更新:2023/01/13

「実装」というコトバの違和感

 『南信州』1月12日2面 "2023 新春座談会 リニア開業と4年制大学設置(下)"という記事。

 『南信州』は最近は、毎年元旦号でリニア関連の記事をたくさんのせています(1~10面)。

 12日2面の記事は、そのひとつ新春座談会(2~3面)の続きの記事。8日の古谷部長へのインタビュー記事も元旦号(5面)のつづき。

 元旦号を見るとリニアと関連事業の進みぐあいの現状(4面、5面、8面)がおよそ見渡せるようになっています。

 元旦1面のコラム「日言」は「実装」という言葉を取り上げています。「実装」という言葉に、コラム氏はおそらく違和感を持ったのでしょう。この言葉は、たぶん、佐藤市長が駅周辺整備事業などリニア関連事業について使い始めた言葉だと思いますが、2027年の開業は絶望的なことはじめ、リニア本体の工事が計画どおりに進まない状況のもと、関連事業の進め方の見通しが明確にできない現状をぼやかして、関連事業は着実進んでいるように見せかけるために使ったのではないかと思いますね。

 去年の夏、あることを調べるために約100年前~70年ほど前までの新聞を飯田市中央図書館で調べました。端末を使って古い地元紙(*)の閲覧ができるこのシステムは比較的最近になって導入されたのだろうと思います。地元のことというのは以外に正確な事実が伝わっていないものです。地元の昔のことを知りたいときに地元に密着した新聞が大変に価値のあることがわかりました。

* 『信濃毎日新聞社』がつくった「信濃毎日新聞データベース」(図書館の端末から利用するか、会員になって利用する)で、同社に統合(1942年)された、飯田市付近で出されていた、『南信新聞』(1902年創刊)、『信濃時事』、『信濃大衆新聞』、『信州合同新聞』(1939年前述3社を合同)など地元紙の紙面が画像データで読めます。ただし一部欠号や部分的な「やぶれ」もあります。日本が近代化した以後でも、われわれの側の資料というのは意外に危うい状況の元で保存されてきたということでもあると思います。飯田中央図書館では『南信州』(1954年創刊)や『信州日報』(1956~2013年)も、古い紙面を端末で閲覧できます。

 そういう意味で『南信州』という新聞は将来に向かって価値のある新聞だと思います。元旦号に興味のあるかたは、今の内なら残部があるかもしれないので南信州新聞社(飯田市育良町2-2-5、0265-22-3734)に問い合わせたらいかがでしょうか。元旦特価1部(64ページ)180円。通常は1部80円。