更新:2020/03/25

長野県知事とJR東海社長の意見交換会

 3月23日、長野県庁で、長野県の阿部知事はJR東海の金子社長と意見交換をしました。報道各社のニュース:

(1)JR東海がトンネル残土の処分先は8割を確保しているといっている ⇒ 事実は、974万立米中候補として上がっている場所をすべて合わせて約6弱程度。『信毎』は年始頃の記事で確定は20万5千立米と報道していました。私の見積もりでもそんなところです。それより、住民の声で約640万立米が没になった事実が重要。

(2)阿部知事は、残土の処分先の確保について、JR東海にしっかりやるように要望しています ⇒ 残土の処分地については、JR東海が長野県を通じて候補地の情報を収集、長野県は情報を仲介するだけで、その場所の防災上の問題については、県が情報の提供を照会した市町村なども考慮しなくてよいとしていた。長野県は、長野県民に対して、防災上の義務を放棄している。半の沢や鳶ヶ巣崩壊地直下のように、後付けで、JR東海の費用で第三者検討員会を設置。安倍晋三さんの全国一斉休校の要望に似て、無責任。残土が引き起こす災害の被害について、誰が責任を持つのか、地権者なのか、JRなのか、長野県なのか、誰なのか、長野県の政策に一貫性がありません。長野県知事として、住民が防災面で不安を抱いているから残土の谷埋め処分はあきらめるよう求めるべきだったと思います。

(3)阿部知事は、中間駅の1時間1本の停車を要望 ⇒ 飯田下伊那の現状の利用状況からして普通に考えれば、1日2~3本の停車で十分間に合うはず。また、JR東海としては、車両の消耗を減らすため、ダイヤの維持のため停車回数は減らしたいはず。よって、1時間1本は常識的に考えればあり得ない。いまだにそれを要望すること自体が1時間1本はあり得ないことを示している。

(4)『ABN長野朝日放送』の動画によると、阿部知事は、「地域の声も拾って対応してきてもらっている感覚でいる」と言っています。

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⇒ リニアの工事が行われている下伊那から遠く離れた長野からはJR東海が「地域の声も拾って」いると思えるのでしょうが、JR東海が住民の意見を聞くどころか、気にくわない住民の行動を自治体が制限するよう要望することまでやっています。事業を遂行しようという意志や姿がJR東海には見えないという住民の声もある。『信毎』は、1月14日の社説 "リニア工事 通過地域の理解なければ" で、静岡県内の大井川の問題を取り上げて、長野県内についても残土問題を取り上げて 壮大な計画の一方、通過地域への対応が後回しになっていた面はないか。JRは、これまでの姿勢を見直すべきではないか。と書いています。阿部知事のJR東海に対するコメントとちょっと違った評価です。『ABN長野朝日放送』はJR東海を擁護する長野県知事の無責任さをしっかり報道してくれたと思います。

(5)『中日』は残土問題について:

 残土置き場を巡っては、JR側が県内約三十カ所の候補地で地権者などと協議を進めているが、全て確保できてもトンネル掘削で見込まれる残土は受け入れきれない。JR幹部と県内の関係市町村長らが今年一月に飯田市で開いた意見交換会でも知事と同様の要請をしている。

 ⇒ 『中日』と『ABN長野朝日放送』と『長野放送』は、残土の処分地の確保について、あてにならない「8割」という数字を示していない。また『信毎』はJR東海が8割と発言したことは書いていますが、すでに独自調査で これまでに決定した処分地は、大鹿村と喬木村の計4カ所で、受け入れ量は20.5万立法メートルにとどまる。自治体や住民がJRとの協議や手続きを続けている候補地は上伊那、下伊那地域で少なくとも17カ所。調整が調えば、計500万立法メートルを超える量の処分、活用を見込めるが、それでも4割余の処分地確保が必要になる。(『信毎』 1月6日、1面)と書いています。長野県や地元、報道機関は、「8割」という数字は、決して信用してはいないし、事実とも違っています。

 南アルプスを挟んで向こう側の静岡県知事と長野県知事のリニア対する対応は全く対照的。静岡の大井川の減水問題が着工をできなくしていること同様に、長野県内の残土処分地の問題もリニアの直面する物理的な困難だと思います。そういう現実に、長野県知事とJR東海社長はなすすべもないといった感じですね。