更新:2020/11/20

第22回豊丘村リニア対策委員会

 豊丘村リニア対策委委員会、11月19日の19時から役場南続きの健康福祉センター2階で開催されました。

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委員の座席の配置が「密を避ける」ため円形でなく、教室型になっていました。

 冒頭の下平村長のあいさつ。県内駅の位置がJR東海が最初公表したものから変更されたが、今の位置より、変更前のほうが200世帯もが移転しなくてもよかっただろうに、用地取得ももっと容易だったろうに、よほど飯田の丘の上(中心部)に近いところに駅をつくりたかったんだろうと。2027年開業は無理だけれど、今回の委員会が第22回で、第100回までにはリニアはできるんじゃないかなど、なにか上機嫌でとりとめのない感じの長い挨拶をなさいました。

 JR東海と中電の報告は、7月豪雨で工事現場に行くまでの道路が被害を受けており、復旧中という点が共通。つまり工事は遅れている。また、キノコの止め山の関係もあって、意外にのんびりやってるみたいな印象でした。

 委員からの発言(質問)は1つだけ。残土置き場の地権者の本山地縁団体の会長H氏から。いわく、安全とは言えない残土盛土を引き受けるのはリニアのためなのだから、JR東海は将来の管理や土地の取得について地元との協定書を結ぶように要望する。危険なことがわかっているなら、そういう指摘もうるさいほどあったのに、受け入れなければよかったはず。

 JR東海に土地を取得してもらう時期は埋め立て工事が完了してからと考えているようです。工事がちゃんとできたかどうか確認してから買い取らせるつもりだそうです。現在提示されている設計図もかなり怪しいのですが、それが理解できていないのに工事がきちんとできたか確認できるのかどうか。JR東海が今すぐ取得しておれば、工事中の災害についてはもちろん、工事後についても一方的にJR東海に責任が問えるのに。工事がきちんと行われたのを確認したので売りますでは、少なくとも道義的には、責任の一端を本山地縁団体が負うことになると思います。リニアの利益は受けたいけれど、迷惑なものは困るという考えでよいんじゃないでしょうか。きっとどこかに受け入れ先はあるはず。ないとすれば、リニア計画がそもそも無理だということです。

 異議意見書はすべて却下されたのに本山の保安林指定解除はまだ正式に発表されていないようです。林野庁もJR東海がギブアップするのを待っているのでしょうか? 制度を維持する各部署が疑いをもたれないようなきちんとした仕事をして、計画に支障が出るとすれば、計画に無理がある場合だってあると考えなければならないと思います。

関連ページ:異議意見書

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高森町の旧蘭ミュージアム付近から見た豊丘村。本山の残土置場は本山の後ろ側。建設中の豊丘村上佐原の中電のリニア変電所が見える。

 長野県は用地交渉の状況について報告。ルート上で全く交渉ができてない場所があるようです。実はあります。

 さて、帰路たまたまあった方から聞いた話。壬生沢川の橋梁の橋脚を建てるために川の流路を変える話が出ているそうです。全長約500mに約10本の橋脚を建てる計画。川幅は約100m以下なのに斜めに渡ろうとするので500mにもなる。流路変更のためには岸辺の私有地の改変が必要なのに地権者の意志が固く用地交渉がまったく進まない状況。村長さんが話されたとおり、JR東海のもともとの計画ではルートはこの場所ではなかったはず。

 何か新しい進展がない限りは、次回第23回は来年の4月以降にしたいと村の事務局から提案がありました。