2020年6月12日(c)のつづき

 『信毎』 "リニア27年開業厳しく 県内困惑も 「JRは地元理解得て」"。

 以前、工事が本格化する前です。高森町の数人の町議にリニアはできると思うかと聞いたことがあります。賛成か反対かじゃなくてね。答えに困っていました。

 記事は「県内困惑も」と書いています。しかし、飯田下伊那では、かなり多くの人が大きな声で言うことはなかったにしても、リニア効果は疑問だし、なにより無理な計画、と思っていました(建設関係者でもいましたよ)。県知事や自治体の首長や議員がまともに住民の声を聞こうとしなかったから困惑するんだと思います。

 取るもの取った大鹿村長は、「最近の交渉をみれば厳しいと思っていた」と冷静 だそうです。また、 リニア工事実施計画の認可取り消しを国に求めた訴訟の原告の1人で、大鹿村の谷口昇さん(50)は「これからの時代に本当にリニアが必要なのか。これを契機に社会全体で考え直してほしい」とした。 このコメントを掲載した『信毎』はエライ。

 ところで、2つ目の段落:

「27年開業が前提。計画を見直す必要がある」。飯田商工会議所(飯田市)の原勉会頭はそう肩を落とした。ただ飯田市のリニア県内駅周辺整備で移転を余儀なくされる住民との協議も続く。「話し合いの時間をもらったとも考えられる」とも受け止めた。

ですが、会頭のコメントだけ取り出すと、

27年開業が前提。計画を見直す必要がある。話し合いの時間をもらったとも考えられる。

と、さて、原さん何を言おうとしているか。

 「27年開業が前提。」を取ってしまうと筋が通ります。

 「肩を落としたという事実」はあるわけないので、これは記者さんの文学的作文。真意は:

計画を見直す必要がある。話し合いの時間をもらったとも考えられる

じゃないか。原さんも実はリニア効果は疑問と思っていたんじゃないか。

 「移転を余儀なくされる住民との協議も続く」という部分、実際は協議は、中味は停滞したまま時間だけがたっているという感じ。目に見える代替地の造成工事のようなものは進んでいるように見えますが、移転対象者の気持ちは動いていない。

 今月中に、JR東海が、2027年開業が無理 というなら、リニアは未来永劫完成できないと捉えるべきです。だから、JR東海はなりふり構わず焦っている。

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