[ 南信リニア通信 ]

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2021年 9月29日提出(HTMLに変換)

「中央新幹線天竜川橋りょうほか新設工事における環境保全について(天竜川橋りょう工事)」に対する環境保全の見地からの意見

(1)42ページに瀬替により、増水時に流れる水の範囲が「図参1-1(1)」に示してあります。5月21日の大雨では、左岸側の河川敷内に仮堤防で囲ってつくる計画の工事ヤードの範囲のかなりの部分を水が流れていました。42ページの「図参1-1(1)」瀬替えや準備工事で、「この工事ヤード」をさらに上流側に延長して復興記念碑のある付近まで河川敷を高く造成した部分がありました。8月14日~15日にかけての大雨で国交省の危機管理型水位計のある場所まで流失しました。「この工事ヤード」部分に相当する程度の面積は残っており、流失した部分が「犠牲」になって「この工事ヤード」部分を守った形なのかなとは思います。しかし、流失した土石と同等の体積の土石が、この工作をしなかった場合に、移動・流下しただろうかと思います。その差、あるいはこういう工事の仕方が妥当なのか、そのあたりを次の環境調査報告で明らかにしていただきたい。また堤防の中段より水位が増えた場合、堤防との間に堤防南端の河川敷内のヤードの入口付近までにかなり深い(背丈以上)水の流れができます。つまり増水時に流れる水の範囲は「図参1-1(1)」の範囲より左岸側についてはより広範囲であり、想定が過小だったのではないかと思います。

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(2)8月のお盆の大雨で右岸の阿島橋下のマレットゴルフ場が2003年以来の冠水をしました。8月の大雨より降雨量の多かった2020年の7月豪雨では冠水していないわけで、今年行われた橋梁建設のための瀬替えに原因がないか明らかにすべきだと思います。瀬替えの結果、流れが右岸側に押される形になっており、阿島橋付近で右岸が攻撃側となり、このあたりでは南大島川からの流れ(マレットゴルフ場の東側の縁を流れている)に、増水時には本流の水が流入すると思われます。マレットゴルフ場は河川敷内の施設とはいえ、瀬替えにあたってマレットゴルフ場の冠水の可能性について考慮されたのか疑問です。

(3)環境影響評価では「人と自然との触れ合いの活動の場」という項目があって、天竜川橋梁に関連した調査地点「天竜川親水施設」について、「カヌーやウォーターチューブで利用される範囲は、高森町から豊丘村、喬木村、飯田市にまたがっている」としています。調査地点「風越公園」については利用の状況について「釣り客が見られる」という記述がありますが、環境影響評価では天竜川の釣り客について考慮されたように見えません。9月27日に「釣り人のみなさまへ」というJR東海と橋梁工事のJVの名前の立札が右岸で2カ所、左岸に1か所設置されました。「壬生沢川~小川川の間で、中央新幹線の橋りょう工事を行います。工事中は、大変危険です。魚釣りはご遠慮願います。」と書いてあります。立札の図示によれば、壬生沢川から小川川の範囲の右岸側、左岸側の河川敷全体が対象地域になっています。この秋から来春に工事を行うのは左岸のはずです。注意喚起のためと思いますが、危険な範囲がこれほど広範囲に渡る工事をするのであれば、河川敷に立ち入ることも危険なわけで、当然カヌー等川の流れを利用する活動も「遠慮すべき」であろうと思います。流域の周辺自治体への情報の徹底が行われているように思われません。また、この立札に下伊那漁協の名前が入っていません。漁協やカヌー協会などにもきちんと連絡すべきと思います。

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