喬木村の準備書説明会 (10月7日)

 リニアが明かり部で通過する長野県下伊那郡喬木村での準備書説明会(10月7日)で住民から出された質問とJR東海の回答の一部を紹介します。メモと記憶に頼っているので間違っているところがあるかも知れません。

 まず参考として、説明会の冒頭の事業者の挨拶から一部紹介します。

・・・中央新幹線については23年5月に国土交通大臣により、当社が営業主体、建設主体として指名された。同じ国土交通大臣によって整備計画がなされて、当社に対して、建設の指示がなされている。これを受け当社は、まず第一段階として、整備を進めることとした東京都名古屋市間について環境影響評価を実施することして、23年4月に、まだ未施行であった、この環境影響評価法は23年6月と8月改正されたが、まだ未施行であったが、環境影響評価法の主旨を踏まえ、概略の路線とか駅の位置を示した計画段階配慮書をだした。その後、環境影響評価方法書を報告し、24年2月には方法書に対して環境保全の見地から長野県知事の意見を受領した。当社がこの知事意見などを踏まえ、その後、環境影響評価にかかわる調査、予測、評価を進めるとともに 、路線、駅の位置を絞り込みその結果を取りまとめ、9月20日に環境評価準備書として報告、縦覧したものである。本日の説明会は環境影響評価法に基づいて実施するもの。・・・

 以下、質問のいくつかとそれに対する回答を紹介します。

[ 質問 ] (1) トンネル出口が急傾斜地崩落危険地域に指定されているがトンネル微気圧波の影響は心配ないのか。遺跡を回避することも大切だがなぜ危険地域を回避しなかったのか。
(2) 方法書の段階で説明会が開かれたが、喬木村では開催されなかった。この準備書についても他の市町村では複数回開かれるのに喬木村は1回だけだ。なぜか。地区単位の説明会も必要ではないか。
(3) 高架部分の緩衝地帯4mは落雪などを考えると狭すぎるのではないか。4mとした根拠は。
[ 回答 ] (1) 事前に地形、地質の詳細な調査を今後実施し、適切な対応ということで、落雪(注:または落石)防護、法面保護法を行なうなどして、安全に工事を実施します。完成後も、危険な状態にならないように想定して、しっかりと設計し工事をしていきたい。微気圧波については、トンネル入り口に緩衝工を設けているので出口には微気圧波の影響はない。
(2) 2年前の方法書の説明会は県内で6回開き800名以上の参加を得た。このときは、関係自治体との調整の上できるだけ多くの参加者を得るよう開催地を設定したが、必ずしも関係市町村に1回ずつ開催するものではない。伊那谷においては、開催場所が近いので、どこかに来てもらえると考えた。今回の準備書の説明会については、準備書の内容を周知するために行うものなので、開催場所、回数については多くの参加者を得るよう設定しており、十分なものと考える。工事実施計画の認可が出ると事業説明会があり、用地の関係の話、工事着手前には工事説明会と事業の進捗に応じてそのつど必要な単位大きさで説明会は行なう。その中でJR東海の考えを伝えると同時に住民の意見も聞いていきたいと考える。
(3) 緩衝帯の幅の4mについてはセキュリティー上、保守上、また環境も考えたうえでの設定で、山梨実験線の実験等から適切と判断して決めている。

喬木村は村全体が夕日の映える村

[ 質問 ]  阿島北の地籍の住民です。ルート情報を知ったのは準備書の公表の時でそれまでは何も知らされなかった。ルートの北側の51m以内の地域は、冬至のころには、1日5時間が日影になるとされるが、これは1日中日影になるということで我慢できる数字ではない。フードをとる工夫をして日照を確保してほしい。防音壁をリニア本体に取り付けリニアごと走るという発想で設計してもらいたい。法の定めにより対処すると言うが、太陽はお金で買えるもではない。少しでも日照が長くなるよう考慮願いたい。「仮に」リニアが通ったらといいましたが、喬木村のホームページには「喬木村に住んでみませんか」のタイトルがあり「椋鳩十が愛した夕日の映える村、喬木村の魅力を紹介します」というページがある。椋鳩十が子供の日々に見た夕日がそのまま今の喬木村にはある。喬木村はどこからでもこの夕日がみえるので是非住んでもらいたいと各種制度の紹介が書かれている。これは村の政策である。準備書を受け入れると、どこからでも夕日が見える村が、北の○○区域などは夕日の見えない村になってしまう。椋文学の故郷として、記念館、散策コース、墓地などを整備し、銅像もある。椋の作品の中には喬木の美しい夕日が頻繁に描かれている。椋の生地は準備書に書かれたルートの沿線だ。日影になる○○○辺りから椋は夕日を見たはず。(司会者より要点をまとめよとの声) ちょっといわせてください。喬木村の夕日は座光寺の恒川遺跡と同じように喬木村にとっては自然遺産である。一部でも夕日が見えなくなることは村の政策に反する。村の椋への姿勢を住民は了承してきた。村の政策がそうである以上、リニアは喬木村の地上を通過できないのではないか。村も毅然とした姿勢で準備書に反対の意見を述べていただきたい。(会場から拍手)

