法政大学SJ、留学生のレポート発表から(2016年9月7日)

リニアについての発表の要点

飯田を訪れるにあたっての事前学習で鉄道について学んだ中にリニア新幹線の名前が挙がり、新しくできるものについて、推進派と反対派の意見を聞きたくてこのテーマを選んだ。リニア新幹線では全線の86パーセントになるトンネルの工事が一番重要な問題点。なかでも南アルプスのトンネルは長さや深さでは一番。そこから疑問が生じた。

(1)残土の処分の問題。反対派:残土の処分地は決まっていない状況。推進派:残土の処分地についてはJR側で調査中だがなかなか進んでいない。

(2)環境問題。南アルプスの生態系は?。推進派:JR側といっしょに調査しながら、調整したい。反対派:トンネルを造れば、地盤が変わってしまい地下水量も変わるはずなので南アルプスの生態系は変わってしまう恐れがある。

(3)安全性。時速500㎞で走るため事故などのとき対応が難しいのではないか?。推進派:非常口を適切に設置する。反対派:地震や、トンネル内壁が脱落するなどの事故が起きたら、運転士のいないリニアの乗客は、乗務員だよりで、暗いトンネルを2㎞以上歩いて地上まで行かなくてはならない。

(4)工事中に起きる影響問題。推進派:住民に悪影響を与えないように調査をしている。反対派:豊かな自然をダメにしてしまって観光や移住などで飯田に来たいという考えをなくすのではと心配。

人間は確証のない新しいものに不安を持つのは当然。特にリニア中央新幹線のように、速く動く乗り物については不安を持つ。よい側面について、市役所のリニア推進課で聞いたが、まだ計画中のためということで、はっきりしたことは聞けなかった。関係ない人でも豊富な情報を知ることができるようになってほしい。

質疑応答の一部

質問者A:リニアは利便性があるから造るのだろうと思う。その良い点をはっきりさせてもらうとよいと思う。問題点が中心だったが、こういうところが良くてリニアは造るんだよと。例えば東南海地震が起きた時に新幹線や高速道路が被害を受ける。そういう時にリニア新幹線が役立つんだと。関東と関西を結ぶ素晴らしい交通路になるのだという話も聞いた。飯田市としては、飯田下伊那の地域としてはどんないいことがあるのかということを発表していただけると良いかと思う。

回答:推進派の方たちに聞きましたが、今計画中なのでということで、何も言ってくれなかったんです。それで推進派の方たちの内容が少なかったかなと思います。すみません。

質問者A:安倍総理が景気浮揚策としても考えて7年くらい大阪まで早くできるように前向きにこれからやっていきたいと言っているが、その件に関して現状はどうなっているのか?

回答:正直いって、何を質問しても、今計画中で話し合っていると言われて、資料はたくさんもらったのですが、計画中だけのことなので、それで、反対派の方たちと比べることができるか、今は良く分からない。

質問者A:私も含め地域の人たちは良いところをもっと知りたいのです。ボヤッと分かってはいるが、良いところがはっきりすれば、地域の人もみな大賛成で、問題点も早く解決して作っていただきたいという気持ちがもりあがってくると思う。また今後も研究してみてください。

高柳先生:プラスの面については、市役所のリニア推進課で簡単に概況を説明していただいたおりにも、二重線化(二重系化のこと)、二つできることで東海道新幹線がいろいろな理由でダメになっても安心だというようなことを第一の利点ということで強調されていました。

質問者B:短い時間内で、こうなったら良いとかいう予想の問題ではなく、今現に起こっている問題について非常に手際よくまとめていただいて非常に参考になりました。

(2016/09/08)


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