出来事・ニュース:2021年10月

[終了] 10月14日 飯田市公民館・市民大学講座第3講。「三六災害から地域の防災を考える -三六災害の状況と飯伊で起こりうる災害のメカニズム-」、講師:飯田市美術博物館専門研究員・村松 武さん。会場飯田市公民館、時間19時~21時。"近年、気象状況の変化から全国的に災害に見舞われています。今年は、伊那谷を襲った豪雨災害「三六災害」の発災から 60 年。当時の災害の状況や当地域の地形などの特徴から災害のメカニズムや防災について考えていきます。 " 。詳細は:飯田市公民館


10月31日(c) 30日、下伊那郡根羽村から山梨県甲府市の間で狼煙リレーが行われる(『南信州』"【飯田市・下伊那】恒例の「狼煙リレー」開催 信玄生誕500周年記念で過去最多となる27市町村"、『中日』13面 "山梨まで のろしでつなぐ 飯田などで信玄狼煙リレー"、『信毎』"のろしリレーで300キロ 根羽→甲府 過去最多の経由地")。午前11時に長野県と愛知県境の根羽村杣路(そまじ)であがった狼煙が約300キロ離れた甲府市の武田神社に到達したのは2時間20分後の午後1時20分だったそうです。通信できる情報量はすごく少ないですが、人が直接移動して情報を伝えるより通信で伝える方が速いことは、昔からわかっていたはず。現在はもっとはやい速度で大量の情報を送れるのに、頻繁に人が移動して情報交換するのが必要と思うのは古臭いです。狼煙は光通信(毎秒30万キロ)ですが、中継点の作業に時間がかかります。

10月31日(b) 『赤旗』12面 "総選挙 変える選ぶ:共産党提言は「頼もしい」 「リニアから住環境を守る田園調布住民の会」代表"。

10月31日(a) 『信毎』31面 "トンネル崩落事故を陳謝 JR東海副社長 「原因究明する」"。

10月30日(d) 中津川、瀬戸斜坑の事故についての記事:『赤旗』15面 "JR東海に原因究明要請 リニア工事死傷 もとむら・しまづ比例候補ら(web版)"、『南信州』8面 "リニア崩落事故で 山岳トンネル掘削中断 沿線からは検証求める声相次ぐ(web版)"、『信毎』37面 "岐阜リニア工事事故 死因 外傷性ショック"、『信毎』3面 "上伊那地区期成同盟会 「安全第一に事業推進を」 崩落事故など念頭に注文"、『信毎』7面 "社説:リニアの工事 安全対策に過信はないか(web版)"。

10月30日(c) 『中日』17面 "整備対策チーム 阿智村が発足へ"。

10月30日(b) リニアのトンネル工事で基準を超えるヒ素やホウ素を含んだ残土が出ています。長野県がこれらの要対策土の最終的な処理方法について早期に具体的に示すよう求めたようです(『SBC』29日19時40分 "リニア新幹線工事で土壌から有害物質・県が「最終的な処理方法の早期具体化」求める 長野・大鹿村")。記事では、大鹿村内のことを言っていますが、豊丘村でも出ています。/『信毎』3面 "JR環境調査 水循環など結果に変化なら 県、工事の影響か解析求める"、『南信州』8面 "隣県の実施状況記載求める リニア関連工事 環境調査へ県が助言"。 ⇒ 長野県 > "リニア中央新幹線関連工事に係る令和2年度における環境調査の結果等に対する県の助言をJR東海に通知しました(2021年10月29日)" > "助言(別紙(PDF:194KB))"。

10月30日(a) 「東濃リニア通信(30日)」によれば、共産党の本村伸子さんが、瀬戸斜坑の崩落事故について、JR東海リニア岐阜工事事務所に申し入れをしたそうです。 ◆リニアの山岳トンネル全てを止めるといいますが、今日、明日、明後日止めるだけで、「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」に沿った施工がなされているかチェックするだけ。 ◆やりとりの中で、同じ中津川市内で前回、崩落があったリニア中央アルプストンネル(山口) 非常口トンネルの地上部土砂崩落では、ガイドラインには沿っていたけれども施工方法が適切ではなかったと判断。山口工区の崩落の際に、施工方法が適切か全部のトンネルチェックしたのかと質問すると、今は、わからない、とのこと。 ◆山口工区では、ガイドラインは守っていたけれども崩落が起きました。ガイドラインを守っているかどうかチェックするために3日間だけ止めるということだけでは不十分だと思います。。「ああいえばこういう」という感じですね。ガイドラインに沿っていたかどうかチェックするというのは、もうガイドラインに沿って作業が行われなかったという現場に責任があったという結論を決めていることになります。事故防止のための対策の第一は、事故直後に原因をきちんと調査することだと思います。東山トンネル(四徳渡トンネルと仮称されていた)や山口の事故では、JR東海が現場に作業を急がせたのではないかとの声もありました。 詳細は ⇒ "JR東海リニア岐阜工事事務所に申し入れ"

10月29日(e) 28日、移動知事室の一環として南信州地域戦略会議が飯田市で開かれ、阿部守一知事は、リニア開業への課題となる静岡県の対応については「民間が大部分を出資する事業で他の新幹線整備とは異なるが、政府がしっかり進める努力が必要だ」とした。 また、「リニアは夢のあるテーマだが、まだ描ききれていない部分がある。一緒にビジョンを作り、それに向かって住民とともに力を合わせて取り組んでいける体制をつくっていきたい」と述べた そうです(『南信州』2面 "コロナ対応とリニア時代 移動知事室 戦略会議で市町村長と語る")。工事が始まって5年以上たつのに…、なんと無責任なオコトバと思います。『南信州』の1面コラム「日言」は、衆院選第5区の候補の「キャッチフレーズ」を並べて紹介しています。両候補の主張の中で、「リニア」というコトバは、一方の候補の主張の一番最後に「三遠南信道やリニア中央新幹線の整備」とあるだけです。アベノマスクが沢山残っているなど会計検査院が今の政権の無駄づかいを見つけたというニュースが最近は新聞がほぼ毎日取り上げています。たまたまなんですが、安倍さんの経済成長戦略に入っていたリニアを巡っても、マイナスのニュースが続いています。候補者や政党の主張をいろいろな分野について比較して判断するより、今回の選挙では、続投続きでお疲れの自公から政権担当者を変えてみるという考え方もあるのかなと思います。

10月29日(d) JR東海の2022年3月期の予想が2年連続で赤字についての記事:『中日』8面 "JR東が2年連続赤字へ"、『南信州』1面 "2年連続の赤字予測 JR東海 コロナ回復遅れ下方修正"、『信毎』8面 "22年3月期予想 JR東は引き下げ 2年連続の赤字に 緊急事態宣言長期化で"。

10月29日(c) 『南信州』の1面 "飯田市「黒田工区」 来月に残土搬入開始 確認書締結しヤード造成へ"。今日この日に1面トップにのせるべき事実(5W1H)がないと思いますが、載せているのは『南信州』として意味があると思ったからなのでしょう。ヤード造成で「約2500万立方メートル」の切土をすると書いています。JR東海による 「環境保全計画」(p5) によれば「約2500㎥」。

