更新:2022/08/12

リニアの送電線の鉄塔(ズレを調整すること)

 7月19日に掲載したリニアに電力を送る中電の送電線の工事の様子のその後。同じ場所から見ていますが、約3週間前と鉄塔の高さについてはほとんど同じに見えます。クレーンの背丈が延びています。

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余談ですが。下の写真は、一脚を使ってそこそこ苦労して撮影しました。カメラに手振れ補正機構なし。センサーサイズが「約22.3×14.9mm」、約1100万画素、レンズは焦点距離1040㎜相当(35㎜判換算)。上の写真は、知人から借りた、手振れ防止のついたコンパクトデジカメで手持ち撮影です。センサーサイズは「6.2×4.6mm」、約800万画素、レンズは焦点距離約1000㎜相当(35㎜判換算)。

 手振れ補正機構というのはけっこう効果があるのですね。まあ腕が悪いということもありますが…。手で持っているカメラの動きをセンサーで検出して(*)、画像センサー(CCDやC-MOSなど)やレンズを動かして補正(調整)するというエレクトロニクスを応用した仕組み。これは常電導の磁気浮上式鉄道の浮上の仕組みと似ています。

* TDK「テクの雑学」 > "第55回 きれいな写真で思い出記録 −デジタルカメラの手ブレ防止機能−"

 超電導リニアと比べると、ガイドウェイと車体の隙間を検出して電磁石を制御する常電導方式のほうが、車体を支えるという肝心の部分に広く普及している技術(エレクトロニクス)を応用しているといえます。

 1960年代に国鉄の技術陣がエレクトロニクスでそこまでできると思わなかったから超電導方式を採用したのではないかという指摘(*)もあります。

* 1960年代当時は浮上高さを制御するための、電気機器の技術も、制御技術も不十分であった。その点から、反発方式しか選択肢はなかったと考えるのが妥当であろう。、(『鉄道ジャーナル』2017年1月号、p118、「鉄道車両技術のア・ラ・カルト18回」(近藤圭一郎))。

 しかし、ドイツや日本航空はほぼ同じころから常電導方式で開発を開始して、国鉄・JR東海より20年近く早く営業路線を完成させています(*)。

* ドイツが開発したトランスラピッドは2004年1月から上海で正式に営業開始。日本航空が開発を始めたHSSTは、のちに中部HSSTに引き継がれ、2005年から名古屋で「リニモ」の愛称で営業を開始。

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