更新:2020/05/05

カーブと超電導リニア

 少し前から、目次ページの左側に、Youtube の "The Raising Trains ! Incredible GRADIENTS : Indian Railways (浮かび上がる列車! 信じられない急勾配:インドの鉄道)" という動画へリンクを張っています。

 最初に勾配を登坂する列車が2回、日が昇るように地面から顔を出している場面があります。停車場を通過するあたりから画角が広くなって、カメラは右に向けられます。かなり長い列車です。最後尾の車掌車が通りすぎると、だんだん望遠になっていきます。すると列車の通過している部分の坂が次第に急になっていくように見えませんか。

2020/05/08 補足:動画の最初の部分は、望遠側⇒広角側⇒望遠側と画角を変化させています。

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 こんな坂を列車が登れるでしょうか。目の前で、実際の鉄道で、こんな坂を見たことがありますか。何故こんな風に見えるか。かんたんに言えば、望遠レンズの圧縮効果と呼ばれるものです。

 インドの鉄道で観察できるこの現象は、その場で、目でも注意深く見れば同じに見えるはずです。それを望遠レンズで拡大して強調して見せているのです。日本のように狭くて見通しがきかない土地では、なかなかこういう現象はみれないかも知れません。

 下の写真は、「山梨県立リニア見学センター」 の 「リニアの写真」のなかの1枚。「(撮影場所:山梨リニア実験線)実験線をのトンネル内(カーブ)の様子」と説明がついています。

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 もう1枚は同じく、「(撮影場所:山梨リニア実験線)実験線トンネル内の様子」と説明されています。

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 なにか、そうとうにきついカーブや急な坂も走れますよといった感じなのですが。どのページだったか忘れたのですが「東濃リニア通信」さんが、このカーブの写真について、半径8000m とは思えないと書いていたと思います。つまり、半径8000mのカーブならもっと緩いはずということだと思います。実験線で一番きついカーブが半径8000mです。

 このカーブは、カーブの位置はおそらく、見学センターから名古屋方面へ約4.5kmのトンネルの内部だと思われます。撮影場所については、前に「カーブの不思議」で説明しています。

 ヨコのものをタテにかえれば、タテのものをヨコにすれば、カーブも勾配も同じです。リニアは、ちゃんとカーブも急な坂も走れますよという意味でこんな写真を使っているんだろうと思いますが、山梨県さん、ちょっとやり過ぎじゃないでしょうか。半径8000mのカーブなんてそばで見ればほとんど直線のはずです。ほんとうに、この写真で見るような感じのカーブが曲がれるなら、静岡県を通過しなくても建設できるはず。

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 この写真は、Youtube の "8090レ【150mロングレール輸送】EF66 133号機 静岡貨物駅発車" の17秒付近の映像。貨物列車の積荷は鉄道用の長さ150mのロングレール、画面右の直線の線路に使ってあるのと同じレール。超電導リニアはほとんど曲がりませんが、従来の鉄のレールは超電導リニアにくらべたら、レール自体が曲げやすさが、つまりルートの柔軟性が、天と地ほどに違うことがわかると思います。(参考:『鉄道ジャーナル』2019年11月号、「レール輸送の現場:"レールの歴史(編集部)"、"レール輸送の現場を見る ~ 東京レールセンター(RJ取材班)"」)

 話しの関連性に無理がありますが、画像的には似たところがあるでしょ…。やっぱり乗り物はカーブがきちんと曲がれないとダメ。

2020/05/08 補足: たぶん、タテ方向の曲がりといえる「勾配」と、ヨコ方向の曲がりの「カーブ」について比べると、普通の鉄道ではヨコ方向の曲がり、つまりカーブより「キツイ」勾配はないはず。でも、動画に出てくる勾配はカーブみたいに曲がって見えますね。