更新:2022/07/29

「山吹ほたるパーク周辺整備事業」説明会、7月27日

 7月27日夜、高森町が計画する公認サッカー場建設についての町民対象の説明会の第2回目が下市田区民会館で開かれました。 町が会場で配布した事業の名前は「山吹ほたるパーク周辺整備事業」ですが、主はサッカー場建設の問題。

 町の事業の提案からこの説明会までの間で一部の少数議員を除いて議会全体として、多額の費用が必要なのに、採算性や必要性など事業の妥当性についてしっかり考えてこなかったようです。

 今回の説明会は質疑を含め全体で約2時間。

※ 会場で配布された住民側の疑問点をまとめた文書(2022/07/31 追加)

 サッカー場のクラブハウスとなる元ダイエーパチンコ店の建物と土地について、町が土地を取得し、A企業が建物を取得したあたりに疑義があるとする指摘が会場から複数ありました。ダイエーパチンコが地権者に土地を返すにあたり建物を撤去する約束があったと想定できると町長は説明。当時ダイエーは経営難であり閉店後、建物を撤去する資金がなかったようです。取引金融機関の飯田信用金庫とA企業と町が協議する中で、土地を町が取得、建物をA企業が取得して町に貸すという話ができたとのこと。この話の中で、一番ほっとしたのは地権者のはずで、その一人に町会議員がいるとなれば疑念が生じるのは当たり前です。

 サッカー場の構想は壬生町長の一期目からあって、二期めの選挙中にそれを説明して当選したと説明。「無投票当選」だったので、選挙中に主張したことに町民が支持を与えたとは限らないので、形式的には当選しているけれど、「遠慮」というものが必要でしょう。

一時停止違反、なんで俺だけキップきる

 パチンコ店の用地取得について、場外舟券売り場の候補に上がって、そういう施設ができると困るので町が土地を買い取ったという説明もこれまでにされてきましたが、町長は、舟券売り場について町長は地元住民の意見を聞いてからでないと判断できないと説明。なんとなく容認しているような口ぶりでしたが、29日の『信毎』(23面 "「建設も間違った選択ではない」 高森町長 場外舟券売り場計画で ")も建設も間違った選択ではないと書いています。

 『信毎』は、反対意見のうち「子どもや孫に利用させたくない施設」「ギャンブルでもうけたお金をあてにする町にはしたくない」との声について、壬生町長は、町内にパチンコ店があることに言及。と書いています。つまり、反対をしている人たちは下市田地区にあるパチンコ店についてはなぜ反対しないのかというものです。

 反対の主張の具体的な部分について批判するのは構わないと思いますが、別件についてなぜ反対しなかったのかという言い草は、一時停止無視でつかまって、なぜ俺だけ捕まえると、警察官に対して不平をいうのに近いもので、町長たるものが町民の意見について言うべき言葉ではないでしょう。まあ、常識的いって。

 また、法律でも未成年の利用はどちらについても禁止されているはず。町長は法律についても批判すべきじゃないでしょう。

 すっと前からサッカーをやって来たのでサッカー場建設に賛成と発言した参加者が1名だけいました。この発言に拍手をした人が1人だけいましたが、この人がA企業の社員という可能性はないのか。

町議会は事業計画について議決できないってか?

 町議会は事業計画について議決できないと町長は説明したが、そうであれば、町民や議会に十分な説明をして理解を得たあとで事業計画を完全に立ててから、予算を出すのが筋だと思います。この点は副議長も同じ見解を、以前示しました。では、その法律的な根拠はあるのか?

 地方自治法 第96条は、「普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。」としています。よく読めば、「議決しなければならない」であって、これだけはやりなさいよと示しているだけです。1~15に掲げた事以外は「やってはいけない」とか「できない」と決めているわけでないので、町長や副議長の説明は「虚偽説明」です。地方自治体でも議会で話し合いで決めるという民主主義の原理原則がわかっていれば当たり前に分かることなんですが、その点が町長と副議長は理解できていないかウソをいっていることになる。ってことは、共産党の三名の町議以外の町会議員さんたちは民主主義とか議会について基本的な知識というのかセンスがないことになりますね。

ギャンブル市場の傾向は?

 ダイエーが経営が不振になったり、IRに米国資本が進出を見送ったりと、ギャンブルの市場規模は小さくなっているとすれば、現状でも町は日本財団などギャンブルの収益金から援助をもらっており、それがないと行政サービスができないという説明は、説得力があるとはいえません。斜陽産業からのお金を期待するというのはどうなのかと。

具体的な企業名が示されていないのはなぜなのか?

 この説明会のなかで、サッカー場などを指定管理者として管理する企業がすでに「1社」だけ手をあげていて、協議を始めているというのですが、町側からこの「1社」の具体的な企業名は示されていないし、パチンコ店の建物を買い取って町に貸すというA企業の名前も知らされませんでした。今の時期になにか知られてはマズイことがあって隠しているようにも思えます。

「嘘も百回言えば真実となる」

『高森民報』No.302 より