更新:2020/02/23

笛吹市のガイドウェイ組立・保管ヤード

 山梨県笛吹市の中央高速道路の境川パーキングエリアそばにある、リニア新幹線のガイドウェイ組立・保管ヤードを見てきました。ヤードは実験線のトンネルなどの建設残土で埋め立てた場所です。もともとは約300戸の住宅団地にする予定でしたが、活断層がすぐ近くにあること、造成後に阪神大震災があったことなどが理由だっと思いますが、住宅地にはなりませんでした。現在、一般廃棄物処分場の覆土の一時置場に使われているところがあるようですが、見た目では、JR東海がヤードとして使用している以外は全くの空き地です。

⇒ 関連ページ:中央道境川PAそばの残土置場

 ヤードの場所は笛吹川沿いの段丘上。地震で揺れが激しくなる地域です。側壁パネルの保管の仕方を見ると、建設中の災害への対策も甘いと思います。

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[1] (画面クリックで拡大) ガイドウェイ組立・保管ヤード全景。(撮影位置①)

[ 参考写真 2018年5月18日撮影 ] A、B に谷埋め盛土の法面が見えている。
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ガイドウェイ製作・保管ヤード(JR東海の説明会スライドより)。元の谷の形が等高線で分かります。 赤色の数字は撮影位置。ヤードと谷埋め盛土の区域は一致しています。

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[2](画面クリックで拡大) 右のテント内から作業をする音が聞こえました。左、ガイドウェイの側壁パネルを積み上げて保管しています。中央はガントリークレーン(レールの上を移動するタイプのクレーン)。

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[3] ガイドウェイの側壁パネル。パネルはコンクリート製です。白いカバーで覆われています。

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[4](画面クリックで拡大)

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[5] JR東海は説明会で、パネルは枠に縛り付けていると説明したようですが、外部からここまで近づけるわけで、地震のとき外部に崩れて来ないのかなと思いました。

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[6] 敷地の端まで積んでいます。右は、尾根の部分で農地。農作業をしている人がいました。

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[8] 作業場はテントです。

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[9] ヤード入口

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[10] ヤード入口付近

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[11] ガントリークレーンと部品(コイルか)

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[12] 積み上げられた側壁パネルとキャタピラ式の大型クレーン

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手間のかかる積み下ろし

 ちょうど、側壁パネルをトレーラーから降ろして、積み上げるところを見ることが出来ました。

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[14] トレーラーの荷台から側壁パネルを吊り上げるところ。

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[15] 側壁パネルは、長さ約12.6m、高さ約1.3m。

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[18] 高所作業車に乗った作業員が、荷から伸びたロープで位置を決めます。

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[19] 積み終わったところ。クレーンの左にトレーラー。

鉄のレールの積み下ろし

 参考に。リニアのガイドウエィの側壁パネルはレールにあたるもの。飯田線市田駅の北に以前2本あった引き込み線の1本を撤去してレールの一時的な保管場所としています。保線車両にレールを積み込むところです。

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保線車両とレール置場。レールの積み下ろしに使うのはこれだけの広さ。リニアとはちょっと違います。設備も違う。手前だけで約50本、約1.3km分のレールがあると思います。リニアの側壁パネルだったらどれぐらい置けるか?

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積み込みは、保線用トロッコ3台の3本のアームの先のチェーンブロックで行います。

 市田駅の置場まではレール運搬専用の2両連結の気動車で鉄道で運んできます。取り替えた古いレールもその気動車がどこかへ運んでいきます。レール工場から末端の現場まで鉄道で運んでいます。鉄道の路線だけで保線ができる仕組みになっています。広大なガイドウェイ組立・保管ヤードのような施設はいりません。ガイドウェイ組立・保管ヤードは笛吹市(約11ヘクタール)だけでなく、長野県内で2カ所(喬木村、高森町合計約12ヘクタール)などのほか各地にできます。

用地は谷埋め盛土

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[20] 一番下段の法面。

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[21] 中ほどの土手の上に調整池があるはず。

オマケ 1

 往路、国道20号線、富士見町蔦木(つたき)の道の駅そばの河原。送電線の下は木を伐採しますが、こういうアングルから見るとかなり見苦しい感じがします。

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オマケ 2

 帰路、国道152号線、杖突峠付近からみた夕暮れの八ヶ岳。

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