10月29日(b) 中津川のトンネル崩落事故についての新聞記事:
(1)瀬戸トンネル以外のトンネル工事でも2~3日程工事を中断し安全対策をはかるというが、事故原因の究明がまず必要と思う。2~3日でできることではない。(2)工事計画に大きな影響はないとのJR東海は説明はワンパターン。事故のを軽く見ている。(3)「肌落ち」はJR東海が説明に使った用語で、新聞は記者自身の普通の分かりやすい言葉で分で具体的に説明すべき。(4)『中日』(核心)、崩落事故がすでに3回目になるのにJR東海の説明の不十分を指摘。(5)『信毎』(焦点)は、『中日』(核心)と同内容以外に、大鹿村関係者や飯田市長などの反応を書いている。

10月29日(a) NHK第1の6時45分ころからの「マイ!Biz」で経済学者の金子勝さんが登場。日本の賃金が上がらない理由について解説。その中で政府の経済成長戦略のすべてが上手くいかなかった例の一つとしてリニアをあげていました。衆院選長野5区では、選挙戦ではリニアの問題について、自民の候補もこれまでの選挙の時のようには積極的に訴えていないように思えます。飯田市長選や飯田市議選以降、リニア推進派は選挙で訴えてプラスになることはないように思えます。夢と現実は違うということですね。逆に静岡のように、ルート変更や中止が視野に入るような場所でしか争点にならなくなってきている。大深度シールド工事の被害が出ている東京もそうかも知れないです。2011年の中央新幹線小委員会の答申へのパブリックコメントは大半の意見が計画の中止を求めていましたよ。

10月28日(d) JR東海の22年3月期の赤字予測連続のニュース:『信毎』8面 "JR東海 300億円赤字 22年3月期 旅客需要 回復遅れ"、『日経』15面 "JR東海、2期連続赤字 今期、出張利用手控え続く"、『中日』3面 "JR東海 2年連続赤字に 通期予想修正 回復「2カ月遅れる」"。

10月28日(e) 27日の岐阜県のリニア工事の瀬戸斜坑の事故のニュース:『信毎』39面 "リニア工事崩落1人死亡 中津川 トンネル内 発破中 1人重症 「情報提供と再発防止を」 南木曽町長"、『中日』1面 "リニア工事崩落1人死亡 1人骨折 中津川のトンネル"、『日経』47面 "リニア工事で崩落 岐阜・中津川 作業員1人死亡"、『朝日』31面 "リニア工事 崩落1人死亡 別の1人搬送 岐阜のトンネル"。「地質navi」で見ると、斜坑口付近は花崗岩の上に段丘堆積物がのさった場所で掘り進むと花崗岩とか流紋岩のような固い岩の部分になるようなところを掘っていたようです。ヤードの造成では巨石が多数出てきて工事が難航したそうです。『NHK NEWS WEB』10月28日 19時18分 "【詳細】リニア トンネル工事事故 何が起きたのか?原因は?" で大阪大学の谷本親伯名誉教授(トンネル工学)は、「事故のあった非常口は、固い地盤の上にさまざまな堆積物が重なっている場所で、固い地盤に至る手前の壊れやすい強度の弱い層で工事を行っていた可能性がある」と指摘 しています。『信毎』(web版) "リニア掘削工事 一部中断 県内関連6工区 中津川の崩落事故受け"、に掲載された現場の写真を見ると吹き付けコンクリートがほどこされた部分(切羽手前左上、アンカーの打ってある先の部分)まで崩れているようです。この斜坑は下り勾配で掘削しています。

10月28日(d) 下のNHKのニュースと同じようにリニア計画の現状ついての記事ですがやや批判的な内容の記事が『信毎』の1面と3面に:"懸念抱え 県内着工5年"(1面、以下3面)、"リニア工事 影響身近に 県内着工5年 ダンプカーが生活圏走る松川町 「安全運転を」見守る住民"、"駅周辺 200世帯移転する飯田市 補償「納得いかぬ」声も"、"南木曽 掘削開始見通し立たず"。

10月28日(c) NHK第1で朝7時のニュース:『信州 NEWS WEB』7時6分 "リニア中央新幹線 駅の関連工事 年度内開始へ JR東海"。このニュースでは「5W1H」がそろっていません。JR東海がそのような意向を示したのはいつでしょうか。つまり、最後の リニア中央新幹線の建設をめぐっては、県内では先月から大鹿村で本線トンネルの掘削が始まるなど、開業にむけた動きが本格化しています。 が伝えたいのでしょう。選挙対策ですね。NHKはどの候補の側にいるのか分かりませんが…。

10月28日(b) 中津川市内のリニア新幹線の「瀬戸トンネル」の斜坑の工事現場で崩落事故があり、2名が死傷(『NHK NEWS WEB』28日0時37分 "リニア中央新幹線 トンネル工事現場で崩落事故 1人死亡1人けが"、『岐阜新聞』27日23時46分 "リニア新幹線工事で崩落 作業員2人死傷、発破中"、『岐阜新聞』28日0時2分 "崩落現場は非常口トンネル70m掘り進めた地点 発破後の点検中に巻き込まれたか リニア工事2人死傷事故"、『岐阜新聞』28日0時35分 "死亡したのは44歳作業員 リニア工事で初の死亡事故 JR東海「原因を調査」")。

10月28日(a) 『デモクラシータイムス』(27日) "選挙に行こう! 2021年10月31日は衆議院選挙"。自民党は、あらゆる成長戦略が破たんしたということですよ。安倍さんがあげていた、原発輸出。イギリス、トルコ、ベトナム、みんな失敗ですよね。それから、カジノ、リニア、それからインバウンドで東京オリンピックだったんですが、結局無観客じゃないですか

10月27日(d) 『中日』9面 "日本車両が減収減益 レール輸送車納入減 3月期は上方修正"、『Yahooニュース』(『中部経済新聞』) "決算を読む 日本車両製造 21年4~9月期 4年連続の経常減益 JR東日本向けが減少 通期予想は上方修正"。日本車両はJR東海の子会社。(参考:JR東日本 レール輸送気動車キヤE195系が仙台で稼働、越中島支線 DE10ディーゼル機関車けん引チキの姿も……)
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写真は飯田線市田駅構内でレールの積み下ろしをする「キヤ97」= 日本車両がJR東に納入した「キヤE195系」のもとになったレール輸送車。超電導リニアに比べると従来の鉄道 というのは無駄がないです。同じ長さの軌道を保管すると超電導リニアではもっと広大な土地がいるはず。レールは25m。ガイドウェイの側壁パネルは12.6mで、トレーラーで1本しか運べないそうです。積み下ろしは大型クレーンが必要。 ⇒ 関連ページ:"笛吹市のガイドウェイ組立・保管ヤード"、"ガイドウェイパネルの重さ"

10月27日(c) 『赤旗』15面 "リニア線上に帯水層 差し止め訴訟東京地裁初弁論 原告住民が指摘(web版)"。

10月27日(b) 『日経』5面 "排出ゼロでも2.2度上昇 50カ国・地域 抑制0.5度止まり 新政策の実行迫る 国連が試算(web版)"

10月27日(a) 『日経』"JR東海、一転2期連続の最終赤字 22年3月期下方修正"。JR東海は27日、2022年3月期の連結最終損益が300億円の赤字(前期は2015億円の赤字)になりそうだと発表した。これまでは150億円の黒字を見込んでいたが、一転して赤字予想に引き下げた。

