更新:2021/03/19

第14回松川町リニア対策委員会、3月18日

 3月18日、19時より松川町役場2階で、「松川町リニア中央新幹線建設工事対策委員会」の第14回目がありました。

 まず、松川町がJR東海に対して、町内の残土運搬車両通行に関する要望書を出したという報告。あまり具体的な内容はないがとりあえず出したというような内容でした。

要望書提出までの経緯と要望書

 次に、JR東海と町と県から、大鹿村から搬出する残土運搬のルートとスケジュールに関する説明がありました。松川インターから伊那市に運ぶルートについて、町中心部の通行を避けるためルートを分散させるというこれまでの案を、片桐松川の岸の道路を改修した上で主要な通路とする案に変更するという内容。ただし改修工事期間中は中心部(下図の点線表示)を通行する。

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(画面クリックで拡大)

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 最後に、今後の住民説明会の計画の説明がありました。

 松川町のホームページで委員会のページを見ると、3月18日現在で、最も新しい情報は、"第12回松川町リニア中央新幹線建設工事対策委員会を開催しました"(更新日:2021年02月12日)。第12回の開催は、2020年12月25日。18日の委員会で配布の資料によれば、第13回は2月10日に開かれています。情報を知りたい町民の立場からすると建設課のリニア対策室はノンキすぎると感じるかも知れません。

 名子区会代表(職業は事業経営)が、残土の活用先として、個人的な希望者に分けるようなことは考えていないかと質問。この質問に回答したのはJR東海の古谷担当部長で、今回はこれが唯一の発言。説明は、残土の処理については環境影響評価の対象であって、事後調査(認可後であっても影響評価と保全計画が必要)の必要があって手続き上難しいところがあるとのこと。当たり前。住民の側がアセスメント制度に対する理解が少ないことを示す一例かなと思いました。

 静岡の膠着状態があるのに、開業の遅延や、事業の行く末についての質問は皆無でした。有識者として出席しているある不動産鑑定士の方が、早い開業を望むところだけれど…と前置きしてから交差点への車両の集中について発言したのには、やや驚き。雰囲気を読んで、わきまえることができるのが有識者の第一の条件なのだと思いました。

 傍聴席から不規則発言をされた方もおられました。もっと南のルートを使えば問題が少ないのではないかという主旨のようでした。この方は、委員は具体的なこと言いたいことをはっきり言わないと言っておられました。ほぼ全員が充て職で、いろいろな組織の代表と出席しているので、とは言っても必ずリニアに関して組織ごとに検討をしているわけでもない、しかし、個人的になにか意見があっても言いにくい立場であるといえます。公募が2名いるにはいますが、結局、リニアに関心のある人はなるべく入れない仕組みになっています。公募がいないところは違いますが、豊丘村の場合もほぼ同じで、委員会の様子についてある古老は、これはリニア対策ではなくて、住民対策委員会だと言っていました。つまり、ひろく意見を求めた形にして、住民の意見を封じていると。豊丘村の場合は、議会代表の2人の村議が村民の意見を聞いて発言していましたが、松川町でも住民の心配の声が高まっているのですから、そんな工夫もできるのではないかと思いました。

 会議は公開でしたが、冒頭以外は撮影禁止。理由の説明はありませんでした。某紙記者がフラッシュを炊いて、JR職員(役場職員かも知れません)から撮影は禁止だと注意を受けました。これは、質問への回答のなかで東浦交差点の通過車両のシミュレーションをスクリーンに映した時のこと。配布資料には入っていませんでした。この後、別に、一般傍聴者でもスマホで撮影して注意された方がいました。でも撮影した映像を削除しろとまでは言っていないようでした。とすれば撮影してはいけない理由はないはず。撮影禁止は、町の立場なのか、JR東海の立場なのか。ただしスライドを撮影するのにフラッシュを炊く必要はありません。

(補足)信毎の記者さんに注意したのは、JR東海の社員なのか町の職員なのかという問題。町側の司会者が撮影禁止という説明をしているのでこれは町の方針です。しかし、JR東海の社員が会場の規制をする立場ではないはず。とすれば、町の職員かなという気もしますが、見た印象ではJR東海の社員に見えました。しかし、JR東海が開いた説明会等でメモ代わりの撮影が禁止されていて、住民側に不満がある事実があるのですから、町が撮影を規制するというのは、町が完全にJR東海の側にいると言うことを示していると思います。

 片桐松川の岸を通る道路を改修(改良)することは、将来的には町にとってプラスになるという考え方があるようです。オマケ目当てにグリコを欲しがる子に眉をひそめる親達がいたのはかなり昔のことなんですが、そのころの子供たちがオジサンや爺さんになって、こういうことや、高額接待が当たり前ということになっているのかなと思いました。とさ。

 接待と言えば、武田良太総務大臣がNTTの澤田社長と会食したことを認めたのですが、JR東海の葛西敬之名誉会長が同席していたそうです(『東京新聞(=共同)』)。