注: ○印。 地名と施設名を確認していないので伏せました。

(参考) 喬木村に住んでみませんか

[ 回答 ]  日影については、高架については構築物の最高点を基準に51mという数字を出している。しかし、実際には桁より下では、日光が入る。日照が疎外される時間は示した数字よりは短くなる。今後も環境保全措置として鉄道施設の形式とか、構造物の高さを工夫してできるだけ日影が生じないような対応をしていきたい。実際に影響が生じてしまう場合には国の補償基準に基づき補償するように考えている。防音防災フードの透明化については、強度、耐久性、安全性から樹脂製のものは難しいが研究開発は続けたいと考えている。リニアから出ている騒音は空力音(風きり音)であるので防音壁をつけて走っても防音にはならない。住民の生活や環境には十分配慮して事業を進めるつもり。今後、さまざまの機会で説明をすると思うので、また現在環境保全事務所で意見や質問に対応しているので理解願いたい。

[ 質問 ] (1) (北○○) 北○○はルートが東から西に縦断し南北に分断する。住民の気持ちが分断されることが心配。構造物ができることは仕方ないと思うが、地域住民の利便性を考え、また土地の残土地等の利用の向上を考慮していただき、リニアの両脇に側道を設けてもらいたい。
(2) 伊那谷は自然の景観に恵まれている地域だ。景観図を見ると橋脚などの設計は経済的に一番安い構造をとっているように感じる。地域の景観との調和とはほど遠いと思う。芸術的な構造を考えて欲しい。少ない地上部の中で貴重な地上部であるので景観豊かなものに設計願いたい。
(3) 北○○には優良農地がある。分断によって農機機械の利用に支障がないよう設計を願いたい。

注:「北○○」。該当する地名を確認していないので伏せました。

[ 回答 ] (1) 橋脚はよくみられるようなコンクリートのラーメン式ではなく、桁のスパンが40mあり、分断ができるだけないように考えている。緩衝帯を側道とする件については、当社の保守点検整備に支障のない範囲で個別に対応する考えがある。
(2) 橋梁のデザインについては、景観資源や視点場の改変の程度、フォトモンタージュによる景観の変化を予測して改変の影響がないことを確認した。調和の取れた新たな景観が創出されると予測した。ご意見としてはうかがっておくが、土木構造物はデザインも重要だが、安全性、経済性、施工性も総合的に考え今回提示の橋梁形式となったので理解願いたい。
(3) 交差する道路、水路については機能が確保されるように協議する。

[ 質問 ] (1) 北地区に居住。 各駅停車の場合、喬木を通過するときは車輪走行になると思う。すれ違い時の騒音はどうなのか。
(2) 日照権の補償の国の基準には移転までふくまれるか
(3) 一部だけ土地が対象になったとき、全額補償対象になるのか。
[ 回答 ] (1) 今回示したデータは一番大きな騒音の出る状態のもので、それは時速500kmで浮上走行をしているときのもの。実験線での測定からこのときが一番騒音が大きいことが確認されている。すれ違いでは、レベルは2つのレベルを合成したもので、3デシベル程度増加する。リニアは非常に高速だからすれ違い時に騒音のピークを記録する時間は少ないので影響は小さいと考える。
(2) 「公共施設の設置に起因する日影により生ずる損害等にかかる費用負担について」という準用(?)基準がある。日照が得られない時間に対する、暖房費、照明費、洗濯物の乾燥費を金銭で補償するもので、家屋移転は含まれない。
(3) 必要な用地だけをお譲りいただく考え。残地もふくめ、用地の補償については、工事の実施計画の認可をいただいたあとで用地説明会を開催する予定で、その中で具体的な内容は話させていただく予定。