10月26日(b) 25日から伊那市の工業団地拡張工事向けた、大鹿村内からのトンネル残土の運搬が始まる(『信毎』1面 "大鹿の残土 上伊那へ搬出 道路沿い 生活影響懸念(大鹿のリニア残土 上伊那へ搬出 道路沿い生活への影響懸念)"、『南信州』1面 "伊那市への搬出開始 リニア残土 飯伊での運搬本格化(【大鹿村】JR東海・リニア中央新幹線建設工事の残土搬出を開始)")。運ぶ先は公共事業で受け入れ量は28万㎥。JR東海が望んでいた掘削現場近くの谷の大規模な埋め立て処分地は今後新たに出てくる可能性は低いと思います。

10月26日(a) 24日の参議院静岡補欠選挙では、立憲民主、国民民主が推薦した山崎真之輔氏が自民党の若林洋平氏を破り当選。静岡県知事の川勝平太氏が山崎氏を応援。『信毎』5面 "10.31衆院選 リニア着工より不透明に 参院静岡補選 知事が山崎氏勝利に貢献 工事反対 川勝氏「県民支持得た」"、『中日』2面 "政権 引き締め躍起 参院静岡補選 自民敗北 野党余勢を駆って無党派層狙う リニア着工さらに不透明" によれば、川勝氏は「開発よりも環境を重視すると訴えて県民の支持を得た」とした。…(川勝知事は)参院補選では、告示日以降、何度も山崎氏の街頭演説に登壇し「着工は県民の理解を得られない」とルート変更や工事中止の必要性を強調した。…静岡工区を巡る国土交通省の有識者会合は、対策を講じればトンネル工事をしても大井川中下流域の流量は維持できるとする中間報告を近く取りまとめる見通し。だが関係者は「ただでさえ知事選後に静岡県が態度を硬化させているのに、さらに主張が過激になる可能性がある」と指摘した。『静岡新聞』25日 "川勝知事「リニアが争点、勝因」 参院補選、静岡で与党敗北" によれば、川勝知事は「(山崎氏も)当初はリニア問題は決着しているとの態度だった」と指摘し、選挙戦の途中から「明確に水を守るために南アルプス工事はやめるべきとなった。リニアもルート変更する以外に方法はないとはっきり言った」とリニア水問題への姿勢が選挙戦の潮目を変えたとの認識を示した。『静岡新聞』27日 "衆院選 リニア絡みなら政党問わず応援 川勝・静岡県知事" によれば、JR東海の金子慎社長が9月、流域市町長との意見交換会で「流域の懸念をそのままにして工事を進めてはならないと考えている」と発言したことを念頭に、川勝知事は「地元の理解が得られていないことが知事選に続いて今回の参院補選でも示された。流域との約束を守ってもらいたい」と工事中止をJRに改めて求めた。『赤旗』26日2面 "参院静岡補選 自民候補敗れる 鈴木氏及ばず" によれば、山崎氏の応援に入った川勝平太知事も、リニア建設から「命の水」を守る必要性を訴え、「鈴木氏も水を守る立場だ」と言及…地元紙は「激戦 静岡ショック」「厳しい審判 自民に痛手」と報じ、無党派層の7割が山崎氏に投票したと分析。『静岡新聞』25日 "激震「静岡ショック」 参院補選、山崎氏当選 野党歓喜/自民落胆" によれば、自民は岸田文雄首相の初陣として総力戦で臨んだだけに、〝静岡ショック〟とも言える結果に落胆は大きい。衆院選へ影響を与えるのは必至…告示前は共産党の候補者擁立による野党勢力の分裂や、首相交代による自民の支持率回復などで「どんどん不利な状況に追い込まれているという危機感があった」(山崎氏)。政党公認の看板を持たない無所属の立場にとって、政権与党を前面に掲げて党本部、地方組織一体で攻勢をかける自民の圧力も脅威だった…転機となったのは7日の告示日。6月の知事選で支えた川勝平太知事が、今度は自身の応援に駆け付けた。

10月25日(a) 『日経』"30年の世界の温暖化ガス、10年比16%増 国連が報告書"/『赤旗』27日1面 "温室ガス2030年に16%増 10年比 国連が報告書で警告 問われる日本の責任(web版)"。各国が提出した2030年の温暖化ガスの排出削減目標では、30年時点での温暖化ガス排出量が10年比16%増になってしまうので、パリ協定(2015年)の目標を実現するには不十分と国連気候変動枠組み条約事務局が指摘。リニア計画はパリ協定以前に始まったことなのですが、JR東海のリニア計画についての環境対策に対する基本的な感覚はちょっとずれています。肝心のことがわかっていないと思います。例えば:「今日は何の日」。とか、完成できるかどうか怪しくなったきた今日この頃ですが、完成すれば、飛行機を使う人がへるから、飛行機の利用がへるので、二酸化炭素の排出が全体的に減るとJR東海は説明していますが、工事中にどれぐらいの温暖化ガスがでるかというという点を考えていません。工事車両のうちでトンネル残土を運ぶ車の通行量は9割に近いのですが、運ぶ距離まで考えると、そもそも計画段階で処分先がほとんど決まっていなかったのですから、リニア計画では温暖化対策については考慮されていなかったといって良いでしょう。さらに、路線や駅などの鉄道施設のほかに、残土置場、ガイドウェイヤードのためにどれほどの農地が潰されたか。

10月23日(a) 『静岡新聞』のリニア関連記事:

10月22日(c) 『南信州』1面 "宅地造成 来月中旬にも着手 喬木村阿島北 リニア、三遠南信道の残土活用も"。

10月22日(b) 20日、松川町リニア対策員会が行われる(『南信州』1面 "月内は試験走行期間 松川町リニア対策委 残土運搬でJRが安全対策報告(web版)"、"拡幅改良工事が完了へ 松川インター大鹿線 河川内道路は通行終了に"、『信毎』29面 "大鹿の残土 25日にも伊那へ JR東海 松川町経由し運搬")。

10月22日(a) 少し古い記事:『赤旗』2018年1月6日 "リニア問題と安倍政権"。リニアの開発は1962年頃はじまったといわれます。しかし一時リニア建設はできないだろうと思われた時期もあったそうです。それが第1次安倍内閣が発足した直後の、2007年にJR東海が自力で建設すると宣言。リニアの開発の現状をみると、とても実用化には程遠い。JR東海にとって、企業としてリニアを建設する合理的な理由もない。それでも日本は世界一を示さなければならないという理由はあり得るかも知れません。ただし、時速500㎞程度で走る磁気浮上式鉄道としては、すでに2004年から中国の上海でトランスラピッドが営業運転をしているのですから、四半世紀後の世界で2番目です。

10月21日(d) 『信毎』2面 "JRに騒音・振動対策要請 県、天竜川橋りょう工事巡り(web版)"。リニアの天竜川橋梁の工事について、JR東海の出した環境調査と保全計画について長野県が助言を通知。⇒ 長野県 > "「中央新幹線天竜川橋りょうほか新設工事における環境保全について(天竜川橋りょう工事)」に対する県の助言をJR東海に通知しました (2021年10月20日)" > "「中央新幹線天竜川橋りょうほか新設工事における環境保全について(天竜川橋りょう工事)」に対する助言" ⇒ 関連ファイル:天竜川橋梁橋・環境保全意見 /『南信州』2面 "リニア中央新幹線 生活・自然への影響回避を 天竜川橋梁 架橋保全計画へ県が助言"。

10月21日(c) 『信毎』2面 "衆院選スピーク:比例 辻村氏 リニアの必要性ない(web版)"。辻村千尋さんの指摘は、(1)山に穴を開けたら元には戻らない、(2)遠隔会議の普及でリニアの必要性はなくなった、(3)環境影響評価に建設中止の選択肢がないのは欠陥で制度を改めるべき。(3)に関連していうと、東海岸のリニア計画(ワシントンDC・ボルチモア市間約60㎞)について行われている環境影響評価(米の場合は、建設中止の選択肢がある)で、環境影響評価の草稿(1月公表)に対する意見としてボルチモア市が建設中止を勧告しています。

