更新:2025/06/11

土曽川橋梁工事へ要対策土搬入開始、6月9日

JR東海が有害残土の利用を開始

 6月9日、JR東海が土曽川橋梁のケーソン基礎の中詰めに使う要対策土の運搬を始めました。リニア中央新幹線の建設工事で要対策土(基準値超えのヒ素を含む有害残土)を利用するのはこれが最初。岐阜の御嵩町は町内でリニアの残土の処分は認めましたが、要対策土の受入れは断りました。最終的に、要対策土の持ち込みを認めた飯田市の責任は重大です。また、長野県のリニア整備推進局の環境無視の姿勢は許されるものではありません。

 「リニアから自然と生活環境を守る沿線住民の会」(以下「住民の会」)がJR東海に問い合わせたところによれば、この日は、午後天候が崩れたので、全部で10台(5台×2セット)で合計80袋、35㎥を搬入。1袋あたりは0.44㎥。なので、ダンプカー1台に8袋。要対策土の比重を2.5とすれば、1台あたり8.8トン、この日のダンプカーの最大積載量は9.2トンだから、だいたいそんなものだろうと思います。

 全部が「小牧ナンバー」でした。

 長野工事事務所のJR東海職員によると、土のうの内側にはビニール袋があり、水がしみないそうです。角のとがった岩クズを入れるのでビニールには穴があくと思います。土のうは1回使用したら廃棄するそうです。現場の土砂を使うなら、こういう無駄も出ないはず。

 帰りのダンプカーが国道に出るとき車の列がなかなか途切れず、時間がかかるようでした。いったん左折で南に走ってどこかで方向転換をして、もと来た国道を北へ戻って行きました。ダンプカーの入口付近にずっといたJR東海の職員は長野工事事務所の所属じゃないようですが、どこで方向転換をしているのかたずねましたが、分からないとのことでした。それくらい説明しても良いだろうと思いますね。

 「住民の会」は、搬入の開始に対して、「声明」をだしました。

 現場でJR東海の職員が「声明」の受け取りを拒否したため、10日にJR東海の長野工事事務所にいき、「抗議文」を手渡しました。

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土曽川橋梁の橋脚(P1)工事の現場入口で要対策土の到着を待つ、JR東海や清水建設の職員。

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要対策土の搬入に反対する人たち。

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要対策土を積んだ最初のダンプカーが到着。午前9時34分。

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左のクレーンでダンプカーから黒い土のうに入った要対策土をいったん降ろして、右のクレーンでケーソン基礎(左の青い網で囲われた部分)内部に入れていました。

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左側のクレーンがダンプカーから土のうを吊り上げたところ。

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ダンプカーから要対策土をおろすようす。ダンプカーの荷台と手前の地面に黒い土のうが見えています。人が住む地域の中で作業が行われているのは明らかで、ここに半永久的にヒ素を置くというのは、なかなか考えにくいアイデアだと思います。

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右側のクレーンがケーソン基礎(中央の青い網で囲われた部分)に土のうを入れるところ。

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はじめのうちは、1袋ずつでしたが、あとは2袋ずつ運んでいました。

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9時54分、1台目のダンプカーが現場を左折で国道に出ていったん南に走っていきました。

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これは2台目のダンプカー。左折でも、国道の交通量がけっこう多いので、すぐには発車できません。

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2、3分して、やっと発車できました。

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発車してから約12分して、南に向かったダンプカーが方向転換をして大鹿方面に向かって戻っていくところ。

JR東海が報道機関に公開したビデオ:Youtube 信濃毎日新聞社 チャンネル :飯田で「要対策土」投入始まる(提供:JR東海)

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