[ 質問 ] (1) 北に居住。トンネルの出口近くで鉄分の多い水が出る。工事のとき機械がものを上げる時、陥没するおそれがあるが、事前に調査したか。
(2) 万一の事故の場合はどうなるのか。開口部で救出すると思う。そのあたりのことを教えてほしい。
(3) 説明会の日程をできるだけ早く連絡願いたい。リニアが通るということは名誉なことではあるが住民を損ねないような配慮と答弁を願いたい。
[ 回答 ] (1) 地質地形を把握しているかという質問だが、今回は環境影響評価のための地形地質の調査で、今後、詳細な工事計画を立てるが、施工方法、設計のための地質地形の調査をする。そのために地元に立ち入ることもあるので協力願いたい。調査内容は地元の説明会で知らせるつもり。
(2) 自動運転システムは地下鉄などで実績があり安全性には問題ないと考える。システムが故障しても別に保安制御システムが常に列車位置等を監視しているので万一の時でも停止できる。保安システムは二重系化しており、フェールセーフ設計であやしい時には止めるという思想のコンピュータを導入しているので、新幹線同様の安全性が確保されている。交通省の超伝導リニアの実用技術評価委員会で評価されている。リニアのブレーキは新幹線と同様以上にしてあり、回生ブレーキの他に、複数のバックアップブレーキを装備して、ブレーキ力、信頼性を確保している。
(3) これまで報告できることは適切な時期に報告している。今後、認可が得られたときには、事業説明会、用地説明会、工事説明会と事業の進捗に応じ説明する予定。より小さな単位、関係者対象の説明会もあるので、理解願いたい。地元の理解なくして工事計画は進められない。安全の確保、生活の保全を第一に考えながら事業を進めさせていただきたいと考えるので今後ともよろしくお願いしたい。

まるで人柱

[ 質問 ] (1) 飯田市在住。駅位置の絞込みについては自治体の要望に配慮すると書かれているが、報道によれば、恒川遺跡を避けるために、当初の位置から南に移った、それは飯田市の希望を聞いたと理解しているが、それがなければ、ルートが豊丘にいったのではないかと思う。要望に配慮するという自治体とはどこのことか? 飯田市だけのような印象を受けるが、喬木、豊丘、高森の要望を聞いたのか?
(2)これで決定であれば、飯田市の要望によるということであるなら、喬木の北の地区については、側道とかの要望も出ているが、他の地区より特に要望を聞き優遇するようにして欲しい。他より手厚いことをして1日も早くリニアを通して欲しい。
[ 回答 ] (1) 駅位置の絞込みについては、路線を絞り込んでから、技術的に可能な位置(1kmの直線の長さ、水平な地形)、地域の利便性、地域の要望を考慮する。要望は飯田市からでなく長野県からのもの。リニア中央新幹線建設促進長野県協議会の決議としてH24年11月の決議内容で、飯田線との乗り継ぎ、国道中央道とのアクセス、駅周辺に自家用車バスタクシー・・・、水源の回避、文化財の回避、文化財については恒川遺跡と近傍の古墳群、そういったことに配慮した。市町村にヒアリングしているが飯田市からは国の史跡に指定を申請するということは聞いている。
(2) 側道については、緩衝帯については地元の要望については協議に応ずるつもり。支障ない範囲ではかまわないという考え。

注: 地上の構造物ができる、用地買収にかかる地域はどこでも同じはずです。質問者のスタンスに違和感を覚えます。それは、質問者の心底にあるであろう、喬木や豊丘や大鹿に、いわゆる「飯田」の犠牲になって欲しいという手前勝手な気持ちにたいしてです。


リニアの必要性と公益性

[ 質問 ]  北地区在住者。発表された路線を見たとき夜も眠れずに今日まで過ごしている方が多くいる。毎日不安な日々を送っている。何の前触れもなくいきなり、最近の予想では北を通るだろうと言われていたが、そのような中で、十分な説明会を行なっているような話だが、決して十分とは思わない。できれば北自治会をもつコミュニティで準備書の説明会を開けば多くの意見、またここに出席していない人の意見も聞けるのでないかと思う。(工事前の説明会が開かれるのが)認可されてからということだが、心のケアの方も是非行なっていってもらいたい。
 日照権について山梨の例があると思うが、どういう補償をしてきたのかその実績を答えていただきたい。
 路線の中には反対する人もいると思うが、最後に土地収用法の適用が行なわれるのか
[ 回答 ]  (沢田) 山梨実験線で高架橋、防音壁、防音フードで日陰になるところがあった。こちらについては国の基準に照らして補償している。農地については、日影になった分減作となったというデータが取れて補償した実績がある。
 ルートについては事前に情報が出ると、無用な憶測や混乱を招くということで、ルートについては一切外に出していない。自治体に対しても、ルートを発表したのは9月18日、20日がはじめて。たしかに報道で、噂めいた話が出ていたことは承知しているが、私どもが発表した内容ではないことを理解願いたい。ルートが北から南に移ったという発言があったが、途中でどちらか(注:"の自治体に"という意味だろう)にいってこっちからこっちに移したということはない。9月18日に示したルートがはじめてのものであることを理解願いたい。
 準備書の説明会はなるべく多くの方に来ていただきたいということで、席を見ると大勢の方に来ていただいたので、こういった会場や時間帯でまずは適当だったと思う。もう少し小さい単位でという意見があることは承知しているが、準備書の説明会としては今回の12回と考えている。沿線住民の方におかれては、ルートについて疑問、心配がある方が大勢いると思う。それについては、準備書の説明会が終わってから、具体的に工事の説明会は決まっていないが、事務所を構え社員がおり対応できるので遠慮なく問い合わせをしてほしい。
 (奥田) 中央新幹線の建設事業は土地収用法の第3条に該当する公共事業で、土地収用法の適格事業になる。しかし、当事業の必要性、それから公益性を地権者の皆様にしっかり説明し、当事業に対しご理解いただけるよう進めていきたいと考える。

