更新:2021/06/05

静岡知事選告示

 6月4日、静岡県知事選挙の告示。現職の川勝平太氏と元国交副大臣の岩井氏が立候補しました。

『静岡新聞』(web版)の記事

『中日』2面 "静岡知事選に現新2人 リニア着工は 両氏「認めず」"

 見出しに、"リニア着工は両氏「認めず」" と書いています。公明党も自主投票の方針のようです。県民の多くが大井川の問題でリニアに批判的であると解釈できないわけじゃないのに、記事は "着工に反対する県の対応に疑問を持つ県民もいる中、主張の違いが見えにくくなっている" と書いています。主張の違いが分かりにくいと思うなら、読者にこの選挙では何が投票するときの判断材料になるか示すのが新聞の役割だと思いますよ。

『朝日』4面 "静岡知事選告示 現新2氏立候補"

 リニアのリの字も出ていません。これでは赤字になっても当たり前。

『信毎』2面 "静岡知事選 現新の争い 与野党対決 リニア対応も注目"、"飯田下伊那 論戦注視 「建設的議論を」「JRに説明責任果たさせて」"

 大鹿村長の "「水資源への不安があることは十分に承知している」としつつ、「工事完了に向けた建設的な議論を期待したい」" というコメントがビミョー。確かに大鹿村でもリニアトンネルで水資源へ心配があると思います、そして、リニアが開業できてもできなくても、ともかく早く工事が終わって欲しいということなのかなと。

 商工会議所会頭の原勉さんの回答は "「リニアの開業が遅れるのは飯田の経済界にとっては重大なこと」と訴え、「知事選の結果を注視している」。その上で「新しい知事は大井川の水の問題にどう対応するのか、JR東海にしっかり説明責任を果たさせてほしい」と求めた"。大井川の問題でJR東海に説明をきちんとさせるとすれば開業が遅れても仕方ないことになると思うんですが、こんなことをおっしゃっている。つまり、静岡次第で開業できなくても仕方ないという気持ちがおありなのか知れません。

 立ち退きを迫られる住民の方は「リニアが来るのか来ないのか、早くはっきりさせてくれないと困る」。リニア計画は、誰がみてもこの住民の方が言われるような状況に陥ってしまったのだと思います。そういう場合の答えは一つ、工事は中止以外にないと思います。昨年12月14日の飯伊の市町村長との意見交換会のなかで宇野護副社長はリニア計画について非常に曖昧な見通ししか説明できていなかったです。

納得させることができる説明ができないなら、だらだらといつまでも長引かせるのは困る。さっさと止めてね。

 『南信州』の1面コラム「日言

 『南信州』の読者は飯田下伊那の地元の人たちです。「期待している多くの人々は、一地方の知事号令で、静岡県内の工区がストップしてしまうのかと懸念する」といってます。昨年の飯田市長選挙の結果、先月の市議会議員選挙のようすをみても、飯田市民の間のリニア開業への期待感はかなり薄まってきていると思います。期待している人は本当は多くないはず。そして、地元の人々を一番のよりどころとすべき地元紙が「一地方の知事号令で…」は民主主義の大事な基本である地方自治を尊重していません。