10月21日(b) 『南信州』"【リニア中央新幹線】JR東海が安全対策をリニア対策委員会で報告 月内は試験走行期間"。

10月21日(a) 『南信州』7面 "飯田市 代替地「共和」来月着工へ 座光寺の宅地造成へ工事説明会"(web版)。

10月19日(a) 『日経』18面 "JR東海、社債枠1兆円 コロナ長期化 発行に備え"(web版)。

10月17日(c) 『信毎』(5面)と『南信州』(8面)に衆院選立候補予定者へのインタビュー記事。以前は選挙ではリニアに批判的な主張はほぼ出来なかった。そんなことを言えば落選しました。去年の飯田市長選挙ではリニア熱にちょっと水を差すようなことを公約に挙げた佐藤さんが当選。市議選ではリニア推進の主張が逆にしにくくなったようです。『信毎』5面で、自民から出馬予定の宮下さんは、静岡工区の問題について、「影響を科学的に分析し、リスクがどの程度か、工法で回避できるかを示し、流域自治体に理解してもらうことが時間はかかっても大切。国も責任を持って科学的に支援をするべきだ」 と。つまり開業が遅れても良いととれるようなことをいっている。静岡県を突破する方策について自民党は見当がつかないのでしょう。野党統一で出馬予定の曽我さんは、「新型コロナで国民の暮らしや意識も変化している。国の融資を返済できるか、JRは採算を計算し直し、明らかにすべきだ。残土問題は周辺地気にも長く影響を及ぼし、住民の不安の種。JRは災害予防に務める義務があり、国や自治体もそれを監視しなくていはいけない」、 と。『南信州』8面で、宮下さんはリニアについては、三遠南信やリニア中央新幹線の開通は、都市部との交流人口、関係人口を増やし、企業誘致や地方移住、2拠点居住を進め、国内外の観光客を招く絶好のチャンス。…」、と言い古されたことを言っているだけ。『南信州』が静岡の問題について聞いていないからなんですが、『信毎』は聞いた。曽我さんは『南信州』で、リニア中央新幹線が伊那谷に来れば、軽井沢のように2地域居住などで高所得層を呼び込み、地域が発展する可能性はある。が、工事中の土砂搬出や熱海市の災害のような土捨て場の安全性など、住民生活に関わる部分は行政でしっかりチェックしなければならない。 建設事業には財政投融資で税金からも巨額の資金がつぎ込まれている。莫大な投資が将来回収できるのか。JR東海の経営が悪化すれば飯田線の存続も危ぶまれる。本当に大丈夫なのか検証しなければいけない。賛成か反対かと問われれば慎重な考えだ。」と。静岡の参院補選では、大井川の水かリニアか、が大きな争点になっているようです。当地でもこれまでの選挙のようにリニアが来れば良くなるみたいな、お気楽なことを主張できなくなってきたのだろうと思います。JR東海とリニアを巡る環境は厳しくなっています。

10月17日(b) 『赤旗』13面 "続く被害「再発防止を」 外環道 陥没1年 東京・調布で住民らが集会"。 稲積直哉・芝浦工業大学教授が、トンネル沿線の地盤調査結果を報告し、「国・事業者は陥没原因を『土砂の取り込み過ぎ』とするが、トンネル掘削による振動で軟らかい地盤を緩めた可能性があり、早急に対処を」と指摘。「振動で軟らかい地盤を緩めた」という表現は結果的にはそういえるだろうとも思いますが、やや簡単にすぎるような気もします。茶葉のような細かなものを容器に入れて振動を与えると体積が減ります。つまり密度が高くなります。そういう過程で密度の不均一が起きるので、地盤が軟らかくなるのでは…。

10月17日(a) 『U PLAN』2021/10/16 "稲積真哉「地盤補修工事とトンネル工事再開(陥没事故から1年が経過して)」"。「外環被害住民連絡会・調布」が開催した「外環陥没事故1年住民集会&稲積先生講演会」の録画記録。飯田市内の風越山トンネルも上郷黒田付近の3.3キロはシールド工法です。トンネル上部は市街地です。

10月16日(b) 『赤旗』15面 "陥没 調布市に謝罪 外環道工事めぐり東日本高速"(web版)。リニアは夢のはずなのに、選挙間際に、これはマズイ。

10月16日(a) 『信毎』1面 "飯田下伊那 声託す先は 5区に出馬予定ゼロ 中選挙区制含め初 過去の選挙 勢力図に影響 担い手育む住民意識 変化も"(web版)。長野県南部の衆院選挙の選挙区、5区は上伊那郡、伊那市、駒ヶ根市、下伊那郡、飯田市。そのうち南半分の下伊那郡と飯田市を地元とする候補者が最近の選挙で出ていないことについての記事。今回の選挙も父親が伊那市出身で首都圏にお住いの宮下一郎氏と、長崎県出身で上伊那郡中川村在住の曽我逸郎氏。地理的には中川村は5区の中心部になるのですが…。飯田市議の井坪隆さんのコメント: 「地域への危機感が『何とか地元から衆院議員を』というパワーになる。リニアなどへの期待が、その『枯渇感』を和らげているのではないか」「リニアが来るだけで地域がバラ色になるわけではない。自分たちがどうまちづくりを進めるかという議論の中で、政治の担い手が育つのではないか」

10月15日(d) 『日経』30面 「新聞週間特集」の "データ駆使 調査報道に厚み 道路陥没事故 解き明かす"。関連ページ:『日経ビジュアルデータ』2020年12月17日 公開 "衛星データで分析 東京・調布の道路陥没事故"、『日経』2020年12月17日 "「大深度」工事直後に地表沈む 東京外環道、衛星で解析 【イブニングスクープ】"、『日経』2020年12月18日 "東京・調布の陥没、工事との因果関係認める 東日本高速" /「新聞週間」は、10月15日から10月22日。ちょうど総選挙の告示日を挟んでいます。大深度のトンネル工事は地上に影響を与えない(*)という、大深度法(「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」)の前提が崩れた陥没事故(**)。なお、東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会は工事の影響を認めた直後に、国交省は 「認可は『大深度だから安全』と保証するものではない」と強調(***)しています。安倍菅政権、自公政権だからこその特有の屁理屈だと思います。『日経』の新聞週間特集は、それらのことを総選挙を前に思い出させてくれました。(* 大深度以外では、2020年6月には横浜で2回シールド工法で陥没事故が起きていたし、御徒町の陥没事故(1990年1月22日)や北陸新幹線の中野市などでの地盤沈下(2017年6月に報道)など、地表への影響は十分に知られていました。深さが深ければ安全ということに、どれほど科学的な根拠があったのか疑問です。リニアについての大深度法適用は2018年10月17日。** 『毎日』2020年12月28日社説:"大深度地下の工事 リスクの再点検が必要だ" *** 『東京新聞』2020年12月18日 "「大深度なら地上に影響ない」はずだったのに…リニア工事は大丈夫?<調布陥没>")

10月15日(c) 13日、共産党の国会議員団が国交大臣に「リニア中央新幹線建設事業の中止を決断することを求める提言」を国交省に提出(『赤旗』2面 "リニア建設中止「提言」 共産党国会議員団 国交省に提出"(web版))。 関連ページ:「リニア中央新幹線建設事業の中止を決断することを求める提言」