注: 「必要性」とか「公益」という言葉が出されたので次のことばを参考として引用しておきます

公共事業、それは理に叶い、法に叶い、情に叶うものでなければならない。 そうでなければ、どのような公共事業も挫折するか、はたまた、下筌(しもうけ)の二の舞をふむであろうし、第二の、第三の蜂の巣城、室原(むろはら)が出てくるであろう。(室原氏の随想「下筌ダムと私の反対闘争」より

子供の通学路が遠回りに

[ 質問 ]  北○○在住。子供の通学路が工事箇所を通ることになるが、現在でも通学に約1時間かかる。工事箇所を避けるため、遠くを迂回することは子供の足では影響があるので、それも含め安全対策を十分にしてほしい。幅22mでかなり長い距離にわたり、夜間帯等に人のいない場所ができる。家の目の前である。いろんな人がそこを通るということは、最近は物騒なことも多く、治安の意味で、柵をするなどそれに留まらず、先のことではあるが、なにか考えているのかあげていただければ安心できるのかなと思う。
 10年ちょっとかかりリニアが完成して後、書類では、基準値内ということでアセスメントはとっているが、これは予測値だと思う。実際に運用されてからあと、あそこが違ったここが違ったという話が出ると思う。例えば、伊那谷は、谷で細く長い地形であり、天竜川の向こうの線路(飯田線)を走る電車の音が川のこっち側で天候によっては聞こえたりする。騒音なども数値としては基準値内とはいっても、露出部分に限られるのか知れないが、天候などにより、基準値内に収まるものか不安に思う。車輪の出ることで出る騒音や、構造の経年劣化の問題もあると思う。完成後に出る問題を住民が申し出て受け止め調査する窓口を考えているか。
 9月18日にいきなりここですよといわれても、新築された方とか、新しくお店を作られているとか、ソーラー発電の施設を作られたとか、その方たちが線路の日影の中に入ってしまう。5ページの図を示して影の長さは最大の高さに基づいた値で、実際には橋脚の間については必ずしもそうではないという説明だった。暖房費、洗濯ものの乾燥費は払うので許してもらいたいというのはそれらの方々にとっては納得できないだろうし、太陽をあてにしたソーラーの場合は暖房費などといったものではないので、そういった面の補償も考えて欲しい。

