「南の沢」は、集落の上流の沢に残土を置かれては安心して暮らせないと考えた地域の住民が署名運動などを繰り広げ、JR東海に残土を置くことを断念させたところです。(2019/05/12 補足)