10月15日(b) 14日、中津川の千旦林でリニアの中部車両基地の造成工事がはじまる(『中日』29面 "リニア車両基地 造成工事始まる 岐阜・中津川"、『信毎』2面 "中津川の総合車両基地 着工 隣接の南木曽 波及効果期待"(web版)、『岐阜新聞』14日 "中津川市のリニア車両基地、工事安全を祈願 JR東海")。中津川市長は雇用の拡大につながると期待しているようですが、こういう施設が地元の人を主体に雇うとは思えません。隣の長野県南木曽町の町長も車両基地関連の仕事をする人に町に住んでもらうなど波及効果をどう取り入れるか考えたい といっているようです。『岐阜新聞』は「安全祈願式」を行ったと書いています。沿線各地でリニア計画が進んでるという印象を与えようとする、選挙対策の一つに思えます。安倍・菅政権の失政のうちまだ、全国的には失敗が明らかになっていないのはリニアぐらいですから。静岡で工事ができないままでいるのは明らかにJR東海側の原因による失敗の一つ。南アトンネルの工事が予定通り進まないのも、シールド工法が地上に及ぼす影響の大きさを理解できていなかったこともなどもそうなんですが、大深度地下については、試験的なシールドマシンの稼働について、住民の批判を新聞が取り上げたことや、陥没事故を起こした外環道のシールド工事で被害の及んだ範囲が意外に広範囲だったことを伝えるニュースなどで逆効果になってますね。

10月15日(a) 『朝日』31面 "リニア新幹線 大深度地下に着手 品川 JR東海「調査掘進」"(web版)。

10月14日(f) 予定欄で紹介した飯田市公民館・市民大学講座第3講。山崩れ、土石流などの災害は、特別な現象に見えるけれど、じつはそれによって今私達が暮らしている大地や地形ができてきたわけで、自然のいとなみだということを理解することが肝心という内容のお話でした。

10月14日(e) リニアに振り回されない主体的なまちづくり。『南信州』1面 "佐藤氏就任 1年目 信大新学部誘致に意欲 飯田市長 「コロナに追われた」(web版)"。就任1年になる佐藤飯田市長へのインタビュー記事。「リニアや三遠南信道の工事が本格化し、リニアはいよいよ県内駅整備着手の段階となった」という問いへの答え、産業界を含め、リニアへの期待や関心が低いという指摘がある。30代、40代の若い世代に働き掛け、『リニアをしたたかに活用する、リニアに振り回されない主体的なまちづくり』について一緒に考えたい。リニアに振り回されない主体的なまちづくり」を考えると、リニアへの期待や関心がより低くなるのではないかと思いますが、それはそれで良いことだと思います。

10月14日(d) 『静岡新聞』"湧水戻し、新方策を JR東海社長意向 リニア大井川水問題"。13日の金子社長の会見の記事。 静岡工区の工事期間中のトンネル湧水について、「県内から流出した水をトンネルが貫通した後に戻す方法を、全量戻しの一つの方法として提起しているが、県は納得できないということだろう。理解が得られるような方策をさらに検討していかないといけない。そういう方向に向かって頑張っていく」 と述べていますが、具体的にどうできるという話ではないようです。

10月14日(c) 『信毎』2面 "南アトンネル 長野工区着工5年「ペース落とさず」 JR東海社長"、『中日』13面 "県駅 準備工事 年度内にも着工"。13日、JR東海・金子慎社長が会見で、南アトンネル長野工区について、着工から5年を迎えるのを前に、同工区の工事について「ペースを落とすということではなく、一生懸命掘っていきたい」と述べた。…本坑掘削の着手や完成時期の見通しについては示さなかった。…前方の地質や湧水の状況を事前に把握する「高速長尺先進ボーリング」を挙げ「最新技術でいろいろな状況を確かめながら進めて行けると思う」とした など語ったようです。さて、「ペースを落とすということではなく、一生懸命掘っていきたい」というのは、『信毎』の書き方なのでしょうか、なんか変だと思いませんか? 9月28日の大鹿村のリニア連絡協議会では掘削は順調に進んでいるとJR東海さんは報告していました。その後、順調でなくなったということなのでしょうか。上郷に予定の中間駅については、早ければ本年度内に準備工事に取り掛かるよう進めていると説明。…他の交通網との連携を挙げ「広域的にリニア(整備)の効果が広がる」と期待した。 と用地買収の進み具合など具体的な内容がなく、駅の工事がいよいよ「始まるぞ」という印象はありません。実際、駅周辺の様子からは、そう簡単にはいかないだろうと思います。色あせて見え始めたリニア、選挙を前に、まあ、あまり景気の良いことをいうと逆効果になると考えているのかも知れません。それにしても、記事からは、金子さん、なんか元気がないという感じですね。

10月14日(b) シールド工法による地盤への影響は想定外に大きいというニュース。調布市の外環道による陥没事故を巡って、地盤工学の芝浦工大の稲積直哉教授は、掘削部分の真上だけでなく周辺地盤も緩んでいるとの調査結果を明らかにした(『信毎』2面 "掘削工事で周辺地盤も緩み 調布の道路陥没 工事振動原因か"、『首都圏 NEWS WEB』13日 "調布陥没 トンネル真上以外も地盤緩みの可能性 専門家調査"、『日経』"道路陥没、周辺地盤にも緩み東京・調布 工事振動、原因か")。/『TBS NEWS』10月12日 23時30分 "地盤が“スカスカ”・・・住宅街陥没で新事実 食器棚から異音【調査報道23時】"。

10月14日(a) 『東京新聞』 "<民なくして 2021衆院選かながわ>(3)リニア大深度工事 「問題ない」に不信感"。大深度地下の利用は地権者の事前の同意はいらないのですが、リニアの建設工事である以上は、着工するには地域住民の「理解」が必要と認可のときに国交大臣は指示していました。

10月13日(c) 『信毎』3面 "都内 大深度地下 あす試掘に着手"。リニア新幹線の東京都内の大深度地下のトンネル工事について14日から品川区内で「試掘」を始めるとJR東海が発表(12日)。『東京新聞』"品川で14日からシールドマシン発進 リニア中央新幹線初の大深度掘削 住民反発も" 。『信毎』の書き方だと、垂直ボーリングを始めるのかと思いましたが、シールドマシンを動かすようです。場所は北品川立坑。建設に反対する「リニアから住環境を守る田園調布住民の会」(三木一彦代表)は「住民軽視の暴挙。事実上の初期掘進で、到底容認できず、中止を求める」と緊急抗議声明を出した。 JR東海は「これまで住民向けの説明会で施工管理の強化などを説明してきた。今後も住民の意見に丁寧に対応し、心配の解消に努める」とコメントを発表した。。静岡の大井川の水の問題にしても、JR東海の方々の対応はちょっと「はずれてる」。これも総選挙対策なんでしょう。 ⇒ 「リニアから住環境を守る田園調布住民の会」 > "調査掘進着手に対する緊急抗議声明" /『赤旗』14面 "リニア大深度工事 着手に住民ら不安 東京・品川"。

