更新:2022/09/10

最初の工事日程

2027年開業がムリなことは最初からわかっていたはず

 リニア中央新幹線の2027年の名古屋までの開業はムリという状況です。お気づきの方もいると思いますが、当サイトでは、例えば坂島斜坑の掘削は何年何月の予定だったのにというように、どこの工事がいつ着工の予定だったのにどれぐらい遅れている、といったことをほとんど書いていません。特に理由があるわけではなくズボラだからなんですが、それと引き算がニガテなので、環境影響評価書の資料編に評価書を出した段階での工事日程の一覧があるのにいまごろ気が付きました。

JR東海 > 中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書(平成26年8月)長野県評価書資料編3 工事計画

 PDFの7ページ。「斜坑の断面は30~60㎡程度を考えている」なんて書いてありますね。

 2~6ページの地図に工事個所がアルファベットで示してあります。

 8~12ページにトンネルの掘削方向が示してあります。

 「工事工程」は、13~23ページ。

 25~28ページは「非常口を削減した場合」(24ページ)の「工事工程」。

 「工事工程」は、「1年目」、「2年目」という書き方です。例えば、「A(非常口)」は大鹿村の除山斜坑からの掘削のことですが、「1年目」~「13年目」までありますが最後は「12年目」の「電気機械設備工」まで工事が行われることが示されています。この「工事工程」には斜坑の工事ヤードの造成など準備工事期間が別に書いてないのですが、「掘削、支保工」に含まれていたのでしょうか。

 評価書の補正版は2014年8月、工事の認可がおりたのが2014年10月なので、「13年目」が「2027年」です。除山の斜坑口そばにあった釣り堀の建物の解体が2016年の7月ころから行われていましたが、掘削が始まったのは2017年4月27日でした。2016年から「12年目」は2028年。

 2017年4月27日はバックホーで斜面を1~2回ひっかいただけで、本格的に始めたのは11月に入ってからでした。準備工事を別の期間と考えて、掘削の開始の2017年11月から1年目が始まったと考えると「12年目」は2029年の11月です。つまり、よほどの幸運がないかぎり2017年時点で2027年の開業が無理なことは、JR東海はわかっていたはずです。この時期、ガイドウェイの設置はトンネル工事と一緒にやるから間に合うとかいっていましたが、最近は、ガイドウェイの設置から試運転まで含め2年は必要だとJR東海はいっています。

 24ページの「非常口を削減した場合」の「2.I地区を削減し、隣接するH・K地区で施工した場合の工事工程」(26ページ)は、「戸中斜坑を止めて、坂島斜坑と壬生沢川そばの名古屋方面の本坑口から工事をした場合」という意味です。現実にはこれと逆で、本坑口がダメになって戸中から両方向に掘削に変更し、現在は上り勾配で坂島方面に向かって掘っていますが、いずれは名古屋方面に向かって「下り勾配」で掘削することになります。

EOF