注: ○印。 北という地籍は手元の地図で確認できましたが、それに続く地名の確認をしていないので伏せました。

[ 回答 ]  (沢田)中央新幹線の実現に向けては、環境の保全、住民の安全、これらに十分配慮しながら計画を進め工事を行なっていくことが大変重要であると認識している。通学路については、工事エリアについては、しっかりと柵をして隔離して、子供が不用意に工事現場に入り危険なめにあわないようにしたい。また、ソフト対策としては、主要な交差点、工事現場の出入り口には交通誘導員を配置して、地元車、歩行者、通学、通勤者を優先で誘導していきたい。作業員についても、こういったことをしっかり指導して工事に従事させるつもり。
 (奥田)騒音に関し、今回予測したが、その後に調査があるのかという質問と受け止めて、今回の予測については、事業計画、地域特性を考慮して予測している。環境保全措置を検討した結果、予測および環境保全措置の効果についても不確実性がないということで、山梨実験線での実測値をもとに予測をしていると、また予測結果についても、山梨実験線での状況と整合性もとっているので、予測の乖離性(?)はないと考えるので、事後調査という形では調査を行なうことは考えていない。もし、状況が違うということで弊社に物を申したいという話があった場合は、完成後もメンテナンスということで、地域には当社の社員がはりついている。それは(現在の)新幹線でも同様で、また環境については(現在の)新幹線では環境管理という窓口があり話をうかがう体制がある。リニアについても同様の体制を考えている。
 (沢田)日照、用地の残地などについては、今の段階では、公共工事にかかわる用地の取得にかかわる基準とか、日照の補償にかかわる基準があるので、今の段階では、そういう基準に対応してきちんと対応していきますということを申し上げるのが現在の状況でありますことをご理解いただきたい。そうはいえ、実際にはじまってくると特別の事情の出てくる方もあると思われるので、残地とか、ご自宅に特別のご事情があるとか、それは出てくると思う。それについては、今後、用地の交渉の手続きの中で個別にお話しさせていただくように考えているが、今の段階で、そういったことについては補償できるできないというということは、具体的に用地の幅を測量していない段階ではいえない。
 ルートの発表について、事前に御宅の近くを通るかも知れませんよと前触れしてルートを発表するというやり方が適当とは思っていない。これは、無用な心配、憶測、混乱を招くだけなので、JR東海として社内できちんと決定したものをだす、途中でここかも知れないという事をだすことはしない方針でやってきて、今回はじめてだすことになった。寝耳に水という表現もあったが、当社としてはこれがベストだと考えるので理解願いたい。

フォトモンタージュ手法はトリック

[ 質問 ]  北地区在住。天竜橋梁は交差角度は60度以上を保つという設計とのことだが、より少ない角度で交差すると、水害の元になるとかそういう条件かと思うが、現在予定されている地籍というかあの河川の過去の最大の出水量は何トンか? 最近は、災害が起こると想定外ということが言われるが、設計に用いた最大の出水量は何トンか。
 イメージ写真をみると現在の景観と調和の取れた新たな景観になるものと予測すると、非常にいい言葉が書いてあるが、小さい頃から地元に育ってきた私達にしてみれば、「コンクリートの塊が」と、そういう認識だ。決して、まだ反対だということは無理だと思うが、そこで提案だが、橋脚のデザインについての提案があったが、高架橋の橋脚間の間隔が平均40mとのは話だったが、ところが、18ページの図でみると、天竜川を渡る500mの橋は3本のピアーで渡る。そういう構造物を平地領域においても採用できないか。工事費は高騰すると思うが、若干部分であれば料金に反映してもよいのではないかと思う。そのために地元の住民が辛抱するということはできないと申しあげたい。
[ 回答 ]  天竜川で過去にどれだけの水がでたか、現段階では河川管理者とそういった話はしていない。ルートが確定したので、これから河川管理者とか地域の自治体からどこまで水が出たかということを聞いていくが、橋梁を設計なり工事をやっていく場合には、天竜川のような大きなきちんと整備された川だと、計画の高水位が設定されているので、これ以上の高さに作れといったものがあるので、橋梁に限らず堤防についてもそういった基準となる水位があるので河川管理者、国土交通省から情報を得て水害に対する備えをやっていく考え。
 景観については、構造物を作って行く場合、まず安全性を第一に考える。それから施工性、経済性も考えていく。天竜川のような大きな河川では足の数を多くできないという事情があるので、河川管理者とこれから協議していくが、私ども案としてこういう例を示している。通常の住宅地に、長い橋梁を建てることはできるが、写真ではお分かりいただけないが、1本の柱自体がかなり大きくなっていくとか、長いスパンを桁で飛ばすので桁自体が断面が非常に分厚い厚さになってしまうとか、そういったことがある。景観、安全性、経済性を考えて、現状の約40mのスパンが平地においては最適と考える。

注: フォトモンタージュ手法で示している写真は、広角レンズで撮影された写真を土台にしているので、写真から大きさを正しく理解できません。橋脚も桁も写真ではスリムに見えます。フォトモンタージュ手法がトリックまがいであることを、正直にも白状しています。準備書で示されたイメージ写真では、実際に完成したときの威圧感とか圧迫感はわかりません。


[ 質問 ] 飯田市在住。 騒音とか振動とか説明を受けたが実感がわかない。希望者を山梨の方へ視察ということで連れて行ってくれるような予定はあるか。
[ 回答 ]  私どもの方で住民の方を案内する予定はない。この夏から、実験線で、新しい車両で走行試験をしており、日程など案内しているので、山梨へ行っていただければ見ていただく機会はあるが、私どものほうで住民の方をお連れすることは考えていない。

(2013/10/17)