10月13日(b) 現在どうなっているのか分かりませんが、リニアをJR東海と一緒に開発している鉄道総合技術研究所に1990年度から1997年度にかけて、山梨県が無担保、無利子で合計134億円の融資をしました。償還開始は開業後で開業後20年程度で完了させる。また、営業主体の使命を受けた時点にJR東海が鉄道総研の保証人となる契約を山梨県と結ぶという条件だったようです(参考)。開業できなければ踏み倒しか? 南アルプストンネルの山梨工区は静岡県内まで食い込んでいます。登り勾配なのでトンネルへの湧水は山梨県側に流れてしまいます。工事期間中はともかくそのまま流れてしまう。その分についても大井川に戻すように静岡県は求めています。JR東海は流れた分の総量にあたる水を20年の年月をかけて大井川に戻すと説明しているようです。工事期間中のある1年のうちで必要な水はその年というかその時に必要なはず。20年かかって返してもらっても意味がありません。そういう約束はあり得ないというのが世間の相場。

10月13日(a) JR東海は南アルプストンネルの工事で吹き付けコンクリートと覆工コンクリートの間に防水シートを貼ってトンネル内部への湧水を防ぐと説明しています。防水シートを貼るという方法にも限界があるようです。 ⇒ 「リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい?」の "南アルプスで非排水型トンネルは採用できない?"(2021年10月12日)

10月12日(a) 10月6日の静岡知事のコメントについて『毎日』の7日の記事 "リニアの行方:知事「工事やめるべき」 湧水全量戻しを念押し /静岡"。 「全量戻し」について、「全量戻しができなければ、工事をしない約束を実行してほしい。トンネルを掘った後に水を戻すことを全量戻しという詭弁(きべん)は通用しない」…「トンネルを掘った時に出る水は県外に流し、戻せない。掘った後、数十年かけてポンプで戻す案を流域の市長は『到底、受け入れられない』と言う。私もその通りだと思う。理解を得られていない」…JR東海の今後の説明に関しても「どんなに丁寧に説明しても、中身は変わらない。JRは理解を得られなければ工事をしないと言っている。約束通り、工事をやめる方向に明確にかじを切るべきだ。ボールは今、JR側にある」 つまり、JR東海は静岡県内での南アルプストンネルの工事を断念するしかない

10月10日(d) 『赤旗』13面 "懸念置き去りで出発 北陸新幹線延伸計画 土石流・有害残土・水脈分断 専門家指摘"。⇒ 関連記事:『京都新聞』9月2日 "北陸新幹線の延伸「できたら来てほしくない」 京都・南丹市長、残土など影響に懸念"。

10月10日(c) 8日の飯田市の「まちづくり委員会の連絡会議」でのJR東海の説明について、『南信州』1面 "リニア県駅 「年度内着工」改めて意向 JR東海 地元協議進め工事説明会へ"。長野県駅(仮称、全長950メートル)を巡り、JR東海長野工事事務所の平永稔所長は8日、本年度中の工事着手を目指し、着工の前提となる工事説明会を年度内に開きたい意向を改めて示した。市まちづくり委員会連絡会議の中で「この冬または本年度中に工事説明会を行うため地元と協議している」と説明した。3月に提示した工程表によると、ヤード整備を含めた準備工事や、竜西一貫水路、新戸川などの道水路付け替え工事について、年度内に着手する予定。県、市、JRの3者が情報共有する6月の調整会議でも、JR側は年度内の工事着手に向けて地元とも協議を重ね、今秋にも工事説明会を開くとしていた。

10月10日(b) 8日に豊丘村リニア対策員会が行われる(『中日』22面 "8月大雨被災林道復旧に残土活用を 豊丘村がJR側に示す"、『南信州』1面 "変電所の建物工事に着手 豊丘村 リニア対策委で中電が報告")。(1)8月の大雨で被災した林道の復旧にトンネル残土を使う、(2)戸中斜坑(6月28日掘削開始・延長980m、101日で98m=月29m)と坂島斜坑(7月16日掘削開始・延長1440m、83日で144m=月52m)は共に約1割を掘削、(3)坂島斜坑の残土から基準値を上回るヒ素が検出され仮置き場に盛土、(4)中電の下伊那変電所の造成が9月に完了し10月4日から建物の建築工事を始め、電気工事は9月23日から開始、稼働は2024年10月予定、(5)『南信州』によれば、豊丘・喬木境から天竜川橋梁までを結ぶ阿島北高架橋(約900m)と喬木村北霊園下のトンネル(約170m)の着工時期は示さず。/『信毎』12日25面 "豊丘の変電所 造成工事完了 中電、リニア供給用"。『信毎』によれば坂島斜坑から基準を上回るヒ素が検出された要対策土は約1100㎥。『中日』によれば、坂島の残土仮置き場に仮置きされているようです。最終的な処分方法は未定。

10月10日(a) フェイスブックの「リニアを考えようコミュニティ」にトンネルの湧水についての興味深いスレッドがありました。⇒ "トンネル湧水は、一度発生したら止まらないのかな"

10月9日(e) 『静岡新聞』 "静岡県「JRの説明、不十分」 湧水全量戻し否定、問題視【大井川とリニア】"。

10月9日(d) 『静岡新聞』 "権利侵害「立証不十分」 リニア工事、JR反論 静岡地裁"。

10月9日(c) 『選択』10月号、p78「経済情報カプセル」に "「JR東海支援」の米リニア鉄道建設土地取得巡る裁判「敗訴」の深刻 "。国内外でリニア事業の手詰まり感が出てきた。 というのは、静岡や大深度地下の問題だけでなく、米東海岸のリニア計画があまり上手くいっていないということ。現地のニュースで少し前に報道された土地取得を巡っての訴訟でリニア計画を進める事業者が敗訴したという話。 ⇒ 『THE BALTIMORE SUN』AUG 30, 2021 AT 4:09 PM, By LORRAINE MIRABELLA, "Judge dismisses Baltimore-Washington maglev rail operator’s lawsuit to condemn Westport developer’s land" を読めば訴訟の内容が分かるはずだと思いますが、英語です。残念。ワシントン・ボルチモア・アナポリス電気鉄道会社がメリーランド州公共サービス委員会の承認を得て2015年にボルチモア市内の43エーカーの土地を買収しました。超電導リニア(SCマグレブ)の建設を計画しているボルチモア・ワシントン・ラピッド・レール(BWRR)社は、最近その土地の購入に失敗しました。その約2週間後にストーンウォールキャピタルが1300戸分のアパートやタウンハウスなどを建設するためにその土地を取得。BWRR社は、州の承認を受けて鉄道事業者が買った土地であることを根拠に(鉄道用地にすべきということなのだろうと思います)、ストーンウォールキャピタルの土地購入を非難する訴訟を起こしたけれど、訴えは却下されたというようなことではないかと思います。不確かですみません。その土地はルートの一部だと思います。記事はふれていませんが、この訴訟以外でも、ボルチモア市がアセスメントの草稿への意見として建設の中止を勧告したなどということもあります。米国での計画の前途が見通せないのであれば、「国内外で混迷を深める建設計画」ということになるでしょう。

10月9日(b) 『信毎』1面 "県内駅 年度内着工目指す JR東海、住民と調整(web版)"。 駅部の着工はもともと2018年でした。3年遅れています。地元住民への工事説明会を開くことが着工の前提ということで地元と説明会の内容や日程の調整を続けているようです。つまり見出しにある年度内より先になる可能性もあると記事は書いています。年度内というのは8日の「まちづくり委員会」の連絡会議でのJR東海の説明。見出しだけ読むとけっこう進んでいるなと思えるかも知れませんが、ちゃんと全文を読むと、JR東海にとって状況はなかなか進んでしないということになると思います。JR東海は用地の取得率について、地権者にプレッシャーを与えるので公表できないとしているようです。少なくとも現地で更地になったところは飛び飛びで本当に工事を始めることができるのだろうかと思いますね。けっして、用地取得は進んでいるとはいえないと思います。見出しだけ読めば自民にプラス、本文を読むと野党側にプラスというか、5区ではリニアの夢で票を稼ぐのはもはや難しいのではないかと思います。飯田市議選でもリニアがほとんど話題にならなかったと聞きます。

