更新:2020/11/27

「ふじのくに県民クラブ」の視察

 『朝日デジタル』(静岡版)25日 "残土置き場に難 県議らリニアで長野を視察" が、10月20日に静岡県議会会派「ふじのくに県民クラブ」が大鹿村のリニアの工事現場を視察した報告会を、24日、静岡県庁で開いたと伝えています。報告では、長野県内でも工事は遅れているといい、残土処理などに課題が見えた といっています。

 記事の中で、佐野愛子県議は小渋川の河原に15、6メートルの高さまで残土が積まれているのを見て驚き、不安を感じた というのは、中川村の半の沢の対岸に積まれたリニア残土搬出のために行われた県道改良工事の新設トンネルの掘削残土。実際、残土盛土の対岸に仮設したリニア工事関連の迂回路が6月に一部流失して、やっと12月1日から使えるようです。この迂回路が使えなかったために、飯田市のリニア関連の移転対象者向けの移転代替地の造成工事が遅れています。

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2019年1月、中川村、半の沢の対岸に造成中の県道トンネルの残土置き場(20万立米、仮置き)。現在は、流出防止のために土のうを積むなど対策をしてあって外観は少し違っています(下の写真)。

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2020年3月30日撮影。この残土にリニアトンネルの残土約33万立米を追加して反対側の半の沢を埋めて道路にする計画があります。下流域住民に反対の声が出ています。

 林の中に残土を固めて積み重ね、表面をコーティングした巨大な構造物もできていた というのは、荒川荘跡の残土の恒久的置き場(『朝日』の1つめの写真の画面奥)。この写真の手前、自動車の駐車しているところが三正坊の仮置き場(5.5万立米+α)(『朝日』の2つ目の写真)。

『朝日』掲載の写真について

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荒川荘跡地の残土盛土(3万立米)

 静岡はやっぱり遠いです。リニアができても遠いです。時間的に厳しかったのだろうと思いますが、せっかく三正坊まで行ったのですから、7月豪雨で工事現場が被災していた状況も見て欲しかったと思います。「オレンジ6」の画面、三正坊橋を渡る車窓から河川敷内の仮設道路の取り付け部分が見えています。10月20日なら足をぬらさずに除山斜坑ヤードや釜沢斜坑ヤード手前まで行けたのではないかと思います。

 スケールが違いますが、静岡と同じように、工事現場に通ずる道路も、工事ヤードも自然災害を受けやすい場所で行われています。

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「オレンジ6」の画面。

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10月25日撮影。

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除山斜坑ヤードの復旧は4か月過ぎても手付かず。現場に通じる県道の地滑り対策が2021年3月31日までの予定で行われています。まずそっちがすんでからということなのだろうと思います。

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