阿智村社会環境アセスメント委員Mさんの感想

https://twitter.com/shujimorita(2016年2月5日)

 JR東海リニア事業の村に対する影響を社会科学的に調査した阿智村社会環境アセスメント委員会の報告が終わった。具体的に大型車両が増えた場合のシミュレーションによってどの程度負担が増えるのかというデータと、村民や観光客の声を拾いあげたデータ。という二つのデータができたという事です。

 社会環境アセスの報告に対し村のリニア対策委員の一人から「綺麗事を並べるだけで、結局は仕事丸投げじゃないか。」という批判があり、確かに、実際の仕事はこれからです。交通量データが出ても、それに対して声が上がらなければ意味は無く、村民や来訪者の声が可視化されても、無視すれば終わりです。

 国家的プロジェクトといいながら国全体での広範な議論も無く一私企業の私益事業が独断的に既成事実を積み上げる形でごり押しされるなか、村が、自立した地方自治体として向き合う上で、村民や事業者それぞれの当たり前の主権をどこまで守り抜けるかは、これからのそれぞれの取り組みにかかっている。

 村に関わる人々の「声」がはっきりと形とされた事、またそのような「声」を今後も出される上で材料となる客観的な交通量予測データが形とされた事は、もし地方自治・国民主権・民主主義などの概念がまだ生きているならば、JR東海と直接対峙する役目の人にとって責任も伴いつつ大きな力になるだろう。

 理不尽な進め方する相手の独善を一つ一つ指摘してあらためさせることは、人間どうし対等な関係を作っていく上でとても大切だ。それをせずに屈服するということは、どこまでも屈服するという事。住民自治という概念がこの村で本当に生きているのかどうかがこれから問われます。