10月9日(a) 『信毎』1面 "L0系改良型 500キロでも静か 試乗会"。 /『静岡新聞』 "リニア試乗会 JR東海、時速500キロを公開"。/『南信州』1面 "リニア 時速500キロを体感 改良型車両に記者が試乗"。

10月8日(f) 『静岡新聞』 "事業者の説明、地元の納得不可欠 国交相、リニア工事巡り見解"。南アルプストンネル工事の中止をJR東海に指導するよう政府に求めた川勝平太知事の要望については、就任会見時に把握していなかったとした上で「要請があったことを踏まえ、国交省として検討したい」とした。

10月8日(e) 『静岡新聞』 "応援弁士川勝知事、リニア巡り自民けん制【参院静岡補選】"。

10月8日(d) 午後3時半ころ、大西山の西側の前山のような感じになっているあたりに、朱色の小さなものが横方向に動いているのが見えました。ちょうど中電が大鹿のリニアの電力変換所に電気を送る鉄塔を建設している付近なので、鉄塔建設のヘリだったのかも知れません。

10月8日(c) 『中日』9面 "東海キヨスク 愛知の駅に「信州市場」 乗客減の苦境 新鮮野菜・果物に活路"。JR東海グループの東海キヨスク。旅客数の減少で苦しいキヨスクの売上の底上げのため信州産の新鮮な野菜の販売を始めたそうです。記事によれば、輸送量はコロナ前に比べ、新幹線35%、「しらさぎ」35%、「ひだ」30%、「しなの」30%、「南紀」34%、「ふじさん」52%、「ふじかわ」42%。キヨスクの売り上げは2019年3月期の約640億円が2021年3月期には約250億円に減少。

10月8日(b) 『赤旗』4面 "リニア中止決断を 党国会議員団PT、提言を発表"(web版)。⇒ 「リニア中央新幹線建設事業の中止を決断することを求める提言」

10月8日(a) 『静岡新聞』6日 "記者コラム「清流」 事後報道のむなしさ"。 事前の警鐘報道は難しい。「別の考えもある」「危険を過大評価するな」と批判される。それでも、リニア大井川水問題、太陽光発電施設の乱開発問題など、未然に被害を防ぐことこそ報道のあるべき姿と考える。

10月7日(d) 『静岡新聞』 "大井川湧水の全量戻し、工事中も含む 知事、流量問題で見解"。川勝平太知事は6日の定例記者会見で、静岡県や利水者が求める減水対策「トンネル湧水の全量戻し」について、減水の影響が大きくなる貫通前の工事期間中も湧水を大井川に戻さない限り着工は認めず、JR東海が山梨、長野側から進めている同トンネル工事を中止すべきとする見解を示した。岸田内閣発足に当たって発表したコメントで中止を求めた「リニア工事」は、「南アルプストンネルに限定した」とする解釈を示し、工事中止後の対応は同社が考えるべきだとした。リニア事業そのものは「(東海道新幹線の)ひかりやこだまが増えるメリットが本県にある」と反対しない姿勢を示した。。 JR東海は静岡以外の地域の工事は進めるといい、他地域の行政もJR東海がそう言っているからと用地交渉や関連事業を進めるという。長野工区は静岡県に約700mかかっています。静岡地裁に提訴された工事差し止め裁判は「静岡県内の工事の差し止め」を求めています。川勝さんの今回の発言の「南アルプストンネルに限定」の中止の範囲は長野県大鹿村内や山梨県早川町内にまで及ぶのか静岡県内なのか静岡工区に限ったものなのか。いずれの場合でも、川勝知事がいう「南アルプストンネルに限定」した「中止」によって、ルートの変更が必要になるので、リニア計画は中止しかないと思います。

10月7日(c) 『朝日』13面 "耕論:「枯れた技術」の使い方"。小野雅裕さんの "リスクを見極め 採否を判断"。技術は状況に応じて積極的にリスクをとるべきものと、リスクを最小限に抑えるべきものがあり、バランスが求められます。スマホのカメラに新技術を使ってトラブルが起きたとしても、それで死ぬ人はいないでしょう。一方で、車の自動運転などは事故が起きれば命に直結します。 リニアについては、「北山敏和の鉄道いまむかし」の「山梨リニアの超伝導磁石」の解説文に次のような説明が:人命にかかわるリニアの支持(レールへの輪重)、案内(車輪のフランジと踏面のテーパ)、推進(車輪レール間の粘着力)の心臓部を担う基礎部材などに超伝導磁石を使うべきものではなく、これはもっと高級な精密機械に使用されるべきものです。超伝導磁石を使った医療用のMRIはすでに多くの病院に導入され実績をあげています。 この場合は例えクエンチしても検査ができないだけで、患者には何の危害もありません。 クエンチや超電導磁石の不調が絶対に起きないことがない以上は 公共交通機関に使うべきでないと思います。

10月7日(b) 『信毎』7面 "国内短信▼静岡知事、国交省のリニア発言に不快感"。新米国交大臣のリニアについてJR東海に地元への丁寧な説明を指示するとの発言について、川勝知事は、住民の理解を得られていないリニア計画を新政権が推進することを前提にした発言だとして「県民の意思をないがしろにしている」と不快感を示した そうです。

10月7日(a) 『信毎』23面 "移転対象者向け宅地 喬木で今月以降造成 災害時のリスク説明求める声も"。喬木村でリニアで移転する人たちのための住宅地を造成するというのですが、その場所が水害を受けやすい場所なので、住民からは災害時のリスクを十分説明した上での売り出しを求める声が上がっており、村高速交通対策課は「造成地のパンフレットに記載したり、個別に説明したりして周知したい」とする。/『南信州』8日1面 "リニア残土の活用も検討 喬木村 移転者向けの宅地造成"。

10月6日(e) 『南信州』1面 "高森町 9年後の地域の姿考える まちづくり懇談会スタート(web版)"。この懇談会はいつのころからか「町政懇談会」が「まちづくり懇談会」に名前が変わりました。また、壬生町長にかわった2019年から、ワークショップ形式で行うようになりました。昨年はコロナの関係で従来形式。飯田市は、牧野市長の時代に、昔からある住民の地域自治組織(自治会、部落会、区など)を「まちづくり」委員会とか「地域づくり」委員会という形で市の行政の下請け機関として再編しました。高森町もそういう方向を考えてるのかなと思います。その結果、役員の負担や「責任」がふえ役員のなり手がなくなる、さらに隣組加入が減るようなことなど、困った現象が起きているそうです。それもあってか牧野さんは去年の選挙で大差で落選。ワークショップ形式では町側が提示するテーマについて住民が討論したものをグループごとにつく町の職員が意見をまとめる形になります。職員の負担も大きいです。まとめとしてグループごとの討論結果を列挙しておわりという感じですね。さすがに最後に住民の自由な発言の時間も取りますが、従前に比べて割り当てられる時間は少なくなります。これでは、町と住民の懇談は成り立たないと思います。従来はその時々の生の住民の声や要望を聞くという形でしたから、大きな違いです。地方自治に詳しい方によれば、町政懇談会をワークショップ形式で行うのは不適当とのことでした。たとえば、JR東海の説明会がワークショップ形式で行われる可能性があると思いますか? また、だいたい、グループごとに輪になって話し合うやり方ですから、コロナの感染状況が下火になったとはいっても、下火になったということでいろいろな活動を緩めた結果感染が拡大するという繰り返しについて反省がないように思います。副常会長は出席するよう回覧板で案内がありました。面倒くさい話です…(訂正:回覧板には副組長以上と書かれていたようです。言いたいことが言えないならば住民は参加しません。だから動員することになる。町から自治会に指示があったかどうか定かではないですが、なかったとすれば、自治会長が忖度したのだろうと思います。)

