更新:2021/06/08

残土運搬道路の騒音振動(高森町町道7290号線)

ホントにアキレタ

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1、2 の爆弾マークが騒音の発生するところ。

 高森町下市田のリニアガイドウェイ組立保管ヤーは敷地の造成に大鹿村から南アルプストンネルの残土をもってきます。その運搬ルートになる町道7290号線で騒音や振動の原因になると思われる部分というか、もう住民から苦情が出ているか所を見てきました。それは、表現がなんか変といえば変ですが、道路を側溝が横断しているところです(「横断側溝」という呼び方があるようです。)。2か所あります。

北側(ラウンドアバウトに近いほう)

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クレーン付きのトラックが通過している下に道路を横断する側溝があります。道路脇にも崖の上にも人家があります。左の錆びたトタンの建物が天竜舟下りに使う和船の造船所。

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側溝が道路を横断しています。

 道路のそばの家では、騒音と振動がかなりひどいはずです。崖の上の家では、騒音自体はほとんど聞こえないですが、特に重量のある車が通過した場合には、振動がきます。

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車が通過するとガタンガタンという音が出ます。金属的な音ではないし、グレーチングはネジで固定してあるように見えます。タイヤが乗った反動でグレーチングが浮き上がって音が出るわけではないようです。アスファルト面と側溝の高さがあっていないからです。音は段差があるからだと思います。アスファルトとコンクリートや鉄では減り方が違うので、最初にいくら高さをそろえても段差ができるはず。表面の材質の違いも音の原因だろうと思います。

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供用開始は3月下旬。もう段差が見えてます。

 大型車が通過するのを道路脇で見ていると、意外にガタンガタンという騒音は気になりません。大型車はもともと走行音が大きいことと、車輪の直径が大きいからだと思います。

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画面左(道路左)の歩道に側溝がありますが、道路の右側には側溝がありません。道路を横切る側溝は、道路左の側溝から来る水と路面を流れる水を道路の右側へ流すようになっているはずです。道路右側には井水(農業用水路)があって、地下化(暗渠化)されました。おそらくその中へ流しているはず。横断側溝はS字カーブの右曲がり左曲がりの切り替わり部分にありますから、たぶん路面は左右方向で水平になっているはず。道路表面の排水のためとしても、周囲の人家の方が先にあったのですから、横断側溝なしでも排水ができる全力の工夫をするのが当たり前だと思います。役場の職員は道路優先、車優先の頭しかない。つまりここでは自動車の社会的費用を住民の我慢で支払っている形だ。右の青い屋根が造船所。奥遠方にみえる赤い橋が明神橋。

南側(ガイドウェーヤードに近いほう)

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フェンスのついているのは歩道で、歩道部分の下には井水があって、歩道は空中に浮いています。この歩道のための構造を設置するために、もとのコンクリート擁壁を削岩機で壊す騒音がものすごかったです。この住宅の住人はひと夏騒音を我慢したのに、これまでなかった、騒音と振動の被害を受けているはずです。こんなことは道路の設計段階で机上でも分かるはず。

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ここも道路左の歩道部分に側溝があってその水を右側に流すようになっています。道路が右に膨らんでいます。つまり路面は右が高いので、道路表面の雨水は左側へ流れますから、この部分で横断側溝にする意味は、もともとないはず。

段差があっても騒音が出ない場合

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工事区間の南の終付近。下水のマンホールや何のためなのか四角い蓋もあります。わだちの幅より狭く、車輪と車輪の間になる位置にあるので騒音がすることはほとんどないです。

横切る水路を地下に埋めた場所がほとんど

 改良区間で道路を横切る水路は7か所、ほかに下水と上水も地下にあります。

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横方向が改良工事をした町道7290号線。四辻も工事区間。左側の側溝の水は画面奥に見える天竜川へ落としているので、水路(矢印)は町道を横切っているけれど、道路面に側溝はありません。

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上の写真の「止まれ」の標識の根本の部分。AとBはつながっていない。

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道路を地下で横切って天竜川へ。

もともと大型車が通行できない道だった

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もともと、大型車がすれ違いできて歩行者の安全を確保するだけの用地の幅がなかったので、歩道を井水の上に張り出した形の構造になっています。事故などで大型車が歩道に乗り上げた場合大丈夫なのか心配です。

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工事中の写真。もともとあった井水と道路との間のコンクリートの擁壁を削岩機で壊して撤去したあとに、丸印のようなコンクリート製の構造物(※)を並べて、画面で言うと左側の部分にかぶせる土の重量でバランスをとるようになっているようです。作業中はバランスが崩れないように矢印のようにつっかえ棒を設置していました。(※ 「擁壁機能を活用した張出し歩道」)

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道路の古い擁壁を削岩機を使った撤去作業に備えて防音シートを設置したところ。防音シートは音を反射する部分がかなりあって、道路反対側の崖の上の家々では騒音がすごかったです。崖の上は別の自治会なので、工事についての案内は直接はありませんでした。

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矢印が道路の古い擁壁。

グレーチングは固定してなかった

 6月7日夜に出砂原(下市田6区)地区館で、ガイドウェイヤードの造成についての説明会があり、この側溝の問題が出ました。町側は、グレーチングをしっかり固定すれば良いのではなどいっていました。7日昼間確認した時は、グレーチングは固定してあるように見えたし、グレーチング自体の音はしていないように思いましたが、8日早朝にネジを指で回して確認してきました。2か所ともほとんどのネジが締めてなく、まったくねじ込んでないネジもありました。

 2区の説明会では、役場に側溝が原因の騒音と振動がひどいと苦情をいったのに見に来ないと指摘している方がいました。6区の説明会での町側のコトバからして、グレーチングが固定されていないことを役場は始めから分かっていたということになりますね。まあ、原因は段差なのですが、住民を完全にバカにしているとか言いようがないです。

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一見しめてるように見えるのですが、スプリグワッシャの切れ目に段差があります。指で簡単に回りました。スプリングワッシャが使ってあるということは、必ず締めるべきネジだということです。このネジはキャップボルト(頭に六角形の穴のあるボルト)の頭に黒いカバーをかぶせたもの。

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ネジがしめてないことはもちろんですが、座金とスプリングワッシャの順序が逆です。完全な作業ミスです。

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全くしめてなかったネジ。回さずに引き抜けた。

参考補足:株式会社宝機材 > "2020.09.30 グレーチングの跳ね上がり対策|原因とおすすめの固定方法 " 管理者に責任があると判断されると国家賠償法に基づき賠償することになります…これまでグレーチングの跳ね上がりによる事故は多数発生しており、賠償責任が発生した事例もあります。 管理者である町が、しっかり固定すればなどと、固定されていなこともあり得るような発言をしているようでは困るんじゃないですか。