10月6日(d) 『信毎』7面 "国内短信▼リニア静岡工区で国交相、「JR東海は地元に説明を」"。新しい斉藤鉄夫国交大臣は5日の者会見で、静岡県が反対しているリニア中央新幹線静岡工区の着工に関し「(事業主体の)JR東海に対し、利水者など地元関係者に分かりやすく丁寧に説明するよう指示する」と述べた。科学的でなく、合理的でもない内容をいくら丁寧に説明しても理解は得られないわけで、そもそもこれからも説明を続けて理解を得ようというJR東海の姿勢が問題なので、国交大臣がまずやるべきことは工事の認可を取り消すことしかないはずです。そこまで行かなくても、ルートの静岡県内の通過について変更を指示すべきだと思います。事実上、静岡県については環境影響評価の段階で行き詰ったと思います。世界的に一般的なアセスのやり方であれば、大幅な計画の変更や計画の中止という評価結果になるはずです。環境に影響がどの程度あるか検討して、影響を出来るだけ避けるためにやるのがアセスですから、計画の変更や中止も結論としてあるのが当たり前であって、日本のように手続きとして書類を出せばそれで通るようなものは本来の意味はないし、たとえ2年間でもアセスにかけた時間と費用は建設計画としても無駄なものでしかないわけです。新任の大臣として言うべきことと考えて発言されたのだと思いますが、ワンパターンのコメントは、自公連立の岸田内閣の閣僚のダメさ加減をよく示していると思います。

10月6日(c) 『赤旗』14面 "「2030戦略」を読んで 社会システムの変革必要 環境経済研究所代表 上岡直見さんコメント"。公共交通政策について、大規模な環境破壊を引き起こし、運行に莫大(ばくだい)な電力を消費するリニア中央新幹線の建設の中止という政策は当然だと思います。 ⇒ 「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」の「4、脱炭素、省エネ・再エネをすすめる社会システムの大改革を」の「3)運輸・交通分野――交通政策の全面的転換、自動車からのCO₂ 排出を削減・ゼロに」に 新幹線の4倍もの電力を消費する、リニア中央新幹線の建設は中止します。。 関連:『赤旗』9月2日 "気候危機打開 日本共産党が「2030戦略」 志位委員長が発表"

10月6日(b) 『赤旗』11面 "総選挙勝利へつどい 共産党登山者後援会 はたの氏あいさつ"。日本共産党全国登山者後援会は4日、総選挙勝利を目指す集いを開く。はたの氏は、「登山者のみなさんが反対運動をしているリニア新幹線は、環境破壊に加えて莫大(ばくだい)な電力を使う。気候危機にも逆行する事業だ」と指摘。「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」を示してリニア計画を批判しました

10月6日(a) 『静岡新聞』の記事から:

10月5日(b) 『日経』4日 "静岡知事、「リニア工事行わないよう」首相に要請求める"

10月5日(a) 『中日』15面 "残土置場計画 再検討を JR東海に要望 南木曽・広瀬の自治組織"。南木曽町の蘭川上流のリニアのトンネル残土置場について広瀬地区の自治組織「広瀬地域振興協議会」が取りやめるようにJR東海に要望。振興協議会の野原会長は「住民の総意として承諾できない。現地調査も含めて中止してほしい」と求めた。JRは「再度検討する」と答えたという。。候補地は国有林約8ヘクタール。

10月3日(c) 壊れないものはないけれど、ないものは壊れない。『中日』の読書欄(11面)「記者の一冊」に石橋克彦著『リニア新幹線と南海トラフ巨大地震』。リニアが南海トラフ巨大地震に対して無傷で、被災した東海道新幹線の代替となることは考えられない。むしろ、リニアがなければ起きないはずの別の災害を生み出し、震災時の救援や復旧、復興を阻害する―と本書は鋭く説いている

10月3日(b) 『朝日』4面 "ローカル線「公」が支える欧州 存廃直面の日本 コロナの影"。

10月3日(a) 「時間が欲しい」とJR東海。『南信州』2日(紙面は3日1面 "リニア残土 伊那市への搬出25日から 大鹿村外への運搬本格化へ") "リニア中央新幹線】伊那市が大鹿村内で発生する残土搬出の開始日示す" によれば、伊那市の工業団地拡張工事に向け大鹿村内からの残土の搬出について10月18日からの予定を25日からに変更したいとの申し出がJR東海からあって、伊那市は25日からに変更。理由は、周知のためにもう少し時間がほしい。運搬ルートの大鹿村、中川村、松川町にはすでに十分に説明をしたはず。本当のところなぜ時間がほしいのか?な。/大鹿村から出てくるのは主に南アルプストンネルの残土です。大鹿村外へ搬出されるのが本格化するのですが、これからは、走るダンプカーの台数、残土を活用する工事の進み具合でトンネルの掘削の進み具合が分かるようになるということでもあるのです。つまりリニア新幹線の工事が進んでいる面だけでなく、先行きの不安な面についても、誰でもが見えるようになる。

10月2日(a) 1日、天竜川橋梁の橋脚の工事始まる(『中日』13面 "天竜川橋りょう 本体着工 県内初 喬木村道などに資材運搬車両(web版)"、『南信州』1面 "天竜川橋梁 喬木村側で本体工事始まる JR東海 県内建設予定の橋では初めて(web版)"、『信毎』1面 "飯田・喬木 天竜川橋りょう本体着工(web版)"。)。

10月1日(d) 『信毎』7面 "深さ94メートル 川崎にリニア立て坑完成"。川崎市の東百合ヶ丘のシールドマシンを入れるための立坑が完成。直径が32m、深さ94mだそうです。立坑は山岳トンネルでは斜坑にあたるもの。断面積が11倍ほどあるので残土量も多いです。斜坑の長さに直すと1㎞少しになると思います。建設開始から54か月かかっているので、斜坑の1か月あたりに換算すると約20m。本線部分のシールド工法が掘削速度が期待通りにならない場合は能率が悪いやり方です。外環道の調布で起きたような事故があれば、とたんに工事は止まります。都市部の大深度トンネルも、南アルプストンネルと伊那山地トンネルの青木工区のように、掘ってみないとわからないという要素があると思います。
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工事中の東百合丘立坑。

10月1日(c) 『信毎』23面 "残土搬出へ拡幅した中川の県道 11月7日から対面通行"。

10月1日(b) 『南信州』1面 "JR東海 「活用の方向で調整中」 豊丘村 リニア残土で林道復旧"。

10月1日(a) リニアの天竜川橋梁の工事始まる(『信州 NEWS WEB』"リニア中央新幹線 天竜川の橋 本体工事が始まる")。NHKの画面では、この部分を埋めて通路を造っているように見えました。